ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島 二代目襲名物語~吾輩はモコである、のつづき~二代目襲名物語~吾輩はモコである~ 


二代目襲名物語~吾輩はモコである、のつづき~

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

きのうに引き続き、吾輩はモコであるの続きです。
かごの同居人(鳥)、黒頭が逃げ出し、その後のモコです。


吾輩は文鳥である。
名前はまだない。
黒頭のやつがどこかに逃げて、呆然としたのもつかの間、人間たちはすぐに戻ってきた。
となりのかごのブルーボタンインコは、まるで自分が捕まえられるとでも思ったのか、そわそわがたがたし始める。
おまえじゃないよ、と言ってやりたい。
値段は高いけど、おまえ、そんなに人気ないんだよ、と言葉が通じたら絶対言ってやるのに。
ブルーボタンだけじゃなく、まわりのセキセイインコたちまでがいっせいにナニゴトかと騒ぎ始める。
何を言ってるのかわからないが、とにかくお祭り騒ぎである。
インコのやつらは数を頼んで大騒ぎの毎日。
じゅりじゅりじゅりじゅり鳴いている。
悪声はなはだしい。
こっちはよくわからんが、危機せまる状況なのだ。
鳴いてるヒマすらないのだ。
また店員の手がにゅーっと入ってきて吾輩をつかもうとする。
店員の手は空をつかむばかりで、吾輩をかすりもしない。
これなら逃げ切れると思っていたら、店員じゃないほうの女が、
「わたしがやってみます」
と言って手を伸ばしてくる。
女の手は店員よりもかなりやる気があるのか、なにやら切羽詰ったすばやさである。
吾輩の動きを読んでいるのか、がつがつ来やがる。
おいおい、何がおまえをそうさせるのか?
いったい吾輩が何をしたというのか?
考えたとたん、首根っこをつかまれた。
まさに首の根っこをつかまれたのである。
指の間に吾輩の首をはさみ、全身はほかの指でぎっちりと握られている。
おいおい吾輩はスシか。
しかしこれには吾輩も参った。
動こうと思っても、体がいうことをきかない。
思いっきり全身をふるわせてこの羽交い絞めを突破しようと思ったが、思ってるうちに真っ暗なところに放り込まれた。

なんでこうなるのだ。
黒頭のやつは広い世界に羽ばたいて、吾輩は暗闇に放り込まれる。
いったい、吾輩が何をしたというのだ。
しばらく考えた。
考えてもいい知恵は浮かばぬ。
それでなくても暗いところは吾輩の機能を低下させるのだ。
しばらくすると、いきなり明るくなった。
国境の長いトンネルは抜けていないが、目の前が真っ白になった。
ようやくなれてきた目でまわりを見回すと、どこだここは。
いつのまにかかごの中にいる。
見たことのないものが並んでいるが、やたらうるさかったインコ集団はもういないというのがわかった。
人間ふたりがじっと吾輩をのぞ込んでいる。
「めっちゃ細くなってる」
「若いな」
「若い」
「羽がつやつやしてる」
「若いなあ」
「若い」
人間たちはふたことめには若い若いを繰り返す。
自分に若さがなくなったら、よほど若いことがめずらしいのかもしれん。
「モコ」
「モコ」
人間が言う。
「モコ、あんたはモコやで」
「モコ、モコ」
「ピ、て鳴いてみ」
「モコ、ピ」
人間が自分で鳴いている。
こっけい極まりない。
吾輩はまわりの状況を把握するのに必死で鳴いてる場合ではないというのに。
「なあ、モコさわってみる?」
「におってみたいな」
悪だくみというのは、声色でわかるものだ。
人間はなにやらまた吾輩にしかけようとしているらしい。
かごに手を入れて吾輩をつかもうとする。
吾輩は逃げ回るのだが、いかんせん、さきほどまで暗闇でいたせいか、思うように動けない。
いつものかごではないので、どれくらいの幅があるのか感覚がわかりづらい。
あっというまにつかまって、スシよろしくにぎられた。
人間がでかい鼻を近づけて、ふんふん吾輩をにおっている。
「かわいい」
「かわいいにおい」
やたら喜んでいる。
吾輩は居心地悪いという感想しかない。
そのうち、くちばしの先になにやら緑色のものが差し出される。
なんだこれは。
さっきからまったく腹立たしいことばかりではないか。
吾輩は腹立ちまぎれに思いっきりそいつを噛んでやった。
なんだよ、これ。
ウマいじゃないか。
今度は連続してがじがじがじと噛んでみる。
なんだこのうまみ。
はじめてのうまみではないか。


モコつかまる 2015 1・30




吾輩はひたすら緑色のものを噛み続けた。
「モコ、今日からここが家やからな」
「モコ、早く手乗りになるといいのにな」
人間たちは吾輩をモコと呼ぶ。
なにやら希望を口にしているが、こっちはそんなに気をゆるしてやるもんかと思っている。
なにしろこっちは孤独な戦いなのだ。
こんな心細い話はない。
今思えば、黒頭のやつ、あれはあれで存在価値もあった。
なによりも寒くなると、あいつとくっついてるだけで暖かくはなった。
それ以外とくに良いところのないやつであったが、吾輩のストレス発散のためにあいつをつつくことができないのは残念である。
黒頭のやつは広い世界でゆうゆうと生きてるのかと思うと、それもまた腹立たしく残念である。
とにかく吾輩はもうここに住むことに決まったというので、新しいストレス解消を考える必要がある。
そんなときはやたら飛び回ってやる。
人間はそんな吾輩を見て、うれしそうに笑っている。
笑い事ではない。
しかし、よく考えると。
ストレスを吾輩に与え続けていた黒頭はいないし、うるさいインコ集団もいない。
ときどき人間に握りずしにされるが、それ以外はえさも独り占めで、たまに緑色のウマイもの、なんでもトウミョウというらしいものをもらえる。
人間たちはやはり笑っている。
なにがそんなにおもしろいのか知らないが、吾輩を見て笑う。
今日、人間はうれしそうに言った。
「モコ、安心しいや。黒いほうの文鳥、ちゃんと戻ってきてたわ。かごにおったわ」
黒頭のやつ、えさにつられて戻ってきたのだろう。
あいつもかごの鳥に逆戻りか。
ふむ。
この暮らしもそれほど悪くないかもしれぬ。
吾輩は文鳥である。
名前はモコという。



勝手にモコの気持ちになって書いてみました。
しかちくに好評だったので、またそのうちモコ目線の語りを書くかもしれません。

モコ早く手乗りになるといいのになあ。

それでは~


とりぶう


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二代目襲名物語~吾輩はモコである~

テーマ : 日記 ジャンル : 日記

みなさんこんにちは。

今日は新しくきた二代目モコの気持ちを、吾輩は猫である風に語ってみました。

二代目襲名 2015 1・29




吾輩は文鳥である。名前はまだない。
生まれたときはたくさんのちび鳥たちとともにビービー鳴いていたのだが、いつのまにやらとくに仲良くもない黒い頭の文鳥とおなじかごに入れられてホームセンターなどというところに運ばれた。
毎日毎日、あらゆる種類の鳥の鳴き声に悩まされる。
吾輩の鳴き声が自分でも聞こえない。
なのに黒頭のやつはとくに気にせず寝てばかりいる。
吾輩がしきりに鳴いたり騒いだりしている横で、ずっと寝ている。
なのにえさだけは人並みに食う。
まったく鈍感でこまる。
文鳥の沽券にかかわる事態だということに気づいてないのだ。
腹が立つので首元をつついてやると、店員と呼ばれている種類の髪の長い人間の女が、
「仲悪いよね~」
と笑っている。
笑う場面ではまるでない。一度黒頭と一緒に生活してみろと言いたい。
こっちは毎日ストレスだ。
隣のかごではブルーボタンインコなどというたいそうな名前をつけられたでかいインコがしきりにびゃーびゃー鳴いている。
うるさい。
うるさいので腹いせに黒頭のやつをまたつついてやった。
動じない。
動じないところが腹立たしい。
今日も吾輩の機敏な動きの横で微動だにせず寝ている。
おまけにやつの定番の寝どころが、いちばん客に目に付くところで、うっとおしいったらない。
吾輩の顔が見えないではないか。
どけ、という気持ちをこめてまたつついてやった。
目が半開きになっただけで、どてっとした態度はかわらない。
しょうがないので吾輩はえさを食う。
目の前にふたりの人間が笑っている。
人間というやつらは、こちらを見るとなにかと笑う。
かわいいといっては笑い、よく動くといっては笑い、仲が悪いといっては笑う。
だから笑い事ではないのだ。
女が、
「こっちの白いほう、元気やけどもっと色がはっきりしてたらなあ」
などという。
失礼極まりない。
吾輩のこの羽の配色の妙を、色がはっきりしていないとぬかしやがる。
男は、
「尾羽がないのが気になるなあ」
などという。
尾羽がなくても機敏に飛んでいた吾輩を見ていなかったのかと言いたい。
黒頭のやつは見た目だけ立派な尾羽を持っていやがるが、まるで飛び回ることもないではないか。
要は尾羽のあるなしじゃなく、やる気のあるなしなのだ。
人間ふたりはずっと吾輩を見ている。
おい、見られてるぞ、という気持ちをこめて黒頭をつついてやる。
黒頭のやつはうっとおしいなあと言わんばかりに、吾輩をつつく。
「仲悪いな」
人間たちはまた笑う。
わかってるなら別のかごに入れろといいたい。
二匹で送られたから『つがい』とカン違いしてるやからもいるらしいが、まったく違うのだ。
それが証拠に『性別不明』と書いてるではないか。
いや、これもじつに失礼な話だ。
世の中にはひよこの性別鑑定士なる職業もあるらしいから、その気になれば吾輩の性別くらい簡単にわかりそうなものの、要するにやる気がないのだ。
文鳥の性別などどっちでも良いなどと考えてるのだ。
そんなばかな話があるか。
こっちはそのために気の合わない同じ性別のやつと、つがいもどきでいっしょのかごに入れられてるというのに。
腹立たしい。
人間ふたりは20分も吾輩を見てただろうか。
なにやら言いながらどこかに行った。
となりのブルーボタンインコがしきりにかごをがしゃがしゃやりだした。
吾輩も負けじと飛び回った。
すると、さきほどの人間ふたりと店員がやってきて、吾輩の前のガラス扉を開ける。
「こっちの白いほう、ください」
ふたりの人間の片方、たぶん女だろうけど、こいつだって性別不明だと言いたいようなやつが言った。
店員が吾輩のかごを開けて、手をにゅっと入れる。
何をしやがる。
吾輩はさらに飛び回った。
黒頭のやつもさすがにいつもと違う状況だとわかったのか、にわかに飛び回りだした。
店員の手は吾輩を追い回す。
おいおい、カンベンしてくれ。
そう思ったとたん、黒頭のやつ、どこにそんな機敏さを隠してたか知らないが、かごの入り口と店員の手のすきまから、するりと体を滑らせて、ツバメよろしく一目散に飛んで逃げた!
「あーっ、逃げた!」
人間たちはいっせいに叫んだ。
あいつ、黒頭のやつ、うまいことやりやがった。
吾輩は、店の中を一気にしゅーっと飛んでゆく黒頭を見て、裏切られたような気になった。
あいつ、やる気をこんなときのためにおいてたのか。
黒頭を追いかける人間たちを見て、吾輩はかごの中でしばし呆然とした。

まさかのつづくです。

それでは~


とりぶう

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