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イタリアドイツ貧乏紀行1(準備万端?)

テーマ : ★イタリア旅行★ ジャンル : 旅行
(355)

もうずいぶんまえのこと。

わたしとしかちくは、大学の卒業旅行にイタリアドイツに行きました。

日独伊三国同盟の軌跡をたどろうという大義名分があったのです。
(今思いついただけやろ!)

日程的にイタリアドイツのパックツアーがぴったりだっただけです。

往復の航空券と一泊目の宿だけついた安いパックは、当時、わたしたちのようなお金のない大学生に人気でした。

わたしたちはせっせとアルバイトに励み、卒業旅行に備えていました。

ときは2月。ふたりとも3週間にわたる初めてのヨーロッパ旅行に気もそぞろでした。

しかちくは言いました。

「オレはイタリア語勉強するから、とりぶうはドイツ語頼むわ。」

「え~、ドイツ語~?」

わたしは不満たらたらです。

「ほんなら、オレドイツ語、とりぶうイタリア語でどうや?」

「え~、イタリア語~?」

とりあえず、わたしは反抗します。気持ちは尾崎豊です。
(のび太やろ!)

わたしはちんたら反抗しましたが、結局ジャイアンの命令でドイツ語を勉強することになりました。

勉強するとはいっても、旅行独会話を読むだけです。

土壇場になれば、わたしもがんばるだろうと自分を信じてのらりくらりしていました。

それが出発3日前くらいのことです。
(もう土壇場やぞ!)

しかちくはいらんとこでまじめな男。
(ひとこと多い!)

イタリア語の勉強を順調に進めています。

「あのな、『トイレはどこですか?』は、『ドベ・イル・バーニョ?』やぞ。」

と覚えたイタリア語を披露するのでした。

「とりぶう、ドイツ語で『トイレはどこですか?』は何て言うねん?」

「知らん。」

「なんでや!おまえ、それは覚えとけよ!生命線やぞ!」

しかちくはすごい剣幕です。

しかちくトイレが近い人なので、何語を覚えるとしてもまず、トイレからはじめるのでした。

「ほんなら、ドイツ語、何覚えたんや?」

「グッテンモルゲン。ダンケシェーン。」

「なんやそれ。『おはよう』と『ありがとう』やろ?だれでも知ってるわ!」

「アウフビーダーシェーン。」

「なんやそれ?」

「『さようなら』。ふふん。これは初耳やろ?」

「もう~!あいさつ以外は?トイレはどこですかとか、これいくらですかとか!」

「・・・・・(またトイレかよ・・)。」

しかちくはあきれてわたしをにらむのでした。

でも出発はもう目の前に迫っていました。
つづく。

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イタリアドイツ貧乏紀行2(スリリング・ローマ)

テーマ : ★イタリア旅行★ ジャンル : 旅行
(357)

貧乏旅行(1)から読む


ドイツ語は英語とちかいから、英語が通じるって!

ドイツ語を勉強した(がほとんど覚えてない)あたしが言うんやから、間違いないって!」

というわたしの根拠のない自信あふれる言葉に不安を覚えながらも、しかちくとわたしはヨーロッパに旅立ちました。

見るからに寒そうな白い大地を下に眺め、飛行機はヨーロッパに向かいます。

ローマのレオナルド・ダ・ビンチ国際空港に着いたのは夕方でした。

中部国際空港もセントレアとかいうのをやめて、こういういかしたニックネームをつけるべきです。

オ・ダ・ノブナガ国際空港とか。(かっこ悪いわ!)

さて。

パックツアーとはいえ添乗員がいるわけでもなく、わたしたちは初めての土地で、自力で宿を探さなければなりません。

とりあえずわたしは不安がります。

「どうすんのどうすんの?どっち行ったらええの?」

いらんとこで自信があるくせに、いざというときに役に立たない女、とりぶう

ひたすらしかちくの陰でおどおどします。

さいわい、しかちくの『ドベ・イル・バーニョ』(トイレはどこですか?)が出るまでもなく、観光都市ローマでは、英語がずいぶん通じるのでした。

なんとかたどり着いたホテルは、小ぎれいで感じがよく、大きなバックパックを背負ったわたしたちを、あたたかく迎えてくれました。

部屋まで荷物を運んでくれたインド人みたいなおじさんにチップをわたすと、

「グラ~ツェ。」

とおおげさによろこんでくれるのでした。ああ、インディア~ン。
(イタリア~ンやろ!)

しかし、バストイレがある部屋に泊まったのはその日だけ。

翌日、『地球の歩き方』片手に、ひたすら安い宿を探し回るのでした。

安宿は基本、バストイレが共同。でもそこそこ感じのいい宿が見つかり、荷物を置いてローマ観光に繰り出しました。

ローマに行って思ったのは、『すべての道は老婆ではきつい』ということです。(苦しいギャグや!)

石畳はがたがたで、路上駐車はあたりまえ。

いたるところにスリが出没してスリリング。(ベタやな)

驚いたことに、わたしは捨てる直前のコートを着ていったのですが、そんなみすぼらしいわたしからスろうという人がいるのです。

おまけに、スリのほうが身なりがいい。

なんだかなあ。お金を貸してやった人に、買ったものを自慢されるみたいな感覚です。

スリスリリングな尾行にひやひやしながら、古代遺跡フォロロマーノに行きました。

そこの係員のおじさんは愛想がよくて、わたしたちにしきりに話しかけます。

「どこから来たんだい?日本人だろ?オレは日本のお金を集めてるんだ。

ちょっとお金をくれないか?小銭でもいいよ。」

おいおい、公然とスリをするつもりか!?
つづく。

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イタリアドイツ貧乏紀行3(いざフィレンツェ)

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貧乏旅行(1)から読む


中国人です!」

しかちくは、係員のおじさんに向かっていいました

おじさんはちょっとあてが外れた表情をして、『まあ、楽しんで来いよ』みたいなことを言ってどこかへ行きました。

ああいうのがまたどこかから出てくるかもしれないと思うと、遺跡を楽しむどころではなく、足早に見学して終わりました。

ところが、出口のところで、ばったりあの係員に会いました。

「やあ、中国人!オレは中国のお金も集めてるんだ。中国のお金でもいいよ。ちょっとくれよ~。」

まったくもう!

まるで、墓荒らしに墓を守らせてるようなもんやで!

ローマでは、トレビの泉やコロッセオなど、たくさん観光したのですが、いちばんに思い出すのはこのおじさん。

わたしたちが思うローマ人といえば彼なのでした。

彼は2000年後もローマ帝国の栄光を滅ぼし続けているのでした。

ローマで数日滞在した後、フィレンツェに行くことにしました。

しかちくは旅行中も精力的にイタリア語を勉強して、電車の切符もイタリア語で買うことに成功しました。トレビア~ン。(それはフランス語や!)

わたしはこの分ならしかちくドイツ語を任せても大丈夫だろうと確信しました。(丸投げかよ!)

その時点でのわたしのドイツ語力は、依然として「グッテンモルゲン」「ダンケシェーン」どまりだったのです。(情けない!)

わたしはしかちくのしっかりぶりに目を細めました。

しかし、細めた後の記憶はありません。(寝てるんや!)

だって一日中歩き回ってしんどいもん。

しかちくはこういう体たらくのわたしには早々に見切りをつけ、ガイドブックとにらめっこしながらひとりで計画を立てていました。ほんま、ワンマンやで。(じゃあ起きとけ!)

フィレンツェ行きの電車はコンパートメント式のものでした。

ハリーポッターが乗っていくああいうやつです。

部屋のように区切られた客室(コンパートメント)に、6人が3人ずつ向かい合って座ります。

わたしたちのコンパートメントでは、まわりが全部男性でした。

若いのも年老いたのもいました。

彼らは全然知り合いではないはずなのに、乗った直後からおしゃべりを始めます。

まるで、法事でひさしぶり会った親戚のように、よどみない会話。

驚いたことに、会話の主導権を握っているのはいちばんの若者。

「まんじゅ~の、あんの代わっり、モッツァレッラ、入れてみ~や。」

とかいうのをみんな「スィー、スィー」と真剣に聞いているのでした。(どんな会話や!)

わたしの前に座った中年男性は、わたしとひざがぶつかるたびに、

「スクーズィ。」(おっと失礼)

と言って、わたしのひざをなでるのでした。イタリア人って、よくしゃべって愛想がよくって、まるで大阪のおばちゃんみたいやなあ、と思いつつフィレンツェに着きました。

つづく。

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イタリアドイツ貧乏紀行4(フィレンツェ名物)

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(361)

貧乏旅行(1)から読む


歴史が重いからか、曇り空だからか、フィレンツェはどんよりしていました。

しかし、いちばんどんよりしていたのは、わたしの頭でした。

わたしはフィレンツェで熱を出してしまったのです。

旅行中に体調を崩すほど情けないことはありません。

でもわたしにはフィレンツェでぜひしておきたいことがあったのです。

ルネサンス発祥の地フィレンツェ。ウフィッツィ美術館があるフィレンツェ。

そこでぜひとも、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風ステーキ)を食べたかったのです。(ルネサンス関係ないやん!)

フィレンツェでビステッカを食べへんということは、野球の試合で3回の裏の攻撃だけ見逃して帰るということです。(わりとどうでもええやんか!)

わたしは熱のある体にムチ打って、レストランを探しました。

食べることになると、人一倍努力する女、とりぶう

ナマケゴコロも太刀打ちできない情熱なのでした。(それをドイツ語に向けろ!)

途中、市場みたいなところで、しかちくは怪しげな兄さんに、革のジャンパーを売りつけられそうになりました。

ちょっとのぞいてみただけなのに、すっぽんのように食いつきます。

すっぽんは、

「少し離れたところにもっといいのがあるから。今から見せてやろう。」

と怪しげな愛想笑いをして言います。

出たなイタリアンマフィア。

こういうこともあろうかと思って、わたしたちは日本古来の必殺ワザを用意してきたんや!

「そうやなあ~、えへへ~、やっぱりええわ、またにするわ、ふふふふ。」

どうだ、必殺曖昧道!

わたしたちはひたすらあいまいにあいまいに笑って、その場を離れました。

これぞ伝統芸。

わたしたちの能面のような表情にすっぽんもびびっていたことでしょう。

その後はすっぽんが何を叫ぼうとひたすら無視道に徹していました。

こんなジャマが入りながらも、どうにかレストランを探しました。

わたしはふらふらする頭を抱えがら、ビステッカに食らいつきました。

カリカリの表面にじゅわっと出る肉汁!

とか書きたいのですが、悲しいことに、記憶がありません。(なんやそれ!)

食べたことは覚えているのですが、もう10年以上前の話。

いまとなっては、覚えているのはすっぽんのことだけ。

ローマにしろ、フィレンツェにしろ、いいこともたくさんあったのですが、へんてこな人に出会ったことのほうが、鮮明に覚えているのです。

そして必ずしも、それはいやな思い出ではなく、ちょっとした愉快な思い出として位置づけられているのでした。次はミラノです。

つづく。

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イタリアドイツ貧乏紀行5(ミラネーゼにミエネーゼ)

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貧乏旅行(1)から読む


世界で一番おしゃれな人種はイタリア人だと思います。

そしてミラノはその中心。何がびっくりしたって、ミラネーゼのおしゃれでかっこいいこと!

捨てる直前のコートを着てきたわたしは、はなはだしく居心地の悪い思いをしました。

女性も男性も、流行りモノを身につけてるわけではなくても、ボタンのはずしかた、マフラーの巻き方、

すべてが洗練されているのでした。

そんな中、しかちくは無謀な提案をしました。

「スカラ座でオペラを見よう!」

え~~っ!?なんば花月で漫才見るんとちゃうんやで!?

天下のオカラ座やで!?(スカラ座や!)

あんた、捨てる直前のコートでスカラ座に行くいうことは、タンクトップでイスラム寺院に行くみたいなことやで!

あるいはハダカで温泉やで!(それはええやろ!)

しかし、若さとは無謀なもの。

わたしとしかちくはスカラ座のチケット販売所に出向いたのでした。

残念なことにオペラは上演していなくて、オペラ歌手のコンサートをやるということです。

まあ、この際なんでもええわ。どっちにしろ、オペラもわかれへんねんから。

わたしたちは、貧乏紀行にあるまじき大金(たしかひとり一万円くらいした)をはたいたのでした。

わたしは値段もさることながら、自分の捨てる直前のコートが気がかりでなりません。

キップ売り場のおじさんに、

「あのう、この格好でもスカラ座に入れますか?」

とはじめてのおつかいを頼まれた4歳児のように聞きました。

おじさんは即座に、

「スィースィー、ノウ・プロブレッム!」

とにこやかに言いました。

あまりに間髪いれずに言うので、わたしが相撲のまわしをつけていたとしても、「ノウ・プロブレッム」と言ったと思います。(やってみろよ!)

わたしたちは無事チケットを手に入れて、夜を待ちました。

夕方、安宿からてくてくと歩いてスカラ座に行くと、ぞくぞくと貴族のようなのが集まってきています。

スカラ座の一角は、いそいそと華やかに輝いていました。きらびやかとはこういうことか~。

紳士はみんなタキシード。それも結婚式でキュウクツな思いをして着てるというのではなくて、もうパジャマがわりにタキシード、みたいな板につき方。(どんなんや!)

淑女のほうは毛皮のコートに肩のあいたドレス。ありったけの宝石。

迫力あるマダムたちは、知り合いを見つけては、

「ベラのムーチ、思ったよっり、イタインチャ~ウ?」「早っく、ニンゲン~に、ナリタイって!」

なんて楽しげに言い合っているのでした。(あほらしい会話やな!)

わたしは貴族よりちょっと身なりの落ちる人たちを見つけては、『おお、同士よ!』と勝手に親近感を抱いていたのでした。(迷惑や!)

つづく。

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