多良間島一周マラソン参戦記ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  スポンサーサイト多良間島を見ずして離島を語るなかれ ~多良間島一周マラソン参戦記 (1)たらぴん登場 ~多良間島一周マラソン参戦記 (2)沿道の応援がアツい! ~多良間島一周マラソン参戦記 (3)しかちく、給水ポイントでがっつり食事する ~多良間島一周マラソン参戦記 (4)どうにかこうにかゴール ~多良間島一周マラソン参戦記 (5) 


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多良間島を見ずして離島を語るなかれ ~多良間島一周マラソン参戦記 (1)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

ごめんなさい、と謝りたい。

宮古島は離島だと思ってたが、ごめんなさい。

多良間島を見てしまったら、宮古島を離島というのがおこがましく思える。

多良間を見ずして、離島を語るなかれ。

それくらいファンタスティックな離島、多良間島に行ってきた。

それも一周マラソンに参加するために行ってきた。

わたしたち夫婦は、市民ランナーを自称するも、毎年1回しか大会に参加しないランナーである。

それもフルマラソンはよう走らん、ハーフしかよう走らんランナー、

略して「ハーフしかよう走ランナー」である。

多良間島一周マラソンは23.75㎞、10㎞、5㎞、3㎞の4つのコースがあり、

「ハーフしかよう走ランナー」であるわたしたちは、がんばって23.75㎞コースにエントリーした。

したはいいが。

夏の初め。

しかちくが背中を痛め、なかなか走れず。

夏のあいだは当たり前だけど、やたら暑くて走れず。

夏をすぎてもなかなか暑さはおさまらず。

気がつけば、10月。

「ちょっと、どうする、もうあと2週間やで!!」

というくらいまでまったく走れず。

いや、走る気にならず。

涼しくなるのを待っていたけど、結局涼しくならず。

一週間前にようやく走るのを開始。

4日ほど4㎞を走り、合計16㎞で走る練習は終了。

「まあ歩いてもええから、めざせ完走!」

というのを合言葉に朝8時のフェリーに乗り込み、多良間島を目指すのであった。

多良間島というのは、宮古島と石垣島のちょうど中間にある島。

宮古島から石垣島に飛行機で行く途中、眼下に見えるまるい島がそれ。

平べったくてまんまるで、わたしは見るたびラングドシャというお菓子を思い出してしまう。



多良間島はラングドシャ 001




朝8時に宮古島を出ると、フェリーに乗ること2時間で多良間島に着く。

到着10時。

マラソンの開始時間が11時30分。

酔ったらその後のマラソンは悲惨なことになるだろうと思い、わたしは酔い止めを飲んでおいた。

さいわい、それほど揺れることなく多良間島に到着した。

しかし。

わざわざ多良間島にまでマラソンを走りに行こうという人たちは、なかなか猛者ばかりである。

どの顔ぶれもみな、雨にも負けず、風にも負けず、家族の罵りにも負けず、毎日走ってきましてん、

わたしから走ることをとったらなんにも残りませんけんね、という感じのひとばかり。

4日間しか走ってない「ハーフしかよう走ランナー」が参戦して大丈夫?とにわかに不安になるのであった。

フェリーを降りるとき、一風変わったいでたちの人がいた。

どういう風に変わってるかというとその人がずばり特定されてしまうという人なので、

どういう感じかは伏せるが、しかちくはその人を見るなり、

なぜそのような格好をしてるのか?

と話しかけ。

いきなり知らない人に話かけられたその風変りさんは、

「え?あ、Hさん?」

と知り合いと勘違いし、不思議な空気が流れ。

しかちくは、

「いや、ちがいますけど、不思議に思って」

と幼稚園児みたいな好奇心で聞くのであった。

フェリーを降りると「ようこそ!多良間島一周マラソン」の横断幕。

いたるところで盛大に歓迎されている。

うわ~。

もう戻れね~。

多良間島に到着しただけで、ひと仕事終えた気分であったわたしは、おなかあたりがきゅっとするのであった。

到着場所の役場前はすでに盛り上がり気味。

多良間の小中学校のみなさんも参加するらしく、胸にゼッケンをつけている。

たくさんの炊き出し部隊のおばさん方。

島民がみんな参加するマラソン大会であるのだった。

11月とはいえ、その日最高気温は29℃。

やたら暑いのである。

「暑い暑い」

「暑い暑い」

わたしたちは受付をすませ、日陰で開会式を待っていると。

先ほどの風変りさんが学校の校庭をジョギングしているではないか。

「走る前に走るって!」

とわたしたちを驚愕させた。

聞けばその人は100キロマラソンを走るような猛者であるらしい。

そしてそういう人がたくさん参加するのがこの多良間島一周マラソンであるらしかった。

わたしたちは、

「めざせ、最後尾やな」

とお互いの顔を見合わせるのであった。

つづく


それでは~


とりぶう

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たらぴん登場 ~多良間島一周マラソン参戦記 (2)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記





みなさんこんにちは。

多良間島一周マラソンの続きです。

11時より多良間小学校の校庭で開会式が始まる。

居並ぶ主催者の中で、ひときわ子供たちの声援を集めていたのが。

ゆるキャラの「たらぴん」。

あたまでっかちでよちよち歩く姿は、かわいくてかわいくて、わたしはいっぺんにファンになった。





たらぴん 001




たらぴんは「多良間ぴんだ」の略だと思われる。

「ぴんだ」というのはヤギのこと。

多良間島では「ピンダ」、宮古島では「ピンザ」、沖縄本島では「ヒージャー」と呼ばれるヤギ。

「ピ」とか「ヒ」とかがヤギにつくのは不思議だけど、語源はよくわからんでごわす。

ヤギといえば「アルプスの少女ハイジ」でおなじみなので、寒い地方で育てられるものだと思われがちだが、

実際、沖縄にはヤギが多い。

ヤギ料理も多い。

中でも多良間はヤギがめっちゃ多い。

いたるところにヤギがいる。

しょっちゅう、べ~、べ~、聞こえる。

各家庭にかならずるの!?というくらいヤギがいる。

ヤギは島民にとても愛されているのだ。

さて、開会式も終わり、スタート10分前。

わたしたちもスタートラインに並ぶ。

わたしたちがそれまで参加していたマラソン大会は、少ないものでも300人はくだらなかった。

が、多良間一周マラソンの23.75㎞コースは100人もいない。

周りを見回すと、どの顔ぶれも猛者ヅラをしている。

ふざけた格好をしている青年もいるが、足を見るときっちりと鍛え上げた筋肉を持ってなさる。

そして高そうなランニングシューズを履いてなさる。

むうう。

そんな中、ビーチサンダルの人もいるではないか。

ふざけたやつもいるものだ、とよく見たら、知り合いだった。

「ちょっと、ビーサンで大丈夫!?」

と聞くと、彼は、

「まあ大丈夫っしょ」

と余裕である。

たしかに彼も100キロマラソンなどのウルトラマラソンに参加する猛者。

24キロなんか、ビーサンで余裕っしょ?という感じなのである。

むうう。

どう見てもわたしたちよりも遅いランナーは見当たらないではないか。

「めざせ、最後尾!」とはいうものの。

レース直前になると、やはりそこは色気というものが出てくる。

「最後尾だけは避けたい!」

という思いがふつふつと湧き上がってくるのだった。

「スタート1分前です」

アナウンスがあり、猛者たちは「走るぞ!」モードに突入。

わたしたちはたいして走り込みもせずやってきて、ここにきて心の準備もできていないことに気づき、

いや、ほんまに走るん?

と思ってるうちに。

パーーーーン

スターターピストルが大きな音を上げた。

ランナーたちが一斉に駆け出す。

歓声があがる。

すでに遅れてるわたしたち。

たらぴん並みのよちよちで走りたかったけれども。

「がんばれー、いってらっしゃーい!」

の声援を受けると、このストリートだけはとにかく走らねばなるまい、という気になり、

わたしとしかちくは、あくまでも自分たちのペースで駆け出したのだった。

めざせ、最後尾よりもちょっと前!

つづく


それでは~


とりぶう

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沿道の応援がアツい! ~多良間島一周マラソン参戦記 (3)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

多良間一周マラソンがスタートしました。

快晴である。

非常~に、快晴である。

正直、11月とはいえ、お昼11時30分の快晴の空は暑すぎる。

わたしもしかちくも1㎞も走らないうちにすでにバテてくる。

そのうえ、足が慣れていないので走ることに飽きてくる。(もう?)

1キロ地点で、しかちくは、

「まだ1キロや~、暑い、まだまだある、不安や~」

と泣き言ばかりが先行するのであった。

そして彼はこのマラソンの最中、泣き言ばかり言い、ナマケモノ代表のわたしに叱咤激励されるというハメになるのであった。

ささやかな市街地を抜けると外周道路である。

ひとかたまりになっていた集団もばらけてくる。

わたしたちはゆっくりマイペースで走っているので、抜かれるばかり。

ひょっとしてもうわたしたちのうしろにはだれもいないのでは?

気になってときどきうしろを振り返り、後方にまだ人がいることを確認しては、

「よしよし、まだ最後尾じゃない」

と、そこにいるのが見るからにおじいさん風の方であっても、安心するのであった。

多良間一周マラソンは起伏の少ない走りやすい道だという。

海を見ながら潮風を受けて走るのだろうなあ、と思っていたのだけど。

まさかの、

海、

ほとんど見えず。

南の海に浮かぶ、沖縄の離島を走るマラソンで、

まさかの、

海、

ほとんど見えず。

サプライズが過ぎる。

外周道路は防風林に遮られ、ひたすら同じような道路が続く。

スタート前、審判長が、

「左側を走ってくださいね。歩道を走ってもべつに失格にはなりませんけど、できるだけ左側を走ってくださいね」

と言ってたが、そのときは、はいはい左側を走りゃいいんでしょ、くらいに思ってたが。

左側、まったく陰がない。

陰は道の右側にできている。

左側を走っていたランナーも、しだいに真ん中によりはじめ。

審判長の指導のかいなく、

最終的にはみんな右側の歩道を走っていた。

さて、しかし。

多良間マラソンのいいところは、沿道の応援がとてもアツい!ということ。

島民総出で応援してくれている感がある。

それも、みなさん出場者名簿を片手に、ランナーのゼッケンを見ては名前を割り出し、

「○○さん、がんばってー!」

と応援してくれるのだ。

これにはわたしたちのような、ちんたらちんたら「ハーフしかよう走ランナー」もやる気が出てくる。

もうだめだ、暑くて足が動かない、

と思っていても、

「○○さん、ファイト!がんばって、○○さん!」

と実名を連呼されると、なんだか有名ランナーになったような気がし、

「ありがとうございます、がんばります!」

と手を振りながら走るのであった。

「応援って、力になるんだな」

と初めて感じた46歳(当時)なのであった。

応援の中でも異色だったのが。

遠目には、「犬?」と思っていたのが、なんとリードにつながれたヤギで、

おじさんがしきりに、

「タッチしてタッチ!」

とヤギの頭をなでて行けという。





沿道の応援 001





わたしたちもおそるおそるヤギの頭をなでると、ヤギはとくにうれしがるでもなく、

かといって嫌がるでもなく、

結局、どういう感情なのかはよくわからんのであった。

仕事やから、ここにいます、

というのがヤギ的感情として正しいのかもしれん。

それでも小さいヤギはかわいい。

おとなしくて飼いやすそうである。

が、飼ったことのある人に聞くと、

「犬や猫のような友達的ななつきかたはしない」

とのことだった。

そしてヤギを飼ってるおじさんも、それを食べるのに躊躇はしないので、

お互い、ドライな関係なのかもしれん。

その後も何か所かでヤギを見かけ、そのたびに、おじさんは、

「触ってもいいよ」

と言ってくれる。

ヤギとのふれあいも兼ねたマラソンなのであった。

つづく


それでは~


とりぶう

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しかちく、給水ポイントでがっつり食事する ~多良間島一周マラソン参戦記 (4)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記






みなさんこんにちは。

マラソンの楽しみはなんといっても給水ポイント。

水だけでなく、バナナやオレンジなどのフルーツ、塩タブレット、あるいは塩そのものもある。

多良間名物、黒糖があるのもうれしい。

じつは多良間島は日本一の黒糖生産地であると聞いたことがあるような、

ないような、

あるような、

ないような。(どっちやねん)

たぶん日本一です。

速いランナーのみなさんは24㎞程度のレースなら立ち止まることもなく、片手で水のコップをしゅっととって飲みながら走るのが定番。

マラソンのテレビ中継で見るあの光景である。

しかし、わたしたちのような「ハーフしかよう走ランナー」にとって、給水ポイントはまさに砂漠でオアシス、地獄で仏、である。

がっつりと立ち止まる。

そしてがっつりといろいろ補給する。

参加者が多い大会だと、遅いランナーにはめぼしい食べ物がすでに残されてなかったりする。

「ちぇ、水だけかよ、シケてんな」

と言いたい気持ちをぐっとこらえて走らなければならない。

ところが、この大会は参加者が少ない。

そのわりには給水ポイントが豊富。

そして食べものも豊富。

実際、わたしは後半、食べすぎておなかがいっぱいになったほどである。

しかちくに至っては、給水ポイントに来るたびに、毎回3分は使ってなにかしら飲み食いしていた。

ふだん朝ごはんもほとんど食べないのに、給水ポイントではバナナやオレンジをほおばっていた。

速いランナーよりもだいぶ、元をとってるはずだ。





がっつり食事 001






最初のうちは給水ポイントでリフレッシュすると、すぐに走り出した。

ところが、そのうちしかちくがだいぶバテはじめる。

給水ポイントで補給したあと、すぐには走らず、

「ちょっと、待って、ちょっと歩こう」

という。

食べすぎちゃうん?

と思ったが。

わたしとしては、以前に待ってもらった恩もあるので、置いてゆくのもしのびない。

それに、犬の散歩に行ったのに、飼い主だけ先に帰ってくるのはおかしな話であるな、

としかちくをパグと扱うことにして、飼い主目線でいっしょに歩くことにした。

まだ前半である。

先は長い。

先は長いが、もうすでに1時間は走っていた。

そのうち、パグしかちくがいよいよ暑さでバテバテモード。

ほんとの犬なら舌を出すところである。

昼1時の多良間島は日差しが強烈。

歩道の陰もなくなりつつある。

そのときしかちくはサンバイザーをかぶっていた。

それも速いランナーがかぶってそうな黒いいかつめのやつ。

わたしたちがふだんのジョギングでよく会う、黒マッチョランナーのお兄さんがかぶってるのと似てるやつ。

しかしサンバイザーは、頭のてっぺんに日差しがまともに降り注ぐ。

わたしはまわりにつばのあるハット型の帽子をかぶっていたので、

「帽子、かえたげよか?」

と提案した。

「え、ええよ、ええよ」

しかちくは固辞したが、わたしが無理やり取り換えると、おとなしくハットをかぶり、ひもの調節をしだした。

「こっちのほうがだいぶ涼しいな」

ほくほく顔である。

パグは世話が焼けるのであった。

しかし、その黒サンバイザー。

女性がかぶるにはいかつすぎる。

そのためか。

ある給水ポイントでは、

「○○さん、ご兄弟ですか?」

と、聞かれた。

兄弟て!

どこの仲良し兄弟が40過ぎていっしょに走るかよ!

「間宮兄弟」でも走らんわ!

と突っ込みそうになった。

(ちなみに、「間宮兄弟」というのは映画化もされた江國香織さんの小説です。
30歳を過ぎてもいっしょに遊んでる仲良し兄弟の話です。)

さいわい、すぐにわたしを女だと(たぶん名簿で)わかり。

「あ、すいません、いいですねえ、ご夫婦で。おふたりともがんばれ~」

と、とりつくろわれ。

「男に見えてすんません・・・」

と悲しくなり、

手に汗握る展開となった。(どこが手に汗?)

走り始めて1時間半。

「そろそろトップはゴール間近やなあ」

「ほんまやなあ」

言い合いながら走る(歩く)わたしたちは、どうにか半分に達したところであった。

つづく。


それでは~


とりぶう



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どうにかこうにかゴール ~多良間島一周マラソン参戦記 (5)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

多良間島一周マラソン後半戦です。

23.75㎞のとりあえず半分のところまできたけれども。

太陽は依然、ぎらぎらと季節外れの暑さで照りつける。

このくらいになると、

「あかん、もうあかん」

と、しかちくはヘタレモード。

いままでのマラソンではいつもわたしが足を引っ張ってたのだけど、

今回は立場が逆転。

「もうちょっとで給水ポイントやから、な、そこまでがんばって走ろう」

いろいろと励まし、自分のつば付きの帽子はもちろんのこと、

日陰のポジションもしかちくに譲り、

われながらかいがいしいことこの上ない、

これぞ、妻の鑑、

と内心自分をほめまくるのであった。

神様がみていたら、言いたい。

来世でいいことはいらないので、この世でいっぱいいいことがありますように、

と。

さて、いくつかの給水ポイントが過ぎ、想定外の暑さのため、歩き始めるランナーもちらほら。

わたしたちもその仲間。

そんななか、ゆっくりながらも着実にわたしたちを抜いてゆくおじいちゃんがいる。

「ほら、走れ走れ」

と声をかけてくださる。

走れるくらいなら歩いてないんやけど、と思った。

が、

さすがにこのおじいちゃんに抜かれるのはちょっと・・・

と、どうにか残っていたプライドがわたしたちを走らせるのであった。

あと8キロ、あと7キロ、あと6キロ、

じょじょにゴールは近づいている。

しかちくは、

「絶対、最後沿道の応援があるから、そこは走らなあかんやろ。
だから、今歩いとくねん」

と体力温存作戦。

ようやくあと5キロくらいから走りモードになるのであった。

それでも、ああもうムリ、と泣き言ばかりいうので、

「泣き言ばっか言うんじゃないよ」

と、わたしに叱咤されるのであった。

散歩につれて出たはいいが、途中、てこでも動かん!という姿勢を見せる犬をつれてる気分であった。

給水ポイントがたくさんあってふんだんに飲み食いできたのはよかったが、

そのためかどうか、しかちくが途中から、おならをしだした。

それも人が近づいてきたら、

「プップップー」

と出るのである。





いろいろうるさい 001





ところが、しかちくは平気な顔をしていて、わたしのほうが焦った顔をしている。

これではまるで、わたしがおならをしたみたいである。

いくら「おなら上等!」と公言しているわたしでも、(あほな公言)

ひとの屁までなすりつけられたらたまったもんではない。

耐えきれず、

「ちょっと、しかちゃんおなら!」

とわざと声を大にしていうのであった。

そういえば、昔からしかちくはジョギングの最中、人とすれ違う時に限っておならをするというクセがあった。

緊張するから、というのが理由らしかったが、

おならした後の顔が緊張感のかけらもないので、ほんまかいな、と今更思うのであった。

さて、ゴールまであと少し。

沿道のおじさんから、

「あと30分!」

と声がかかる。

制限時間まであと30分、ということである。

すでにスタートから3時間たってるのだった。

長かった一周も、ゴールまでもう少し。

もう少し、

もう少し、

と思うけど、なかなかゴールが見えん。

多良間島に土地勘がないので、いったいここはどの辺なんだろう?と思いながら走り続けると、

ようやく、見覚えのある曲がり角に来た。

「あそこを曲がったら、もうちょっとや!」

わたしたちの疲れ切った顔っも少しほころぶのであった。

沿道に人が増えてくる。

わたしたちの名前を呼んで「あとちょっと!」と応援してくれる。

係の人だろうか、トランシーバーでわたしたちのゼッケンと名前をだれかに伝えている。

最後の角を曲がると、

「ゼッケン○番○番、○○さんご夫婦、おかえりなさ~い!

夫婦、仲良くのゴールです!」

と放送がある。

ああ、兄弟に間違われなくてよかった、ちゃんと女と認識してもらえた、と安心した。

放送席テントの前を横切ると、黄色の大きなアーチがあり、

道路には行きにも越えて行った赤いテープが見え、

そこを走り抜けて、

ゴーーーール!

あーーーー、しんどかったーー!

係の人がペットボトルの水を手渡してくれた。

完走証を見ると、なかなかの遅い記録だったが。

走れてよかった。

こんなに沿道の応援がありがたくて身にしみた大会はなかった。

多良間島には観光資源がなにもない、

と揶揄気味にいう人もいるが。

こんなに素晴らしい島民は、財産といわずになんであろう、

とつくづく思ったのだった。

つづく


それでは~


とりぶう

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