2008年11月ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  となりのおじいの素顔石垣さんの運転1編み物マフラー対ベスト石垣さん運転2沈黙シリーズの映画鑑賞 


となりのおじいの素顔

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学
(325)

去年、台風のせいで全滅した我が家のバナナ

今年は順調に育っています。


去年より数は少ないものの、大きくって立派です。

「早よ黄色くなれへんかなあ。」

わたしたち一家はバナナを見上げては言うのでした。

そしてこのバナナ、となりのおじいには絶対とられたくない、と思っていました。

ところが。

何気なく(というか、かなり首をつっこんで)のぞいたとなりのおじいの庭には、とてもご立派なバナナがありました。

そんなバナナ
(幼稚園児のギャグか!)

大きさはうちのよりひとまわり大きく、数はうちの三倍はあります。

どういうことよ!

パパイヤ枯らしの名人が、バナナ育てはうまかったとは!

そういえば、去年もおじいはたくさんバナナをくれました。

あれ絶対どこかから盗んできたと思ってたけど、自分の家にあったんやな。

わたしはホウキを持ったまま、じろじろとおじいの庭をのぞき込んでいました
(市原悦子か!)

おじいはああ見えて、かなりマメ人です。朝早くからせっせと水やりをしています。

そして、愛されてるかどうかわからん奥さんに、
(大きなお世話や!)

「おとうさん、水やりすぎだよ!」

としかられています。

おじいは当然知らんぷり。それは日課のようにくり返されています。

それにしても、こうやっておじいのやってることをじっくりみるのは、なかなかおもしろいものです

うちに来るときは、「ら~り~」と飄々とした調子なのに、自分の庭では働き者。

おじいの隠された暗い部分を見た感じです
(むしろ良い部分や!)

わたしは、ふと思いました。

おじいのとこへ行って、

「これもらって行きましょうね~。」

とバナナをとってきたらどうだろう。

おじいに、

「あいや~、だ~めですよ!あんたっ、そ~れはだめさ~!」

とあわてて止めさせてみたい。

わたしは愉快な想像をしてにやにやしていました
(きもちわるいな!)

そのとき、ひょっと立ちあがったおじいと目が合いました。

おじいは、ちょっと驚いたあと、社交辞令のように笑いました。

なんかちょっとうろたえてるかんじ。

今日はちょっと勝った気がする。ふはははは!

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石垣さんの運転1

テーマ : ショートショート ジャンル : 小説・文学
(326)

石垣家にナツミさんがやってくる。

「アイコさん。ちょっと頼みがあるんだけどいいかしら?」

「あら、なんでしょう?」

「ちょっとね、車貸して欲しいの。うちの車、今車検でね。
代車きたんだけど、それがマニュアルなのよ。

うちの人、なんだか知らないけどかっこつけてマニュアル車でも大丈夫なんていうのよね。

それでなくてもわたし運転に自信ないのに、マニュアルなんて、ねえ?」


ナツミさんは笑う。

「あ、ナツミさん運転するんですか・・・。」

「あら、大丈夫よ。オートマなら大丈夫!」

「あ、そうじゃないんです。わたしペーパードライバーなんで、運転できる人うらやましくって。」

「え、そうなの?じゃあ教えてあげるわよ!いま、時間いい?」

「いえ、いいですよ、そんな。」


アイコさんは大きく両手を振る。

「いいっていいって!こういうのはだんなに教えてもらうより、わたしみたいなのに教えてもらうほうがいいの。

だんなってほら、すぐえらそうにうっとうしいこと言うでしょ?」


ナツミさんは強引にアイコさんの腕をひっぱって言う。

 ガレージで。ナツミさんは腕まくりして運転席に座る。

「まず、わたしの運転見ててね。」

「ナツミさん、運転好きみたいですね。」

「まあねえ。わりと好きかしら。あら?この車、チェンジレバーないわよ。」


ナツミさんはきょろきょろ見回す。

「たぶん、これだと思うんですけど・・。」

アイコさんがハンドルの横のレバーを指す。

「あら、こんなとこについてるの?わたしこんなの初めてよ~。へ~。タクシーみたいね。」


ナツミさんがレバーを握りながら言う。

「大丈夫ですか・・・?」

「だーいじょうぶよ~。こう見えてもゴールド免許なんだから。

行くわよ。シートベルト締めた?取っ手にしっかりつかまっててよ!」

「え、つかまっとかなきゃだめなんですか!?」

「あらあ、助手席にのるときってそうするんじゃないの?うちの家族、みんなそうやってるわよ。」

「あははは・・・・。」

「しゅっぱーつ!・・・っと、待ってね。

えっと、こっちがブレーキで、こっちがアクセル。よし、完璧。」

「あの、安全運転でおねがいします・・・。」

「任せといて!よし、しゅっぱーつ!・・・あれ?」

「ナツミさん、それワイパーです・・・。」
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編み物マフラー対ベスト

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学
(327)

わたしは編み物が大好きです。

小学校二年生くらいから編み物をはじめ、それ以来、冬になると、年中行事のように編み物をしていました。

しかし困ったことに、わたしの編み物の腕は一向に上達しません


何年たっても小学生レベルのまんまです。

それもそのはず。わたしはマフラーしか編まないからです。

何度かセーターにも挑戦しましたが、

わたしの辞書に『計測』ということばはない

おまけに『手本どおり』ということばもない

「マニュアルどおりに作るのは芸がない。」と考えて、自分なりのアレンジをたくさんくわえてしまうのです。
(そのうえ腕もないのに!)

そして出来上がったものは、『彼氏、相撲取り!?』みたいな巨大セーターになってしまうのでした

しかちくの成長を待っていたのですが、そんなに太る予定はないと言います。

しかたなくわたしのワンピースにしていました
(どんだけでかかったんや!)

が、肩がこるのでしぶしぶセーターをほどきました。

そして翌年、それはマフラーに生まれ変わりました

マフラーの良い点は、単純作業だということです

ただひたすら、もくもくもくもく編んでいたら、あ~ら不思議。しまいに出来上がっています

このお手軽な達成感。忙しいわたしにはぴったりです
(マフラー編むほどヒマやん!)

そうして、毎年、2,3本マフラーを編んでは喜ぶのでした。

わたしはしかちくに、

「今年はどんなマフラー欲しい?」

と聞きます。しかちくは、

「いらん。」

と言います。

「うそばっかり。今年はどんなんがええん?」

「だからいらん。マフラーばっかりそんなに何本もいらん。」


しかちくはほんとに謙虚なお方
(本音や!)

わたしはしかちくの気持ちをくんで、毎年やっぱりマフラーを編むのでした
(嫌がらせか?)

ところが。宮古島に移住してから、マフラーの出番がありません

冬は案外寒いので、軽いセーターくらいは必要ですが、ニットのもこもこマフラーは暑いのです。

しかちくはわがままを言います。

「強いていうなら、ベストが欲しい。」

「はああ?マフラー?」

「ベスト!」

「はああ?マフラー?」
(となりのおじいか!)

もう、しゃあないなあ。ベストをつくしてマフラー編むわ!

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石垣さん運転2

テーマ : ショートショート ジャンル : 小説・文学
(328)

「アイコさん、運転っていうのはね、慣れなのよ、慣れ。」

ナツミさんがガレージから車を出しながら言う。

「はあ・・。わかってるんですけど、なかなか機会がなくって、そのうち怖くなっちゃって。

キズクにとなりに乗ってもらって、何度か運転したんですけど、

横でやいやい言われるのがいやになっちゃって、

乗ってるだけのほうがずいぶん楽だなあって。」


アイコさんは窓の上の取っ手をしっかり握りながら言う。

「わっかるー。キズクもそうなんだ?」

「え、・・・ええ、キズクもそうなんです。ははは・・・。」

「運転に関しては、異常にうるさいのよね、男って!」


ナツミさんがアイコさんの方を向いて言う。

「ナツミさん、まえ、まえ!」

アイコさんが前を指差す。

「あら、あぶなかった。
電柱にぶつかるとこだったわ。あっはっは。」


ナツミさんがブレーキを踏んで豪快に笑う。

「キズクは運転が荒いんですよね。

車線変更とかひんぱんにするし、黄信号でも突っ込んじゃうし。」

「それは怖いわね。逆にうちの人なんか、安全運転すぎていやなのよね。

高速道路は80キロで走るし、駐車場もきっちり入れなきゃ気がすまないし。」

「え、それだめなんですか?」

「あー、アイコさんがなんで車がいやかわかった。きっちりする必要ないのよ~。

きっちりしてると、車の運転いやになる一方でしょ?

車庫入れなんて適当にあっちぶつけて、こっちぶつけて入れたらいいのよ。あっはっは!」


ナツミさんは片手をハンドルに置いたまま笑う。

「ナツミさん、いまブレーキかけてるんですよね?この車、ちょっとずつ動いてません!?」

「あらやだ。サイドブレーキがいい加減だったわ。初めての車って加減がわからなくって。

さあ、それじゃ行きますか!レッツゴー!・・・あれ?」

「ナツミさん、それワイパー!」

「や~だ、わたしったら。」

「ナツミさん、バックしてます!」

「え、ほんとだ。あぶなかったー。」

「ライトついてます!」

「おっとっと。」


「ハザードランプがついてます!」

「あ、こ~りゃ。」

「・・・ナツミさん、運転かわります。」

「やっとやる気になったのね!」
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沈黙シリーズの映画鑑賞

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学
(329)

年々、映画鑑賞がつらくなります。

映画館で見ることはまずなく、家でDVD鑑賞するのですが、かならず寝てしまうからです。

若いころは、『彼氏が映画の途中で寝てしまう』なんて友達のいうことが信じられませんでした。


なんともったいない。

製作費何十億円もかかったこの大作。

寝れるなんて!

と、『あんな立派な結婚式挙げたのに離婚して』みたいな反応を示していました。

ところが。

30歳を過ぎたころから、大作になればなるほど、寝てしまうのです。

おもしろくないわけではないんですが、話が盛り上がれば盛り上がるほど、話にのめりこんで、気付けば眠っているのです

(眠りにのめりこんでるんやん!)

とくに苦手なのが、大作アクション。

スティーブン・セガールの『沈黙の・・・』シリーズなんかは、始まって10分で夢の中です

恐るべしセガール

わたしをも沈黙させてしまうとは
(寝てるだけや!)

しかちくは映画鑑賞中に寝ません。

だから映画が終わると、文句を言います。


だいたい、とりぶうが見ようって言うた映画やのに、寝るなんて・・・!」

と、同盟組んだのに裏切って、とイタリア兵をにらみつけるドイツ将校みたいな表情をしています。

わたしも、B級といわれる映画や、ベタベタの邦画は寝ないのです。

寝てもいいという気軽さがあると、かえって寝ないものです。

それは浮気したらあかんで、といわれると、ちょっとこそこそしたくなるように。

別に浮気したかったらしたら~、どうせするやろ~?といわれると、

よ~し、絶対浮気せえへんぞ!と誓うみたいなものです。


わたしがあんまり寝てしまうものなので、とうとうしかちくは切れました。

「今度寝たら罰ゲームとして・・・。」

「罰ゲームとして?」

「『沈黙』シリーズを立ったまま見せるからな!」


ええ~!それはキツい!

わたしは言い返せずに、またしても沈黙してしまいました。恐るべしセガールの威力

映画は大好きなので、見たい。

でも、かなりな確率で寝てしまう
(ほんまに好きなんか?)

最近では寝るかもという不安から、B級かベタな邦画しか見られなくなりました

しかし、今度はそれでも寝てしまうのです!

いまのところ、バレてはいないようですが、これも時間の問題。

みなさん、寝ずに映画を見られるいい方法ありませんか!?
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