2009年04月04日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  甲子園の思い出私はチアガール 


甲子園の思い出私はチアガール

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学
(450)

高校2年生の3学期。わたしの高校は大変なことになりました。

なんと、野球部が春の選抜高校野球に出場することになったのです。33年ぶり2度目。

さっそく高校ではチアガールの募集がはじまりました。

うれしがりの女子たちが連れ立って申し込みます。まったく、みんなミーハーやねんから。

チアガールっていうたらアンタ、ミニスカートはいてちゃらちゃらするんやで?

わたしは申し込みに来ている女子たちを見て思いました。

そして苦々しく思いながら申し込みをしました。
(自分もかい!)

急きょ、チアガールになった女子たちは、主に帰宅部ばかり。

にわかクラブ活動することになったわたしたちは、なんちゃっての体育会系ノリと、晴れ舞台でちゃらちゃらできることを思うと楽しくてしかたありませんでした。
(応援しろ!)

抽選の結果、わたしたちの高校はなんと開会式直後の第1試合になりました。

相手は北海道の高校。これはラッキー。

北海道のひとには悪いけど、和歌山いうたらアンタ、箕島智弁和歌山という強豪を生んだ野球王国。

33年ぶりとはいえ、うちの高校が2回戦に進出するというのは決まったようなもんやな、と心は2回戦に飛んでいました。

まだ肌寒い3月の末。ミニスカートをはいたチアガールたちは、ぶるぶる震えながら開会式を眺めていました。

いよいよわたしたちの高校の登場です。

いつも教室で見てるクラスメイトがマウンドに立つのを見ると、なんだか照れくさいような、心もとないような、へんな気分でした。

試合ははじまりました。わたしたちの応援の甲斐あって(?)順調に得点してゆきます。

応援団もチアガールもテンションがあがります。

ああ、青春!ああ、楽しい!ああ今、わたしたち主役!

そんな気分でみんな応援していました。

ところが。5-0でリードしていたわたしたちの高校が、あっという間に逆転されてしまいました。

高校野球と芸能人の結婚ほど、先が見えないものはありません。

気がつくと大量にリードされていました。勝ってるときはいきおいよく上がっていた腕も、逆転されたとたん、ものすごく重く感じてきました。

相手側の攻撃のときは本来、座っていてもいいのですが、応援するほうも根性見せろとばかりに、ずっと立ちっぱなし。腕あげっぱなし。

ちょっと~。そんな根性あったら帰宅部やってないよ~。

わたしはもう、どっちが勝ってもいいから、とにかく試合よ早く終わってくれ、という思いでいっぱいでした。
(情けない!)

ふと隣の子を見ると、涙ぐみながら声を枯らしています。

よく見ると、その隣も後ろも前も、みんな泣いています。

テレビカメラがあきらかに泣いてるチアガールを写しています。

ああっ、しまった!出遅れた~!

わたしはあせりました。マウンド上のピッチャーよりもあせっていました。
(あほか)

なんとかして涙を!タマネギでもいいから涙を!思えば思うほど涙は出てくれません。

わたしがあせっている間に、試合は終わってしまいました。

みんな肩を抱き合いながら泣きました。家に帰ってビデオを見ると、泣いてるチアガールが大写しになっていました。

あの時ウソでも泣いておけば・・・。
(どうやねん!)

いまだに後悔する甲子園の思い出です。
(あほや)
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