2009年04月15日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  魔人・ニキビ 


魔人・ニキビ

テーマ : ショートショート ジャンル : 小説・文学
(459)

マキはもう1時間も鏡の前に座っている。

「やだなあ、このニキビ。」

さわると大きくなるってトモミは言ってたけど、気になって何度もさわってしまう。

「やだ、まじ大きくなったんじゃないの、これ・・・。」

マキは鏡を凝視する。

「あ~あ、最悪だよ~。」

ベッドにどすんと座り込む。マキは明日、人生初めてのデートなのだ。それもあこがれの高橋先輩。

高橋先輩は、陸上部で高跳びをやっている。

陸上部の友だちから、高橋先輩が彼女と別れたばっかりだと聞いた。

チャンスだよ、マキ。そういう友だちの声におされて、決死の覚悟で映画にさそった。

先輩は最初戸惑っていたみたいだが、映画に行くくらいなら、とOKしてくれた。

それ以来、マキの心臓はひとまわり大きくなったんじゃないかというくらい、ドクンドクンと体のなかで踊っている。

その日着てゆく服も、さんざん考えた。なのに。

「このくそったれニキビ。」

デートが近づくにつれて、しだいに大きくなってる気がする。

翌日。ニキビはさらに大きくなっていた。マキは鏡の前でべそをかいた。

よりによってこんな日にこんなに大きくなるなんて。

しかし、デートをすっぽかすなんてことは出来ない。高橋先輩にあこがれる子は多いのだ。

チャンスはもう二度とないかもしれない。

マキは服を着替え、家を出た。待ち合わせには15分も早くついた。

ニキビを手で隠しながら待っていると、へんてこな老人に声をかけられ、へんてこな花瓶をもらった。

たったひとつの願いをかなえてくれる魔人が入っているという!

「これ、聞いたことある!ラッキー!あたしにも運が向いてきた!これでニキビがとれるよ!」

マキは思わず『よしっ』とガッツポーズした。

魔人さん、お願いします!あたしの鼻のあたまのニキビを今すぐとってください!」

マキは花瓶にむかって深く頭を下げた。

すると、なかからしゅるしゅるっと大男の魔人が現れた。

「は~い、ご主人様、お安い御用です!あら、ほんとに大きなニキビですね。

これはお見事。ご安心ください。キレイにとってさしあげましょう。」

魔人はそういうと、マキが手に持っていた携帯電話を『お借りしま~す』といって取り上げると、

「はい、笑って~。いきますよ~。はい、ニ・キ・ビ!

ね?キレイに撮れたでしょう?これであなたのたったひとつの願いはかなえられました。

恋が実るといいですね、ご主人様!」

魔人はマキに携帯の画面を見せると、しゅるしゅるっと花瓶のなかに帰っていった。

「え、ちょっと待って!ニキビぜんぜん、取れてないんだけどっ!おいっ、待てよ、魔人

てか、恋を実らせてもらえばよかったよ~!ああああ~!」
関連記事
スポンサーサイト



少しでも面白かったら、下をクリックで応援よろしくお願いします。とりぶうの絵が踊るよ!
FC2Ranking にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ blogranking 人気ブログランキング【ブログの殿堂】 クツログ
ショートショートとりぶうの読むコントの応援をお願いします。
あしたも、お待ちしております。! ブログパーツ 健康食品

     カテゴリ

     登場人物
登場人物 とりぶう 登場人物 しかちく
とりぶう=わたし しかちく=夫 
登場人物 うさQ 登場人物 カメ氏
姉=うさQ 弟=カメ氏 

     最近のコメント

     最新記事

全記事表示


     月別アーカイブ

     携帯でどうぞ
QR

     おかげさまです