2009年04月28日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  ニュージーランド自分をもって和をもって 


ニュージーランド自分をもって和をもって

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学
(470)

わたしはニュージーランドに住んでいるとき、しかちくと英語学校の小旅行に参加しました。

日本人が数名とドイツ人数名、スイス人数名という構成でした。

宿泊所には小さな部屋と大きな部屋があり、参加人数の少ない女性が小さな部屋を使うのが妥当と思われました。

部屋を割り当てるとき、スイス人の女の子が、
「とりぶうはしかちくといっしょがいいのか、それともわたしといっしょの部屋でもいいのかどっち?」と聞きました。

彼女はもしとりぶうがしかちくといっしょがいいといえば、自分は男性陣といっしょに大部屋で寝るし、彼女といっしょでいいと答えたらしかちくに大部屋に行ってもらうし、

自分はどっちでもいいからとりぶうが決めてくれというのでした。

わたしは悩みました。はたして彼女はどうしたいんだろう?

わたしにどっちを選んでほしいんだろう?

そんなことばっかり考えて、なかなか答えを出せずにいました。彼女の顔色からはどちらを望んでいるのかうかがえません。

しかちくの顔を見ても、どっちでも、という表情。

わたしがおどおどしていると、

「イエス、オア、ノウ!」

と強い口調で彼女が言いました。

わたしはおどろきました。普段しゃべり方もおっとりしてひたすらやさしい彼女。

それがスイカを切った、タンス人です。

あ、タンカを切ったスイス人です。

自分の意見くらい、きっちり持っとかんかい!

そう怒られた気分でした。

人の意見より自分の意見が優先、というのは彼女たちには当たり前のこと。

どちらを選んでもかまわないと言ってるんだから、それを額面どおり受け取れ、というのでした。

でもそれって、日本人に講演会で『なにか質問はありませんか?』と聞かれて手をあげろというくらい難しいこと。わたしは自分のおどおどぶりが情けなくなりました。

そして結局、彼女と同室を望みました。彼女はさっきタンカを切ったことなんか全然覚えてないように、ごきげんで小さい部屋の心地よさを楽しんでいました。

ああ、そうだよなあ。大部屋で男どもに囲まれてたら、こんなにくつろげないよなあ。

わたしとしかちくが夫婦だからと気をつかってくれた彼女。

わたしがしかちくと同室を望んでも、彼女はいさぎよくそれを受け入れ、わたしを恨むことはひとかけらもしなかったでしょう。

そう思うと、わたしは自分の心配りの出来てなさに、またまた情けなくなりました。

和をもって尊しとなす』日本人気質のわたしは、他人のことをよく考えてると思っていたのですが、じつはそうではありませんでした。

他人によく見られることばかり考えて、自分の意見を持った上で、他人を尊重するという基本的なことがまったく出来ていませんでした。

なんだかまじめになってしまいました。

でもこの話はフィクションです。(うそつけ!)
関連記事
スポンサーサイト



少しでも面白かったら、下をクリックで応援よろしくお願いします。とりぶうの絵が踊るよ!
FC2Ranking にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ blogranking 人気ブログランキング【ブログの殿堂】 クツログ
ショートショートとりぶうの読むコントの応援をお願いします。
あしたも、お待ちしております。! ブログパーツ 健康食品

     カテゴリ

     登場人物
登場人物 とりぶう 登場人物 しかちく
とりぶう=わたし しかちく=夫 
登場人物 うさQ 登場人物 カメ氏
姉=うさQ 弟=カメ氏 

     最近のコメント

     最新記事

全記事表示


     月別アーカイブ

     携帯でどうぞ
QR

     おかげさまです