2009年06月11日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  スポンサーサイトいちばん後ろの特権 


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いちばん後ろの特権

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学
(504)

席がえというのはわくわくするものです。
とくにいちばん後ろの席はいいもの。

見晴らしがよく、『下々のものたちよ、よく勉強するのじゃぞ』と心の中でわが民たちにエールを送ってしまいます。
(なにもんやねん!)

念願のいちばん後ろをゲットした小学校5年生のとき。

案の定見晴らしがよく、下々のものたちのいとなみが丸見えです。

またあの子、イスがったんがったんしてるわ。しまいにひっくりかえるで。

うわ、あの子のお弁当、ええな。パルキーの皮なしウインナーやんか!

あー、あの子、体操服の下からシャツ見えてるん、どうにかしてくれへんかなあ。

と下々のものたちのいとなみを、王さまのようにほほえましく垣間見ていました。
(むしろ家政婦のようにいやらしくや!)

しかし、いちばん後ろの特権はこれだけではありません。何をやっても下々のものたちからは見えないということ。

官僚の経費の使いみちがよくわからないのと同じです。

いちばん後ろの席は、努力したものにしか与えらない特権。
(ただのくじびきや)

わたしは特権を生かし、日々、ささいな実験を行っていました。

イスにすわったまま、どこまで不自然でなく足をうしろにのばせるか。

先生が黒板を向いてるときに、どれだけ長く後ろを向いてられるか。

これらは学生時代に一度はやっておきたいことです。
(やりたくないわ!)

そのうち、わたしは『Dr.スランプ』に出てくるアラレちゃんのマネをやってみたくなりました。

それも舌を出した顔のマネ。最初はこっそりはじめました。教科書を立てて、そのかげにかくれて舌を出す。

これは思いのほか楽しい。わたしはもっと大胆になりました。教科書なしで舌を出すという上級コースにいどみました。

先生が黒板むいてるすきに、『ぺろり』と舌を出す。

なんかしらんけど、こりゃユカイ!

わたしはさらに大胆になって舌をだしたまま左右を向く、という難関コースにチャレンジしたくなりました。

そこで、先生が黒板になにやら書いているすきに、舌をだしたまま右を向いたり、左を向いたりしていました。

うわー、楽しい!そのとき、

「・・・とりぶう、何してるんや?」

先生の冷ややかな声が投げられました。

わたしは舌を引っ込めるのを忘れて、先生を見ました。

「舌だしたまんま、きょろきょろして、何してたんや?」

先生はあきれたような哀れんだような声で聞きます。

さっきまでわたしの民だった下々のものたちが、いっせいにけげんそうな顔でわたしを見ます。

ああ、これでわたしの王宮での生活も終わりか。

わたしはベルサイユを追われるマリー・アントワネットのような心境でした。

まさかアラレちゃんのマネをしていましたとも言えず、わたしは、

「し、舌が、かゆかったんです。」

と声を裏返らせて、適当な言い訳をしました。

きっと浮気を見つかった男の心境も、ああいうものなんだろうなあ。

みなさん、今日もくだらない話にお付き合いいただき、ありがとうございま舌。
(オチがいちばんくだらんわ!)
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