2010年06月08日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  母の電話 


母の電話

テーマ : 日記 ジャンル : 日記
みなさんこんにちは。

この間、実家の母から電話がかかってきたとき。

「ええっ?うん、うん、・・・・・う~ん・・・・・」

と深刻にだまりこんだわたしを見て、しかちくは考えました。

これはきっと とりぶうの妹に何かあったにちがいない。

いや、お義母さんの体の調子か?

など、悪い予感が 阿波踊り のように心の中を踊っていたといいます。(むしろ楽しそうや)

さわぐ子どもたちにも 「しっ!いま和歌山から深刻な電話かかってきたから」 と人差し指を立てて 静かにするよう言います。

わたしの声はさらに深刻さを帯びてゆきます。

「・・・う~ん・・・それは難しいなあ・・」

それを聞いたしかちくは、きっとだれかが急病になって すぐ帰って欲しいと言われてるに違いないと確信。

さらに聞き耳をたてます。

聞こえてくる情報は『遺言』だの『死ぬまぎわ』だの、縁起でもない言葉ばかり。

さあたいへんだ、としかちくの心の中は 太極拳 のように激しく動き回りました。(めっちゃゆっくりやん!)

電話を切ったわたしに しかちくはあわてて聞きにきました。

「どないしたん!?だれかどっか悪いんか?」

「はあ?べつに」

「じゃあなにをそんなに深刻に考え込んでたんや?遺言とか死ぬまぎわとか」

「ああ、短歌」

「なんやそれ~!」

そうなのです。

実家の母は短歌の会に通っていて、そこに出す短歌の批評をしろ と電話をよこしたのでした。

「あんたどう思う?この短歌、あかんか?下の句のできがいまいちか?どうしたらええ?」

すがるようにわたしに批評を求めます。

父の三回忌にあたっての思いを歌にしたということでした。

母は『とりぶうは短歌わかるやろうし』というおだても忘れません。

おだてと甘い誘いには乗る女、とりぶう。

さっそく上から目線で母の短歌の批評をはじめました。

しかし、身内の批評というものはたいがいが不必要に辛口。

バーモントカレーの激辛みたいに、そこまで望まれてないのに的な辛さがあります。

そうして批評されるほうも、身内に対してはあんまり素直に聞けないもの。

『とりぶうは短歌わかるやろうし』が、だんだん『とりぶうに何がわかる』みたいなムードになってゆきます。

そしてわたしが電話の前で「・・・う~ん難しいなあ」とうなるたび、母はほめポイントをプッシュ。

批評ではなく、暗にほめろという口調。

わたしは意地でもほめるもんかという構え。

そんな親子のつな引きが続き、わたしの口調はだんだん深刻さを帯びてゆくのでした。

しかし、15分後。

なにごともなかったようなあっけらかんとした声で、母は言いました。

「まあ、このままで提出しとくわ」

「なんやそれ~!」

散々悩んだあげくこれかい!

結局わたしの批評はいらんかっ短歌~!(だじゃれもいらん!)



教訓 批評してと言われたら とりあえず ほめよう

関連記事
スポンサーサイト

少しでも面白かったら、下をクリックで応援よろしくお願いします。とりぶうの絵が踊るよ!
FC2Ranking にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ blogranking 人気ブログランキング【ブログの殿堂】 クツログ
ショートショートとりぶうの読むコントの応援をお願いします。
あしたも、お待ちしております。! ブログパーツ 健康食品

     カテゴリ

     登場人物
登場人物 とりぶう 登場人物 しかちく
とりぶう=わたし しかちく=夫 
登場人物 うさQ 登場人物 カメ氏
姉=うさQ 弟=カメ氏 

     最近のコメント

     最新記事

全記事表示


     月別アーカイブ

     携帯でどうぞ
QR

     おかげさまです