2011年01月21日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  スポンサーサイト日本収監~あなたができるまで 26 


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日本収監~あなたができるまで 26

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学


※よろしかったら最初からどうぞ→あなたができるまで



娘よ。

一旦、ニュージーランドに戻ったら、魔法がとけたみたいに。

安宿に逆戻りだった。

共同トイレに共同シャワー。

食事はマクドナルド。

何度も通ったマクドナルド。

そこでわたしは泣いた。

「帰りたくないよう」

と泣いた。

あほやで。

こうなることはわかってたやろ。

選んだのは自分やろ。

と見つめる自分がいたのだけれど。

そのときになって初めて、責任というものが『漬物石』みたいにのしかかってきた。

のんきとか、気楽とか、ゆったりとか。

そんなものとは永遠にお別れなんだ。

そう思うと泣けてきたんだよ。

でもね。

わたしは今、のんきだし、気楽だし、ゆったりしてるし、おまけに怠けてすら、いられる。

人間ね、その気になればどんな状況でも怠けることが可能なんだよ。

って、お母さんが言ってたとか、人には言わないように。



帰りの飛行機はやたら速く進むように思えた。

広い海を越えて、日本が見えたとき。

なつかしさはなく。

これは大きな檻だと思った。

手かせ足かせをいっぱいくっつけて生きてかなければいけない。

檻から出るには何年、いや何十年かかるんだろう。

怖くて怖くてしかたなかった。

自分が不法入国でもするかのようなビビリ方だった。

関西国際空港の到着ロビーには、わたしの両親が来てくれていて。

なつかしかったのだけど、言葉の通じないホームステイみたいに。

お互いどうしていいのかわからず戸惑った。

ハグをしないのが不自然にも思えた。




あなたができるまで26 1・21




わたしのおなかが大きいことは、わたしにとってはすでに当たり前のことだったけど、

親にしてみたら、初孫がその中にいる!えらいこっちゃ!ということで。

やたら心配してた。


両親と別れ、タクシーに乗り、窓の外を眺めると、ビルがいっぱいで怖かった。

オラ、都会はムリだんべ。

と思った。

こんなコンクリートジャングル、紀の国のサルがやってけるわけなかろうもん。

と思った。

しかちくの実家に行くと。

みんなビックリしていた。

ものすごくビックリしてた。

「もう帰ってきた!」

と大騒ぎだった。

みんな、わたしたちが帰る日にちを間違えていた。

さすが適当人間しかちくの実家。

そこらへんの大らかさがよくて。

嫁で同居で出産で、とカチコチになってたわたしは。

この檻は、思ったより自由なのかもなあ、と思ったんだ。



つづく

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