2015年06月24日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  スポンサーサイトいつも裸足だった 


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いつも裸足だった

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みなさんこんにちは。

宮古島ではいろんなおじいがいて、

移住者のわたしたちにも温かく声をかけてくれます。

なかでも、『裸足のおじい』とわたしたちが呼んでいたおじいは出色でした。

裸足のおじいは、名前そのまんま、いつも裸足。

農作業の間も、自転車に乗ってるときも、いつも裸足でした。

サトウキビ畑でおじいの姿が見えると、わたしたちは声をかけるのが常。

おじいは大きな声で、

「おいっ、手伝っていけ!」

とにこにこしながら手招きするのでした。

おじいが道端で休憩してるときに会うと大変。

わたしたちがジョギング中であっても、

「おい!こっちこい!こっちこっち!女の人のほう、こっちこいって!」

と大騒ぎ。

おじいにわたしの名前を告げたことはないので、「女の人」と呼ばれるのは間違いではないけど、

さすがに「おねえちゃん」じゃないし、「おばちゃん」は失礼だしと思ったのか、おじいなりの苦肉の呼び方なのだと笑えてきました。

おじいはなんのためにわたしを呼ぶのかというと、握手するため。

おじいは女の人と握手するのがとても好きなようで、知り合いの女性が見えると、握手しろというのが定番なのでした。

おじいの手はいつも土で汚れているうえに、力がやたら強い。

だから最初の何回かは握手したのですが、その後は適当にごまかしていました。

暑くなってきたので、最近おじいの姿が見えないなあと思っていたら。

おじいは亡くなっていました。

交通事故だったそうです。

おじいは沈んだ顔を見たことがないくらい、いつも元気だったので、病死ではないというのはとてもしっくりきました。

親戚でもなく、いや、むしろ遠くの親戚よりははるかに頻繁に会って、

本名はお互いに知らなくて、わたしなんか「女の人」と呼ばれてたし、

会えば挨拶程度の会話を交わし、にこにことした笑顔を交換し、それだけの間柄。

その人が亡くなるということは、なにか不思議な気分でした。





実感ない 2015 6・24




呆然というほどの感慨もないのですが、

おじいのサトウキビ畑を通るたび、おじいはもういないんだということをいちいち頭に叩き込みます。

それでもまだ実感がわかず。

ふと、

もう一回握手しておいてあげればよかったなあ、

なんて。

わたしのごとき中年女と握手したいといってくれる人がいたということが、ありがたいことだったんだと思います。

サトウキビの風景は、移住した8年前とかわりはないのだけれど、

わたしの気持ちは8年前とは変わってゆきます。

悲しい出来事があるたびに思うのです。

いろんなことがありがたいと思える人間になりたいと。


それでは~


とりぶう


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