2017年07月28日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  スポンサーサイトこれじゃなかっター滝  ~B面の旅 沖縄・夏(2)~ 


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これじゃなかっター滝  ~B面の旅 沖縄・夏(2)~

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みなさんこんにちは。

平べったい宮古島には、見上げる土地がない。
上を見たらいつも、空なのだ。
でもわたしは山がわりと好きなので、今回、しかちくが、
「滝行こう」
といったときには、大喜びだった。
山の中にある「ター滝」というところに行くという。

宮古島に住んでいると、山も川もないのが当たり前になり、ついついこの世は平地と海でできていると思いがちだけれども。
沖縄本島は山がけっこうある。
山といっても険しいものではなく、最高でも標高500メートルくらい。
本土の山とちがって、亜熱帯の山。
それだけでジャングルっぽい感じがするよ。
あ~ああ~
と、ターザンがいそうな気がするよ。

しかちくは、そのうえ、
「多少、濡れるかもしれん。ちょっと沢登りみたいなやつ」
というではないか。
なぬ。
と思った。

なにを隠そうわたしの祖先はサルである。(人間みんなそう)
そして、わたしは自称『紀ノ国のサル』である。
登ることが大好き。
大人の階段だって無事のぼってきたのだ。(だれでも)

沢登りなど、屁でもないわ!
と、何か知らんけど闘志がわいてくる。

一応、ガイドもつけられるという。
なぬ、ガイドだ?
上等やないか。
ガイド、つけてもらおうやないか。
と、思った。

闘志がわいてはきていたものの。
知らないところでは、極端に人見知りで臆病なわたしなので、
ガイドを付けてもらうのはありがたいのである。(なんやそれ)

が。
しかちくは、なにやら調べた結果。
「ガイドなくても行けそう」
という。

ちょっと!あんた!
『仁和寺の法師』の教えを知らんのか!
と言いそうになった。
『仁和寺の法師』というのは、子供の中学のときの教科書に載ってた古典。
仁和寺の法師が、ガイドなしに石清水とかいう寺に行ったら、別の寺を石清水と勘違いして肝心の本物を見ないで帰ってきてしまったというお話で、
「先達はあらまほしきことなり」
という教訓がついている。
つまり、
「ちょっとのことでもガイドは必要!」
と兼好法師は言ってるのだ。

しかし、
「小学生でもふつうに行けるらしいで」
との言葉により、だったらええか~、という気になり。
ふたたび、
ワイはサルやで?
沢登りなんか屁でもないわ!
という気持ちがむくむくとわいてきた。
ま、いざというときには、ガイドつきのグループについてったらええやんか。(サル知恵?)

さて。
いろいろ紆余曲折があり、ター滝の登り口に到着。
きちんと駐車場が整備されていて、朝9時ごろだったのだけど、すでに30人ほどがいた。
夏休みなので子供が多い。
よしよし。
安心安心。
子供が多いところでは、それほど危険がないであろう、とわたしは胸をなでおろした。
サルも木から落ちたくないのである。

しかし続々と人がやってくる。
合理化の鬼で、行列嫌いのしかちくが、
「早よいこ!」
と焦りだした。
ここは人気スポットなので夏はとても混むらしい。
だから、とりあえず早く出発してすいてるうちに行きついてしまいたい、と考えているようであった。

わたしたちはホテルを出る時点ですでに水着着用である。
スイムシューズに履き替えていざ出発した。
が。
いきなり戸惑う。
看板を見ても、どこをどう行けばよいかわからない。
早速わたしたちはガイドがいないことを少し後悔するのであった。
たぶんこっちだろうと思われるほうに進んでゆくと、人が歩いている。
それもガイド付きのグループである。
とたんに、ほっとして歩みを速め、そのグループが立ち止まって、
「これがバナナの花ですよ」
などとガイドさんの話に耳を傾けてるうちに追い抜いた。

しばらく歩くと、川が見えてきた。
これがちょっと濡れるかもしれん川やな。
と、思ったのだけど。
そこから先は道がなく、ちょっと濡れるどころではない。
思いっきり川につかって歩くのである。
きたきた、きたきた。
紀ノ国のサルはうほうほいう気持ちを抑えられず、ざぶざぶと川に入っていった。

海と違って、川の水はつめたく重い気がする。
ひざ下くらいまで水につかりながら歩く。
余裕、余裕、、と思ったのもつかのま。
つるんっ、と足がすべる。
石が丸くてつるつるしてるので何度も滑りそうになり、なめたらあかん~なめたらあかん~、という天童よしみの声が頭を回るのだった。

暑い日だったけど、木々が両端から覆いかぶさって太陽がほぼ当たらず快適。
水につかるところもあり、そうでないところもある。
すべるのさえ気をつけたら、そんなに難所はない。
そうして10分ほど歩いたであろうか。
開けたところに出た。
正面に滝がある。
滝というにはおこがましいほどの落差。
3メートルくらいだろうか。

「え、これ?」
「こんな低い滝?」
わたしたちは顔を見合わせた。
だって、ガイド付きのグループはライフジャケット着用だったのだ。
この滝にライフジャケットはあまりにも大げさではないか。

しかし、沖縄をなめたらあかん。
一番高い山で500メートルなんやから、滝が3メートルでも立派なんかもしれん。
とりあえずわたしたちは、滝つぼめいたところで泳いだ。
けっこう深い。
これだったらライフジャケットもいるかもしれん。
わたしは自分を納得させたのであるが、釈然としない。
しかしここから先に行こうとしたら道がない。
先に行くにはその低い滝を登らねばならず、それは子供には無理ではないかと思われた。

すると、後ろのほうから先ほど追い抜いたガイド付きグループがやってくる気配。
「ここで休憩するふりして、ガイドの行き先を確認しよう」
ということになった。

わたしたちは、
「真水で泳ぐの気持ちええな~」
などと、特に言わなくてもよいセリフを言いながら、ガイドグループが通り過ぎるのを待った。

ガイドさんは、わたしたちのことなどお構いなく、(当然)
右側の岩を登ってゆく。
そこにはロープが張られていて、登りやすいようになっていた。
思わず、
「そっちかい!」
と叫びそうになった。



B面 な。 001




大人も子供もわたしもしかちくも、ガイドに従ってついてゆく。
さっきまで余裕余裕と思ってたけど、なかなかどうして、けっこう登りにくいのだ。
なめたらあかん~、なめたらあかん~、
天童よしみが、わたしの中でふたたび回っていた。

「ガイドがおらんかったら、あそこで滝やめてたな」
「仁和寺の法師だったな」
と語り合ったのは言うまでもなく。
やはりたった3メートルの落差の水流は、沖縄でも滝とは言わないようで、わたしがいちばん沖縄をなめてたのかもしれん。

やはり、先達はあらまほしきことなりなんだなあ。

つづく。

それでは~


とりぶう

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