2017年10月26日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  スポンサーサイトモノとの思い出 


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モノとの思い出

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みなさんこんにちは。

おとといの夕方。

いつもお世話になってるクルマ屋さんから電話がかかってきた。

「このままでは車検が通らないです、今から見にきてもらえませんか?」

とのことだった。

まるで動物病院に預けた犬の具合がいよいよ危ないというような口調だった。

ああ、とうとうきたか。

と思った。

19年前。

娘うさQの出産前に購入した車が、いよいよ終わりを迎える。

当時、

「モノより思い出」

のキャッチコピーとともに、ファミリーで乗ることを前提として売られていた車。

団塊ジュニアと呼ばれるわたしたち世代がちょうど家族を持つころで、

そういう層にぴったりだった。

それまで親戚のおじさんのおさがりの車に乗っていたしかちくにとって、初めての新車だった。

正直、これほど長い付き合いになるとは思ってなかった。

その車に乗っていろんなところに行った。

春夏のキャンプ、実家の帰省、その他いろんなところに、たくさんの荷物と子供を乗せて、

車は走った。

わたしに一日に三回ぶつけられたこともあった。

それでも車は不満は言わなかった。(あたりまえ)

宮古島に来るときには、車内いっぱいぎゅうぎゅうに荷物を積み込んで、フェリーに乗せられた。

「なにわ」ナンバーが「沖縄」ナンバーになった。

沖縄は本州と違って、錆びる速度が速い。

風にはいつも塩がまじるのだ。

車は年々サビがひどくなってきた。

それでもどうにか車検はとおり、

「あと何年もつかな」

というのが車検のときの合言葉になった。

このごろではエンジンも弱くなり、いきおいよくアクセルを踏み込まないことには最初のエンジンがかからない。

まるで足腰の弱くなってきた農耕馬のようだった。

それでも毎週末、わたしたちは休みのたびに車に乗って出かけた。

風が強い日には、海を見ながら車の中で本を読むだけのこともあった。

車は乗り物であり、移動する部屋であった。

わたしたち家族の思い出をたくさん乗せてきた。





モノとの思い出 001





ほんとに馬のようで、生活からなくなることなど考えたこともなかった。

19年も同じ車に乗り続けるのは、今の日本ではあんまりないことかもしれない。

それだけ大事に乗ってきた、

ということはまるでなく。

いい加減に乗ってきた。

これは断言できる。

錆びてきたら、適当にペンキを塗り、

ぶつけて車体がへこんだとしても、そのまんま。

洗車されることも最近ではめったになくて、常にどろだらけだった。

日本の車としてはあるまじき扱われ方であった。

それでも車はけなげに動き続けた。

だから今回もどうにか大丈夫だろうと思っていた。

そして、これが最後の車検になるだろうと思っていたのだ。

でもサビが修復不可能なレベルにまできてるという。

きのう、しかちくが車を見に行って、あらためてそれを確認した。

唐突にお別れがやってきた。

車はモノであるので感情などはないけれども、それを所有するほうは何かしら感情を持つ。

勝手に持つ。

あのときもあのときもおまえといっしょだったよな、とかいう感情を勝手に持ってしまう。

泣くほどでもないのだけど、ひとつの時代が終わったような気がしてしまう。

モノとの思い出というのもあるのだなあ。

それでは~


とりぶう

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