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帰郷 ~飛行機編~

テーマ : 日記 ジャンル : 日記





みなさんこんにちは。

先週末、4年半ぶりに実家に帰ってきました。

そのてんまつをしばらくお付き合いください。



『帰郷~飛行機編』


厳しい寒さの中を、二千里の果てから、別れて二十年にもなる故郷へ、わたしは帰った。
もう真冬の候であった。
そのうえ、故郷に近づくにつれて、空模様は怪しくなり、冷たい風がヒューヒュー音を立てて、船の中まで吹き込んできた。

あれ?

船?二十年?真冬?と思った方。
それより、とりぶうのくせに文章うますぎ、と思った方。

あなたの読みはするどい。

けずりたての鉛筆みたいにするどい。

すいません。

これは魯迅の『故郷』の冒頭部分でした。

わたしたちが中三のときにも教科書に載ってたけど、いまの教科書にも載ってるということに驚愕を覚え、パクってみました。
教科書作る人、どれだけ魯迅好きやねん。
『故郷』を学習していた中三のころは、暗い話という印象しかなく、まったく作者の気持ちが理解できなかったけど。
いまはかすかにわかるようになったかもしれん、と思い読み返してみたら、ほんとにかすかにしかわからなかった。おどろき。

わたしは何をやってたんだそれからの25年間。
と自分のぼやぼやっぷりに焦りを覚えた春。

4年半ぶりの帰郷です。

朝出て夕方に着くという、日本国内なのに海外に行くような時間のかかりよう。

それもそのはず。
わたしの今の住まいと、故郷では1200キロ以上のへだたりがあるのです。

朝、たくさんの荷物を抱え宮古空港にいったとき。
ふと気付いたことがありました。
かつてわたしは飛行機での移動が、相当好きだったのに。
今は、それほどときめかないのはなぜ?

はじめて飛行機に乗った大学2年生のとき。
那覇から大阪まで、夢のようなひとときでした。
そのときの服装も覚えているくらいに。
そのナゾを解く必要もあるな、と思いながら飛行機に乗りました。

さて機内では。
お茶とアップルジュースだけは無料サービス。
ワゴンの上に乗っていたすだちスカッシュ(有料)をうらめしそうに眺めながら、わたしはあたたかいお茶を頼みました。

そしてそのお茶を飲みながら、ナゾはすぐに解けました。

なにってあーた、あれよ、機内食よ!
飛行機旅行最大のよろこび、機内食!

あれがなくなってから、わたしは飛行機での移動がそれほどうれしくなくなったのです。

かつては、『食在広州』(食は広州にあり)のように、

『食在飛行機』 食は飛行機にあり!でした。

なのにいまは。




食無飛行機 2012 3・19





食は飛行機にはなし。

国内線のエコノミークラスに機内食が廃止されてから、飛行機の楽しさは一気に減りました。

機内食のない飛行機なんて、いかりや長介のいないドリフターズ。
いえ、のび太のいない『ドラえもん』。(そんなに?)
それくらいかかせないものだったはずなのに。

安さ競争の波に押されて、飛行機会社は魂をなくしてしまった。(機内食が魂?)

とはいいながらも。

わたしも安い運賃万歳!
機内食つき1万円のフライトと、機内食なし5千円のフライトなら、きっと後者をえらびます。
飛行機は移動手段、と割り切るなら、安いほうがありがたいからです。

かつて、飛行機旅行という響きには、えもいわれぬいいものがありました。
機内食のよろこびが内包されていました。
上げ膳据え膳という感覚を味わう瞬間だったのです。
ひとびとは胸躍らせ、機内食が提供されるその瞬間を待ち望んだものです。
すくなくともわたしは。

安いし、何便もあるし、飛行機がそれほど高くなくなった今。
わたしは移動する楽しみを、むかしほど感じなくなったことに気付きました。
移動すること自体が旅行の楽しみのひとつだったころ。
飛行機の中で寝ることすらもったいないと思ってたよなあ。
あるいは、トイレを使わないことすらもったいないと思ってたよなあ。
なんて思いながら、サービスのお茶をすするのでした。

そうこうしてるうちに、飛行機は関西国際空港へ。

20度以上の気温から来た身には、さむざむと感じる空の色でした。

(つづく)



とりぶう

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『故郷』って・・・

 まだ教科書に載ってるんスか? Σ(゚ロ゚;)

『故郷』ってV(-¥-)V的には暗い印象はないですねぇ・・

〝もともと地上に道は無い
歩く人が多くなればそれが道になるのだ〟

という最後のくだりは今でも覚えています。

この文に感銘を受けたV(-¥-)Vは、
「もともと世の中に決められた道なんかねぇ! ヽ(`Д´)9」
とヘンな考えに走って、普通の人とは違う奇策をやたら好み、
〝目的の為に手段を選ばない男〟
と呼ばれるようになりました。

No title

魯迅の『故郷』、う~ん全然覚えて無いですw

宮古から何処か行こうとすると、東京以外に直行がないのが辛いですね。
6月に福岡へ行く予定ですが、凄く時間が掛かる。

機内食、格安航空会社の「ピーチ」はドリンクも機内食も有料であるのですが、最終便だと40%OFF!
良いですよね。

こんばんは

250円とかの飛行機も飛んでるようですが、最初だけですか?
荷物持ち込み料も取られるとか・・・
其の内には立ち乗りの飛行機も登場して皆して搭乗したりして。

続きが楽しみです

どんなハプニングが(ハプニングなくてもええやろ) 起きるのか?


風邪引いてませんように。

No title

いいな~
私も もっと安くいきたいわ~
片道8000円・・・なかなか取れませんよ 笑)
あっ!!福岡ね!!

機内食ね~
国内では食べた事無いな~
いつかな~魚?チキン?って聞かれたの・・・ 笑)

大阪って・・・寒い? 笑)
私が聞いたら駄目だよね~
4年ぶりか~
みんな喜んだでしょうね!!
つづき楽しみにしてます!

V(-¥-)V さん。

『故郷』もヘルマンヘッセの『少年の日の思い出』も太宰治の『走れメロス』も載ってるんですよ!
きっとこれはマスト!と決まってるんでしょうね~。
V(-¥-)V さん、中学時代にあの最後のくだりに感銘を受けたとは、
すばらしい鑑賞ぶり!
わたしは、豆腐屋小町のヤンおばさんしか記憶にございませんでした。ははは。

hajime さん。

せめて九州のメイン都市、福岡には直行便を飛ばして欲しいですよね。
宮古島の中高生が九州大会に行くときなんかにも便利だと思います。
ピーチの飛行機、空港で見ました!
機内食がバーゲンになるって、まるでスーパーみたいでおもしろいですね!

案山子さん。

250円ってすごいですね。
立ち乗り飛行機もほんとにできるかもしれません。
昔は飛行機といえばもう人生に何度乗るか、というくらいだったのに、
いまじゃかなり気軽になりましたよね。

ルーままさん。

おかげさまで風邪はひかなかったです。
最高気温が13度くらいあって、和歌山側のひとびとは
「ぬくい~」
と言ってましたが、わたしたちにとってはマックスの寒さでした!

イノぶたさん。

そうそう、なかなか格安のチケットは競争が激しいようで、取りにくいよね~。
機内食はビーフかチキンかどれにしよう~と迷うのも楽しいものでした。
うしろのほうだと強制的にチキンしかありません、になってたりしたのも思い出です。
関西、寒かったよ!
最低気温が10度を下回ったのは5年ぶりなので凍えそうだった!
体が甘やかされてるな~と思いました。
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