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1889

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みなさんこんにちは。

そんなに良い子ではなかった中学時代。
なかでも中2のときは、よく先生に注意されました。
授業中に私語が多いとか、パンスト(今はいてる人いないよな~)の色が濃すぎるとか、
ささいなことですが、職員室に呼び出されたこともしばしばありました。
とくに中2の2月はよく呼び出され、たま~に良いことの呼び出しもあったのですが、
だいたいは授業中に友だちとまわしあいしてた手紙が見つかって怒られるとか、部活の帰りの買い食いを注意されるとか、そんなことばかりでした。

だから、2月17日。
校内放送で、
「2年2組とりぶう、すぐに職員室に来るように」
と呼び出されたときは、
(今日はどのことで怒られるんやろ?もしかしたら褒められるんか?いや、ないな)
いろんなことが頭をよぎっていました。

おそるおそる職員室に行くと、担任のオオタ先生がちょっといかめしい顔をしています。
(これは怒られるほうやな)
と腹をくくって先生の前に立つと、
「いま、お母さんから電話があって、ひいおばあさんの具合がよくないらしい」
先生はすこし緊張した声でした。
わたしは怒られるのではなかったことでほっとして、
「はあ・・・」
とぼんやりとした声を出しました。
「すぐに帰るほうがええ」
先生は言います。
同居のひいばあちゃんは96歳で、さいきん寝たり起きたりの生活。
具合が悪いといえば悪かったの、いまさら具合が悪くなったといわれても・・・と先生の言葉に違和感を感じました。
それにしても学校まで電話かけてくるなんて、大層な親だと思っていたのですが、先生はやたら帰るようにすすめるので、半ばしぶしぶと家に帰りました。

よく晴れて乾燥した日でした。
家に帰ると、親戚のおじさんが何人もいました。
悲しいでもない、晴れがましいでもない、なんともいえない表情。
母が出てきて、
「ももちゃん(ひいばあちゃんのこと)なくなったんよ」
と言いました。

わたしはぽかんとしました。
そして先生が強く帰るようにすすめた理由がわかりました。
あの時点で、すでに先生は知ってたんだ。
わたしが取り乱さないように気をつかってくれたんだ。
そう思ったものの。
不思議なくらい、すぐに悲しさは生まれてきませんでした。
ももちゃんを見てもすぐにはなにが起こったのかわかりませんでした。

太平洋戦争が終わったとき、多くの日本人は、
「戦争って、終わるんだ・・・」
と感じたらしいですが、それに似た感覚。
わたしはももちゃんが死ぬことがあるとは考えたこともなかったのです。
ものごころついたときから、ももちゃんはかなりの高齢。
「もう、わしは長いことない」
と言いながら、何年もずぶとく生きながらえてきたので、明日からももちゃんがいないということが信じられない思いでした。
それは親戚たちもいっしょで、長く生きた人が死ぬと、悲しいよりも先に、
「あの人の人生が終わった」
という、ひとつの時代が終わったような感慨を感じるようなのでした。

ももちゃんは明治22年、1889年生まれ。
同じ年の生まれには、チャップリンとかヒトラーとか、歴史の教科書に出てくるひとたちがずらり。




同級生 2014 2・19




ももちゃんが歌うのは決まって、
「ここはお国を三百里~ 離れて遠き満州の~」
でおなじみ『戦友』でした。
ももちゃんが生まれた年、大日本帝国憲法ができ。
日清戦争、日露戦争、ふたつの世界大戦や太平洋戦争を経てきたことを考えると。
その時代、日本の空気はどんなものだったのかと想像するにつけ、
はんぶん、うっとおしい話やなあと思って聞いていた戦争話を、もっとちゃんと聞いとけばよかったといまさら思うのです。
あれから28年。
それだけでもすごい勢いで日本は変わってるのだから、ももちゃんが生きた1889年から1985年までの日本はさぞ波乱万丈だったのだろうなあ。


それでは~



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No title

死を 受け入れるって簡単じゃないよね。
私は 無くなった人にふれて 冷たい・・・って感じる。。。確認になるのかな? そして涙が出た・・・
近しければ近しいほど 悲しいって感覚は鈍くなると思う。
いて普通・・・いないって理解できない・・・

いい先生だったね!
それにしても アナウンスで呼び出しって やるねェ~とりぶうさん!

イノぶたさん。

ひいおばあちゃんがなくなったんだ、と実感したのは、
食卓のイスがひとつ減ったことでしたね。
言葉にならない寂しさがこみあげてきました。
残された、という感じ。
人が死んでも、そのほかのひとにはふつうに毎日がやって来るんだということを知りました。

学校での呼び出しは1度や2度ではなかったような・・・。ははは。
でも楽しい学校生活だったんですよね!



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