自力で這い上がるのであるショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  自力で這い上がるのである 


自力で這い上がるのである

テーマ : 日記 ジャンル : 日記


みなさんこんにちは。

きのうの記事で、このところ「時計夫婦」を見かけない、

と書いたのですが。

今日無事、見かけました。

一瞬、別の夫婦?

と思ったのですが、秋仕様ウエアになっただけだった。

時計も衣替えか。

ということで、秋が深まるこのごろ。

金曜日のモコの日記です。






吾輩はモコである。

文鳥である。

涼しくなってきたとはいえ、日課の水浴びは欠かせない。

しかし水浴びをしたあと、体が重くなるのはどうしたものか。

ただでさえ換羽期のため、羽が少なくて飛びにくいというのに、水を含むとひときわ飛びにくいのである。

このあいだ。

水浴びをした後、いつも定位置のメタルラックのいちばん上を目指して飛んだ。

しかし思ったよりも羽が動かぬ。

あれ?

と思ったとたん、メタルラックの二段目に飛び込んでしまった。

一瞬、暗闇に目が持って行かれる。

どこだ?

と思ったとたん、体がどこかに着地した。

むうう。

しばらく黙り込んだ。

初めて見る景色である。

いや、景色が見えないのである。

急に夜になったようだ。

「モコが落ちた!モコ!モコ!」

とりぶうの声がする。

うむうう。

吾輩は落ちたのか。

とりぶうとしかちくが焦った声で吾輩を呼ぶのが聞こえる。

「モコ!モコ!ピ!ピ!」

必死に呼んでいる。

しかし、吾輩としてはそれほどまだ心を許していない相手に、たやすく答えられるわけがない。

ここはなんとか自力で這い上がらなければならぬ。

しばらく待ってみた。

たぶん、人間の時計では1分くらいであろう。

しかし、吾輩の寿命からするとけっこうな分量の時間である。

吾輩がざっくり見積もって人間の10分の1の寿命だとすると、1分は10倍の量、すなわち10分である。

10分間、暗闇でじっとしていたのである。

吾輩の脳裏にはベストの選択をすべく、あらゆる可能性がまわる。

あまりにも暗闇なので、一瞬、ここでじっとしたまま人生を送ってやろうか、とすら思ってしまう。

それもまた人生である。

たまに窓の桟でひからびたヤモリが発見されるが、そいつなら吾輩の今の心境が理解できるのではないか。

まあ、食うに困らなかっただけでも、よい人生だったのかもしれぬ。

ありがたいありがたい。

そんなことを思い始めた矢先。

ふと明るさが戻った。

しかちくが吾輩を救出しようと、やたらがさがさはじめたからである。

光というものは、象徴的にも物理的にも、よいものである。

光は希望である。

吾輩はその光を頼りに、少し飛んでみた。

すぐに何かをつかむ。

目の前にしかちくの顔があった。





自力で何とか 2015 10・9




ああ、案外、たやすい努力で這い上がることができたのだ。

それは何事にもあてはまる。

暗闇にいると思っているときに、出口はまるで見えない。

どこが出口なのかわからないので、むやみやたらと心はかき乱される。

しかし少しの光が見えれば、そこに全力で進むことができる。

光が見えるには時間がかかる。

げんに吾輩は30分ほどかかった。

人間時間にすると3分であるが。

それは3年のこともあるかもしれないし、30年のこともあるかもしれぬ。

そしてその光をもたらしてくれるのは、自分を大事にしてくれる人である。

吾輩は自力で這い上がった。

それは間違いないが、自力で這い上がるために光をあててくれたしかちくには感謝している。

とりぶう?

名前を呼んでただけなので、とくに感謝はしていない。





モコは落ちたあともケロっとしてました。

鳥って表情がわからないので、懲りてない顔つきに見えるのがおかしいんだなあ。

それでは~


とりぶう

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