まぼろしキャセロールショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  まぼろしキャセロール 


まぼろしキャセロール

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

いまから18年前、

ワーキングホリデーで、しかちくとともにニュージーランドに住んでいました。

西洋人の住む地域ではいつもそうであるように、ニュージーランドでもよくパーティがありました。

パーティーといってもだれかの家に集まり、飲んで食べてしゃべるというもの。

食べ物は持ち寄りであることも多く、わたしたちはいつもサラダのような簡単なものを持っていったのを記憶しています。

それは同居人であった30代独身のリンダ(仮名)がかなりの料理下手で、持ち寄りといってもサラダのようなものでよい、といったのを忠実に守っていたからです。

パーティーによっては自分で持参したものを自分で食べるというのもあり、ステーキを持ってきた人はステーキを食べ、ポテトチップスを持ってきた人はポテトチップスを食べ、サラダを持ってきた人はサラダを食べるという、こんなことならもっといいものを持ってくるのだったと後悔するようなものもありました。

あるとき。

とある持ち寄りのホームパーティに参加したときのこと。

主催者はたしか旦那さんがドイツ人のニュージーランド人女性。

参加した人々もいろんな国籍でした。

例によってわたしたちはサラダを持参。

じゃっかん、ボリュームにかけるもちより品ではあったものの、そこではいちばん若かったし、東洋人であるので、少しくらいの非礼は大丈夫だろうと勝手に解釈していました。

それに、それまでホームパーティで驚くようなおいしいものもなかったしな、とも思っていました。

それでもそのパーティは、ドイツ人の旦那が菓子職人だったとかで、おいしいケーキを出してくれたり、わりとおいしいものが多く、これは当たりだと思ったのです。

なかでもおどろいたのが、キャセロールなる食べ物でした。

それを持ってきたのはフランス人の夫を持つ女性。

たぶんニュージーランド人だったと思うのですが、陶器のうつわごと持ってこられたそのキャセロール、ほんとうにほんとうに感動的においしかったのです。

とろっとろに煮られた肉(おそらくビーフ)が、ほぼ繊維だけが残った状態になり、たまねぎなどの野菜が溶けたものといっしょになって、口に入れるとそのハーモニーに打ち震えるほど。

あまりのおいしさに人の目を盗んで何度もおかわりしました。

そのうえ、英語のつたないわたしが、その奥さんに自ら進んで、「この料理の名前はなんですか?」とたずねさえしました。

ビーフシチューでもなく、カレーでもなく、ただの煮込みでもなく、ただもう感動的においしかったとしか言いようがない。






まぼろしの味 2016 2・11



肉を食べる民は肉の調理法がよくわかっていらっしゃる。

そう、うならされた料理でした。

日本でもときどき、あのキャセロールの味を再現したくていろいろやってみたのですが、どれもこれも違う。

あのときレシピも聞いておけばよかったと、唯一悔やまれる料理です。

きっとあのキャセロールはあの奥さんの自慢の手料理だったはず。

自分は果たしてそんな感動的な自慢の一品があるだろうか?と考えると、なかなかありそうでない。

キャセロールは持ち寄りには最適だなあ、とときどき思います。

まあ、ホームパーティに行くことなんかほとんどないんだけどさ。(なんじゃそれ)

日本においしいものは当然たくさんあり、世界中の味が楽しめるんだけど。

日本以外にもおいしいものはたくさんあるよなあ、と思わせてくれた味でした。

あのキャセロール、もう一度食べてみたいんだなあ。

それでは~


とりぶう

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