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とりさんのこと

テーマ : 日記 ジャンル : 日記


みなさんこんにちは。

幼少期、わたしのともだちは「とりさん」でした。

にわとりの「とりさん」。

祖父の趣味だったのか、田舎の常識だったのか、実家にはつねに10羽以上のにわとりが飼われていて、卵を買う必要がないくらいでした。

とりさんは名古屋コーチン。

うす茶色のにわとりで、白い普通のにわとりに比べると少し太めでした。

他にも、シマウマのような白黒もようで、とりさんよりもさらに太めのブリモース「しまたん」や、

白いふつうのにわとり、白色レグホンの「しろさん」などがいました。





とりたち 2016 2・25




たくさんいるにわとりの中で、なぜ、とりさんだけが友だちだったかというと。

とりさんはつつかれるにわとりだったからです。

にわとりというのは、なかなかやっかいな生き物。

いじめをします。

羽が生え変わる換羽期になると首元の羽が抜けるのですが、そのときに地肌が見えると、他のにわとりたちはそこをつつくのです。

つつかれると血が出る。

その血を見て、ほかのにわとりがさらにつつく。

羽が生えるまでそれは続く。

どのにわとりもその運命からは逃れられず、いつも弱いにわとりがつつかれていました。

とりさんは換羽期に羽が大量に抜けてしまい、みずぼらしい姿でした。

それをほかのにわとりは見逃しません。

とりさんがエサを食べようとしたらつつき、横をよこぎったらつつき、それはそれは壮絶ないじめでした。

見る見るやせてゆくとりさん。

見かねた祖父は、とりさんを鶏小屋から外に出しました。

当時はまだまだのどかな時代。

にわとりがうろうろしてても、そんなに珍しくはありませんでした。

わたしは外に出ているそのにわとりがかわいそうで、「とりさん」と名づけ、エサをやったり菜っ葉をきざんで与えたり、かいがいしく世話をしました。

羽は劇的に生えることはないものの。

とりさんはつつかれる心配がない気楽さからか、すぐにまるまると太りだしました。

色が薄くなってたトサカも、ほんのりと血色よい感じになってきてる気がする。

わたしは学校から帰ってとりさんと遊ぶのが楽しみになりました。

やがてじょじょに羽が生え始め、ぼろぼろにみすぼらしかった姿が、つやつやした毛並みの立派な名古屋コーチンになりました。

こうなると、どのにわとりよりも立派。

庭をがしゃがしゃ足でかきまわす音も力強くなってきて、いよいよとりさんが鶏小屋にもどされることになりました。

わたしは自分のことのようにどきどきしましたが、とりさんの表情はいつもまるで読めませんでした。

とりさんは鶏小屋に戻されてどうだったのかは、いまとなってはよく覚えてません。

でもその後は隔離されることがなかったので、うまくいってたように思います。

そして。

元気になったとりさん。

その後、換羽期のにわとりをつつくこともありました。

あんなに辛かったこととか、にわとりは覚えてないんや。

かなり、がっかりしました。

とりさんがわたしのことを覚えていて、鶏小屋の掃除のときに外に出したら、わたしのほうによってくるのが救いといえば救いでした。

いじめられたことを忘れたのか、いじめられたらいじめかえせと思ったのか、にわとり界の常識はわかりませんが。

いじめはあかん。

ということは、少なくともにわとり界では通用しないとわかったのでした。

それでは~


とりぶう


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