足一本くれてやれ ~マラソン走ってみたい人に(4)ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  足一本くれてやれ ~マラソン走ってみたい人に(4) 


足一本くれてやれ ~マラソン走ってみたい人に(4)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

マラソン走ってみたい人に送るぐだぐだ話、第四回。

で、最終回。

今回はマラソンを走ってる最中の気持ちをお送りします。

まだ若かったころ。

といっても30代前半のころだけど。

マラソン大会でもらうTシャツの処遇に困った。

でかでかと書かれたマラソン大会の文字、

とくにおしゃれでもないデザイン、

「いったい、どこでこれを着ろと?」

と思って、タンスの肥やしになっていた。

が。

あれから月日は流れ。

40代も半ばになると、むしろ。

「今年のTシャツは何色やろうな?」

と、しかちくと言い合ったりするくらい楽しみなものになってしまった。

もししかちくが似合わない色であればわたしがもらおう、と思うくらい、

Tシャツが楽しみになってしまった。

今年はスカイブルーだった。

残念ながら、しかちくは自分で着るということなので、しぶしぶ承知した。

これから2年ほどはそのTシャツを着倒すことになると思う。

大会当日。

そのTシャツを着て走る。

カラフルでおしゃれなウエアを着てる人もいるけれども。

わたしたちはそういうものにお金をかけないと決めてしまってるので、大会Tシャツで参加するのだ。

スタート地点の陸上競技場には、ぞくぞくと人が集まり、めいめいストレッチなどをしている。

今回おもしろかったのは、落し物のアナウンスで、

「千円札の落し物がありました」

と言ってたこと。

それ聞いた人々がいっせいに、

「あ、それオレのだ。オレの千円札には野口英世が印刷されてる」

などと言ってた。

しかし千円札の落し物って。

よく届ける気になったものだ、と関心してると。

なんと、落とし主が現れたとのこと。



日本すごっ 2016 11・10




落とした状況とか、場所とかで、持ち主を特定したらしいのだけど。

なんか、すごいと思った。

わたしの落とした1億円も、ひょっとしたらそのうち戻ってくるかもしれんな。

あ、まず落とすことから始めなければ。(お金を貯めることからやろ)

そうこうしてるうちに、フルマラソンがスタート。

15分後にハーフスタート。

天気がとてもよかったので、すでに汗ばんでくる。

わたしたちのレースはいつもカメ方式。

最初はゆ~っくり、のち、ペースアップ。

そのため、最初の3キロくらいはひたすら抜かれまくる。

もう最後尾ちゃう?くらい抜かれる。

しかし、他人にペースを乱されてはいけない。

実力がないのに最初から飛ばすと、かならず後半足が動かなくなる。

だから、調子に乗って飛ばす人を見ると、

「あとでバテるよ」

と心の中で言う。(醜い)

6キロほど走ると、渡りたい橋ナンバーワンに輝いたといわれる伊良部大橋。

全長3,540メートル。

じつは悪魔のような上り坂を持つ。

そして風が強い。

このあたりから、そろそろ人はバテはじめる。

わたしは、「よし、その調子」と思う。(やっぱり醜い)

わたしたちは伊良部大橋の近くに住んでいるので、この橋のことはよく知っているのだ。

風が強く、上りがきつい。

今シーズンも練習のため7回走って足をいため、その辛さは身にしみてるんだから。

そして何回走ってもイヤだとしか思えないんだから。

この橋を走るときは無心。

それしかない。

滝に打たれた修行僧の気分。

いやいや往復したあとは来た道を戻るだけ。

よし、ペースアップだ。

沿道で応援しにきてくれたうさQにあう。

しばらくうさQ伴走。

うさQは、

「思ったより速いペースで走ってるのに、なんでこんなに順位遅いん?

もう行ったかと思って不安になったわ」

と不思議がる。

そうだろ、そうだろ。

これから快進撃が始まるのだよ。

メイクミラクルなのだよ。

と、思うものの。

暑さと足の痛さがピークに達する。

がんばれ、とりぶう。

がんばれ、とりぶう。

わたしは自分にエールを送る。

この大会が終わったら、もうしばらくはきびしい練習しなくていいんだから。

足の痛さは忘れてしまえ。

足一本くれてやれ。

道端に「あと1キロ」の表示が出る。

まわりは歩いてる人もいる。

わたしとしかちくは、ペースを上げてから何十人も抜き去ってきた。

抜いてゆくことは気持ちがいい。

だから、抜かれるのは最初がいい。

しんどそうな人を横目に、ひたすら飛ばす。

飛ばす。

飛ばす。

陸上競技場が目に入る。

ああ、もう少し、もう少し。

足は自然と前に出る。

もうなにも考えずに、足を出すことだけに集中する。

最後の力をふりしぼる。

ぞくぞくゴールするランナー。

そして、

わたしたちのためにゴールテープが張られ。

笑顔でゴールする。

笑顔しかない。

笑顔しか。

こんなにしんどいのに笑顔しかない。

完走のメダルがかけられ、ああ、今年も走れた、と安堵する。

その瞬間は、心からうれしい。

走れてよかった。

その瞬間のために、練習してきた甲斐があった。

正直、練習は疲れるし、風が強い日はつらくてしかたない。

でも、いつか走れなくなるときが確実に来る。

だから、今は走れることがうれしい。

速くなくてもいい。

つらいけれども走り終わったあとは。

楽しいのだからしかたがない。

それがマラソンなんだなあ。

それでは~


とりぶう

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