一年で一番愛すべき日ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  一年で一番愛すべき日 


一年で一番愛すべき日

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

一年で一番、自分の誕生日を愛しているわたしですが。

きのう、その愛すべき日が、

えらいことになりました。

メンタルのふれ幅が、トランプショックの日経平均株価並み。

泣き笑いの一日でした。

順を追ってお話します。

きのう、じつは文鳥のモコが死にました。

思ったよりもずいぶん早かった。

兆候が現れたのはここ一週間ほど。

換羽なので動かないのだろうな、と思っていました。

いつもそうですが、換羽期、鳥はしんどそう。

自分の羽が抜けて生えるまで、体力温存につとめるので動かないことが多いのですが。

日曜日。

あきらかにモコが弱ってた。

左足がもう思うように動かないらしく、すぐにへたってしまう。

止まり木にもうまく止まれない。

寒そうに震える。

わたしたちはうろたえました。

モコの急変に大慌てでカイロを暖めた上にのせてやったり、

手の中でなでてやったり、

できるかぎりのことをしました。

でも、時間がたつにつれ見る見る弱ってゆくのがわかります。

ああ、こんなにも急に、モコは弱っていくんだ。

胸が苦しくて仕方ありませんでした。

いつかモコは死ぬのがわかっていても、そのときになると切なくて切なくて、苦しい。

日曜の夜、かろうじて息があるモコを見て、

「明日、生きたモコを見ることができないかもしれない」

と覚悟しました。

モコには常に大好きだよと言い続け、かわいいと言い続け、ありがとうと言い続けてきた。

でもまだまだ足りない気がしていた。

しかし、きのうの朝。

モコのかごにかぶせてあるカバーをそっとめくると。

足を投げ出したまま、横たわるモコがいた。

ああ、

ああ、

モコが死んだ。

モコの体はとても軽く、まだ羽はふわふわしていた。

すこしぬくもりさえあるように思えた。

でもくちばしの色はつやがなく、目は半分開いたままで、まぶたが動くことはなかった。

うさQにつげ、しかちくにつげ、カメ氏につげ、

みんなの涙を見た。

そのあいだ、わたしは泣かなかった。

モコのなきがらを取り出し、かごを掃除するときと、

モコを埋めて土をかけるとき、

泣いた。

ありがとう、ありがとう、といいながら泣いた。

かわいい姿でうちにやってきてくれて、ありがとう。

力が出なかった。

あーあ、と脱力感がわたしの全身を覆った。

しかちくがそんなわたしを見て、

「文鳥を見に行こう」

と誘ってくれた。

新しい文鳥を飼うのだ。

早すぎるかもしれないと思ったけど、文鳥を買った。

今度はオスだ。

家につれて帰り、モコが朝までいたカゴに入れた。

今度の文鳥の名前もモコ。

わが家の文鳥はぜんぶモコ。

三代目モコは二代目よりもずいぶんはっきりとした色合い。

目の周りが真っ赤。

しかし、カゴの中に入れてからまったくエサを食べない。

水も飲まない。

心配が募る。

何時間もそうやってじっとしてるのを見ると、

「ストレスで死んだらどうしよう?」

と嫌な想像ばっかりしてしまった。

夕方になって、ようやく水を飲み、エサを食べた。

ものすごく安堵した。

ときどき高い澄んだ声で鳴く。

ああ、よかった。

二代目のモコのことは常に頭に浮かんでくる。

でも、三代目が元気になついてくれるように、という希望もあり、

悲しいのだけど、楽しみもあるという状態で、

泣き笑いだった。

夜、とてもひさしぶりに知りあいの子が、わたしに誕生日プレゼントを持ってきてくれ、

わざわざありがとう、という気持ちがあふれてしかたなかった。

そうだった。

あたし誕生日だったんや。

あらためて思った。

学校から帰ってきたカメ氏は、三代目を見てしばし絶句。

「もようが初代と二代目のちょうど中間やな」

と喜んでいた。

うさQは、その日一日学校で落ち込み。

悲しさのあまり、持久走を黙々と走りすぎて、自己ベストを出したという。

帰ってきたら、モコがいたのでへんてこな気持ちになったものの、

「父ちゃんだったら、そうすると思った」

と笑っていた。

三代目モコは、夜になるとすでに少しはなれたようで、精力的にエサを食べていた。

仕事が終わって、晩酌をして、夜12時少し前。

「今日はウルトラスーパームーンやった」

としかちくとふたり外に出た。

月は真上に出ていた。

思ったよりも大きくはなかったけど、白く明るく、まんまるで、

クレーターの部分がまるで二代目モコのおなかのもようのように見え、

まぶしくて涙が出てしかたなかった。

ばいばい、モコ。





ばいばい 2016 11・15





誕生日プレゼントに何がほしいか、と聞かれたら、

さいきん悩む。

ほんとうは、何もいらない。

欲しいものは、みんな元気でいてくれることだ、と心から思う。

新しいモコは、今日はとても元気だ。

朝からずっと鳴いている。

新しい時代の到来みたいに、鳴いている。

二代目のモコとは違うから、またおもしろい。

二代目は二代目のよさ、三代目は三代目のよさがあり、

わたしたちはそのどちらも愛してゆく。

二代目モコを思い出したら泣けてくるけど。

あのふわふわが触れないと思うと、泣けてくるけど。

そんな気持ちをわたしにくれて、ありがとう。

わたしは45歳になった。

いまのところ、泣いたり笑ったりしながら元気で生きている。

それでは~


とりぶう

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誕生日おめでとう!

とりぶうさんの記事を読んで、

涙したのは初めてです。

悲しいなぁ、、、

けど、いいお話、(人''▽`)ありがとう☆

ダリルジョンさん。

ありがとうごさいます~!
いろんな意味で忘れられない誕生日になりました。
これからも笑ったり泣いたりできる人生でありたいです!
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