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舞姫論争

テーマ : 日記 ジャンル : 日記


みなさんこんにちは。

年賀状を書かなければ・・・という時期になると、かならず思い出すことがあります。

それは高3のときのクラスメイト、Kちゃんのこと。

いち早く推薦で進学先を決めたKちゃんが、年賀状書きにいそしんでた姿が思い浮かぶのです。

大胆な赤と白の市松模様を、年賀状一面にばばんと塗りたくっていた姿。

クラスメイトに出す年賀状を、当のクラスメイトの前で書いてたなあ、とおもしろく思い出すのです。

Kちゃんのことは同じクラスになるまでほとんど知らず。

ほぼ初対面に近い状態でした。

クラスに共通の友人がいたので、言葉はかわすものの、それほど込み入った話をすることはありませんでした。

それでも、わたしにとってKちゃんの印象が強烈なのは、彼女が少し変わった子だったからだと思います。

見た目は普通の、むしろきれいな部類の女子でした。

物言いが快活なのと、やることがはやいので、優等生なイメージもありました。

そのため変わった子という印象を持たれてはいなかったと思います。

すこし、率直すぎるという評判ではあったものの。

まだまだ自分に自信のもてない年代にとってみたら、むしろ頼もしいくらいの存在でもありました。

そのKちゃんが豹変したことがありました。

それは国語の授業のあとのこと。

わたしが友だちとそのときにやっていた森鴎外の「舞姫」について、なにやかや話していた時のことです。

ちなみに、「舞姫」は森鴎外の自伝的小説といわれるもの。

ドイツに留学した日本人が、ドイツ人美少女エリスと出会い、勉強そっちのけで彼女にのめりこむ。
が、親友に人生たてなおせみたいなことを言われ、本人もそうだなと思い、結局。
妊娠までしてしまったエリスを捨てて日本に帰ろうと思う。
それを知ったエリス。
発狂!
という話。

鴎外はこの物語の最後で、親友に感謝するものの、すこ~しだけ彼を憎む気持ちがある、と書いているのです。

きっと鴎外の気持ちはここに集約されるのだと思います。

あれでよかったんだけど悪かった。

自分の卑怯さと弱さが、エリスを永遠に損なってしまった。

それを忘れるなと自分に言い聞かせるような一文。

と、

いうのは、

今思うこと。

当時のわたしは鴎外の気持ちなどどうでもよくて、ひたすらエリス側。

きっと、鴎外はヒドイやつだ、というような話をしていたのでしょう。

鴎外悪者説で盛り上がっていたと思います。

そんな話を友だち数人としていたとき、横で聞いていたらしいKちゃんが、

「あたしはそうは思わん。あたしはエリスが悪いと思う。あたし、エリスみたいな女嫌いやわ。大嫌い」

と眉間にしわをよせて会話に入ってきました。

わたしたちは驚きました。

言葉を失っていると、Kちゃんは、

「この話も嫌いやけど、なにがイヤってエリスみたいなうっとおしい女、ほんまに嫌い」

と嫌な虫でも見たかのような顔つきで続けます。

Kちゃんはよほどエリスのことは頭にきていたのか、その後、ひとしきりエリスのここがイヤだ、というようなことを言い続けました。

わたしたちは圧倒され、ふだんなら、気の置けない友だちになら、

「でもエリス、かわいそうやんか~」

と反論していただろうけど、なにもいえず、ひたすら耳を傾けるしかありませんでした。





舞姫論争 2016 12・7




結局、Kちゃんに圧倒されたまま、その話は終わりました。

わたしはKちゃんの言うことがわからなくもなく、よくそこまで言えたなというちょっとうらやましい気持ちもあったのですが、まわりの友だちはKちゃんの言い草に気分を害した子もいて、

「Kちゃんってちょっと怖い」

という評価を下していました。

その後、Kちゃんを観察していると、いろいろわかりました。

Kちゃんは、自分の意に反すること、やりたくないこと(掃除など)は、ウソをついてでも拒否する。

お人よしの反対である。

お愛想では笑わない。

気持ちよいくらい、はっきりとものを言う。

そういう性格は、女子の中では歓迎されません。

そのためか、友だちが少ないようで、同じクラスの幼なじみといつもいっしょにいました。

よくできたもので、幼なじみはこれまたKちゃんと正反対のとてもおだやかでやさしい子でした。

その子といっしょにいることで、Kちゃんの評価もそれほど下がらず、一定に保たれていたといっても過言ではありません。

Kちゃんは正直者すぎたのだと思います。

もちろん、ウソをつくこともありましたが、やりたくないことを避けるための手段としてのウソは、Kちゃんの中では整合性のとれたことだったのでしょう。

わたしの中では面白い存在として印象に残っています。

Kちゃんは「行きたい」大学ではなく、「行ける」大学を指定校推薦でさっさと決めていました。

それも彼女らしい話。

いま、どこで何をしてるかまったくわからないけれども。

あのまんま、わが道を行っててほしいなあ。

それでは~


とりぶう


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そういえば

掃除をさぼる女子とその取り巻き二人を口げんかで半泣きに追い込んだことがあったっけ(;^_^A アセアセ・・・
ああ、あの頃は若かった...( = =) トオイメ
ただ、男子には尊敬されたわ(爆)
手を挙げずに泣かせたって・・・(;^_^A アセアセ・・・

もっとも野郎なら殴っていますけどね。

先日同僚と飲んで優しいけど厳しいとの評価を頂きました。
これってどう判断したらいいのでしょう?

よく、影響を受けたとかブレないとか言われるけど、個人的には標準的なつまらない男だと思うんだけどなぁ(^_^)

でも「お前が標準だったら・・・」というくだりは聞き飽きました(=_=)

のぶちんさん。

それはすごい~!
女子の口に勝つ男子、ってなかなか貴重ですよね。
今はなんでも女子が強いらしく、生徒会長とか学級委員長とか、
重要な役職も、成績も、女性上位が当たり前だとか。
なんか、男の子には大変な時代だなあと思います。
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