雪と防府とごま豆腐ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  雪と防府とごま豆腐 


雪と防府とごま豆腐

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

運転嫌いのしかちくの助手席に乗る人は守らねばならぬことがある。

それは『寝てはいけない』ということ。

助手席に乗るものは『誰も寝てはならぬ』と決められているのだ。

オペラか、と思う。

たぶん、あのオペラも見てたら眠たくなるから『誰も寝てはならぬ』と歌ってるんやろうな。(そんなわけない)

交代で運転してくれるのなら、寝てもよし。

しかし、運転する気がないのなら、寝てはならぬ。

それが『助手』たるもののせめてもの仕事である。

そう叩き込まれてきたわたしは、しかちくの横で寝たことはほぼなく。

いつもナビゲーター&話題提供担当として、助手席に座っていた。

あれはもう20年以上前の冬。

中国地方に旅行に行った。

目的は秋芳洞と萩、津和野。

大阪から山口まで車で行く。

それくらいの距離になると電車を使うのだけど、なぜかそのときは車で行った。

天気予報がどういってたかは忘れたけど、走り出してすぐ雪が降ってきた。

大阪にいると、それほど雪の脅威を感じたことはなかったのだけど、中国自動車道を西に進んで行くうちに、雪はかたくなり、寒さが増してきた。

しまいに高速道路はどこも封鎖された。

しかたなく一般道をのろのろ行く。

渋滞が激しくなる。

こうなると、しかちくの不機嫌はものすごくなる。

彼は何が嫌いって、待たされること。

待たされるくらいなら帰る気持ちな男、しかちく。

雪で少しずつしか進まない道でイライラし始めた。

わたしはあの手この手でしかちくの気をそらそうと必死だった。

もしそこでわたしが逆ギレなどしたら最後、

「おまえはここで降りろ」

と言われかねない。

しかし雪は激しくなる一方。

凍りかけた道に、タイヤが滑り出す。

これはどこかでチェーンを巻かなければ。

イライラとハラハラが交錯していた。

それが2,3時間続いただろうか。

その間、進んだ距離はごくわずか。

なにもかもがしんどくなってきたころ。

ようやくガソリンスタンドが見えてきた。

心底ほっとした。

そこでチェーンを巻くことにした。

が。

なぜかタイヤにチェーンが合わない。

寒さ手がうまく動かない中、あーでもないこーでもないと格闘した。

そんなわたしたちを見かねて、そこの店員さんがふたりがかりで手伝ってくれた。

最終的にチェーンを切断しなければムリということになり、店員さんは雪の降る中汗だくで奮闘してくれた。

そのおかげで無事、チェーンは装着されて、予定よりもずいぶん遅れたけど宿に着くことができた。

山口県防府市のガソリンスタンドだった。

気のいい店員さんたちは、チェーンが装着できたことに我がことのように喜んでくれた。

本当にありがたかった。

ビバ山口、ビバ防府市!

横断幕でも掲げたいくらいのうれしさだった。

絶対、帰りにお礼を言って帰ろう。

と、言い合った。

ほんとうにそういう気持ちだった。

が。

違うルートを走って帰ったため、言えなかった。(なんじゃそれ)

人生はそううまくゆかん。

お礼は、言えるときに最大限言っておかねば、

と、学んだ。

あと。

その旅行でもうひとつ学んだ。

それはごま豆腐はおいしい、ということ。




絶品ゴマ豆腐 2017 1・25



萩・津和野のどこかで、遅いお昼に入ったお店で、

「これ、最後のごま豆腐。

最後だから、彼女のは多めにしたから」

とおかみさんが出してくれた。

正直、わたしはごま豆腐がそれほど好きではなかった。

独特のクセがなんかくどくておいしいとは思えなかった。

だから多めじゃなくていいのに・・・と思ってた。

が。

おどろいた。

髪の毛が逆立った。

そのごま豆腐はまさに絶品だった。

そのごま豆腐はひたすらやわらかく。

食感もそうだけど、味もそうで、くどさがまるでなくてやわらかい味だった。

ごまの風味がほんのりと味わえるほんとうに絶品のごま豆腐だった。

わたしは多めにしてくれたおかみさんに感謝した。

そして、最後だといわれてたのにもかかわらず、

「おかわりないですか?」

とさえ聞いた。

当然、なかった。

そりゃそうだ。

ごま豆腐は作るのにめっちゃくちゃ時間がかかるという。

毎日毎日手作りしてる、とおかみさんはおっしゃってた。

修行してたんかな。(なんの?)

そのごま豆腐はわたしのごま豆腐観を変えた。

わたしはごま豆腐が大好物になった。

少々くどいものであっても、おいしいごま豆腐を食べたあとではなんだかそれも許せるようになり。

子どものころからたくさんごま豆腐を見てきたけど、自分には魅力のないものだと思ってたのが、にわかにもったいなく思えてきた。

『夏の日の1993』現象である。

さいきん中国地方も大雪と聞くと、

ああ、大変だろうなあ、

とお気の毒に思うとともに、

そういえば・・・・と思い出す記憶なのだった。

それでは~


とりぶう

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