ライバルショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  ライバル 


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テーマ : 日記 ジャンル : 日記




みなさんこんにちは。

男は敷居を跨げば七人の敵あり、というように。

敵は本能寺にゆかなくてもすぐ外にいるらしい。

わたしは女なので、そんなに敵はいないと思っていたけれども。

働き方改革とかダイバーシティーとか叫ばれる昨今。

女も年寄りも関係なく敵がいると思ったほうがよい。

げんにカヨワキわたしにもいる。

外に出たら敵がひとり。

というか、一匹。

洗濯物干し場にいる。

敵はクモである。

わりとでかいクモ。

名はクモゾウというらしい。(自分でつけたんやろ)

気を抜いたら、物干しざおのところまで糸を張りめぐらせに来る。

やつめ。

と思い、糸を切ってやる。

細いくせに弾力のある糸は、ぴよんと切れて縮こまる。

が、クモゾウ本体はまるでゆるぎない。

すこし形がいびつになった巣の真ん中で悠々としている。

やつはエラそうなのである。

企業のトップみたいにエラそうなのだ。

そしてその巣は経営状態の悪いセクションをリストラしたくらいな感じで、ゆるぎないのだ。

数日後。

また物干しざおのところまで糸を張りにくる。

うぬう。

と思い、またぴよんと切ってやる。

お互いそれの繰り返しである。

やつを殺したらわたしの負けのような気がしているので、地味な嫌がらせを続けている。

しかし、やつの縄張りは少しずつ増えている。

巣が立派になりつつあり、感じわるい。

そんなことを思っていたら、今日。

巣にカナブンが引っ掛かっていた。

クモゾウと同じか、それ以上の大きさのカナブン。

クモゾウにとってはごちそうであろう。

カナブンは巣から逃れようと必死に体をよじらせる。

そのたびに、粘着力の強い糸がからまり、

動けば動くほど、糸がからまってゆく糸地獄状態。

わたしはそれを見て、いまこそ地味な嫌がらせをするときだ、と思った。

そして物干しざおにくっついていた(あいつは一日でかなりの糸をめぐらせる)糸を、ぴよんと切った。

何本かくっついていたので、それらすべてを切ってやった。

すると巣は下半分がない八角形みたいな形になった。

よしよし。

これでカナブンは逃げやすくなったんじゃないか。

思い切って体重を下にかけると、すぐに糸が切れるんじゃないか。

わたしはほくそえんだ。

が。

カナブンはいよいよ糸をからませるばかり。

自分の状況をなにも客観的に見えていないのである。

上に上にまきついていって、糸巻きカナブンになっていってる。

あほ!

もう、そんなんやから引っ掛かるんやんか!

とカナブンに説教したくなった。

しかし、クモの糸というのはあれでなかなか頭のよい構造になっていて、下半分が切れても上半分が十分機能を果たしている。

うぬう。

わたしは負けを認めざるをえなかった。

くやしいが、これ以上の手出しはフェアじゃないような気がして、しかたなく洗濯物を干すことに集中しはじめた。

が。

しばらくすると、カナブンがいない。

あんなに糸巻きだったはずのカナブンが、首尾よく逃げているではないか。

ああ、今日は勝ったなり!




ひそかなる応酬 001



わたしの頬がゆるんだのであった。

どでかいごちそうを逃したクモゾウは、心なしかわたしをにらんでいるように見えた。

そして「今日はお前の勝ちだよ」と拍手しているようにも見えた。(ほんまかいな)

かくして武蔵と小次郎ならぬ、

わたしとクモゾウの闘いはまだまだ続くのであった。

それでは~


とりぶう

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