これじゃなかっター滝  ~B面の旅 沖縄・夏(2)~ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  これじゃなかっター滝  ~B面の旅 沖縄・夏(2)~ 


これじゃなかっター滝  ~B面の旅 沖縄・夏(2)~

テーマ : 日記 ジャンル : 日記


みなさんこんにちは。

平べったい宮古島には、見上げる土地がない。
上を見たらいつも、空なのだ。
でもわたしは山がわりと好きなので、今回、しかちくが、
「滝行こう」
といったときには、大喜びだった。
山の中にある「ター滝」というところに行くという。

宮古島に住んでいると、山も川もないのが当たり前になり、ついついこの世は平地と海でできていると思いがちだけれども。
沖縄本島は山がけっこうある。
山といっても険しいものではなく、最高でも標高500メートルくらい。
本土の山とちがって、亜熱帯の山。
それだけでジャングルっぽい感じがするよ。
あ~ああ~
と、ターザンがいそうな気がするよ。

しかちくは、そのうえ、
「多少、濡れるかもしれん。ちょっと沢登りみたいなやつ」
というではないか。
なぬ。
と思った。

なにを隠そうわたしの祖先はサルである。(人間みんなそう)
そして、わたしは自称『紀ノ国のサル』である。
登ることが大好き。
大人の階段だって無事のぼってきたのだ。(だれでも)

沢登りなど、屁でもないわ!
と、何か知らんけど闘志がわいてくる。

一応、ガイドもつけられるという。
なぬ、ガイドだ?
上等やないか。
ガイド、つけてもらおうやないか。
と、思った。

闘志がわいてはきていたものの。
知らないところでは、極端に人見知りで臆病なわたしなので、
ガイドを付けてもらうのはありがたいのである。(なんやそれ)

が。
しかちくは、なにやら調べた結果。
「ガイドなくても行けそう」
という。

ちょっと!あんた!
『仁和寺の法師』の教えを知らんのか!
と言いそうになった。
『仁和寺の法師』というのは、子供の中学のときの教科書に載ってた古典。
仁和寺の法師が、ガイドなしに石清水とかいう寺に行ったら、別の寺を石清水と勘違いして肝心の本物を見ないで帰ってきてしまったというお話で、
「先達はあらまほしきことなり」
という教訓がついている。
つまり、
「ちょっとのことでもガイドは必要!」
と兼好法師は言ってるのだ。

しかし、
「小学生でもふつうに行けるらしいで」
との言葉により、だったらええか~、という気になり。
ふたたび、
ワイはサルやで?
沢登りなんか屁でもないわ!
という気持ちがむくむくとわいてきた。
ま、いざというときには、ガイドつきのグループについてったらええやんか。(サル知恵?)

さて。
いろいろ紆余曲折があり、ター滝の登り口に到着。
きちんと駐車場が整備されていて、朝9時ごろだったのだけど、すでに30人ほどがいた。
夏休みなので子供が多い。
よしよし。
安心安心。
子供が多いところでは、それほど危険がないであろう、とわたしは胸をなでおろした。
サルも木から落ちたくないのである。

しかし続々と人がやってくる。
合理化の鬼で、行列嫌いのしかちくが、
「早よいこ!」
と焦りだした。
ここは人気スポットなので夏はとても混むらしい。
だから、とりあえず早く出発してすいてるうちに行きついてしまいたい、と考えているようであった。

わたしたちはホテルを出る時点ですでに水着着用である。
スイムシューズに履き替えていざ出発した。
が。
いきなり戸惑う。
看板を見ても、どこをどう行けばよいかわからない。
早速わたしたちはガイドがいないことを少し後悔するのであった。
たぶんこっちだろうと思われるほうに進んでゆくと、人が歩いている。
それもガイド付きのグループである。
とたんに、ほっとして歩みを速め、そのグループが立ち止まって、
「これがバナナの花ですよ」
などとガイドさんの話に耳を傾けてるうちに追い抜いた。

しばらく歩くと、川が見えてきた。
これがちょっと濡れるかもしれん川やな。
と、思ったのだけど。
そこから先は道がなく、ちょっと濡れるどころではない。
思いっきり川につかって歩くのである。
きたきた、きたきた。
紀ノ国のサルはうほうほいう気持ちを抑えられず、ざぶざぶと川に入っていった。

海と違って、川の水はつめたく重い気がする。
ひざ下くらいまで水につかりながら歩く。
余裕、余裕、、と思ったのもつかのま。
つるんっ、と足がすべる。
石が丸くてつるつるしてるので何度も滑りそうになり、なめたらあかん~なめたらあかん~、という天童よしみの声が頭を回るのだった。

暑い日だったけど、木々が両端から覆いかぶさって太陽がほぼ当たらず快適。
水につかるところもあり、そうでないところもある。
すべるのさえ気をつけたら、そんなに難所はない。
そうして10分ほど歩いたであろうか。
開けたところに出た。
正面に滝がある。
滝というにはおこがましいほどの落差。
3メートルくらいだろうか。

「え、これ?」
「こんな低い滝?」
わたしたちは顔を見合わせた。
だって、ガイド付きのグループはライフジャケット着用だったのだ。
この滝にライフジャケットはあまりにも大げさではないか。

しかし、沖縄をなめたらあかん。
一番高い山で500メートルなんやから、滝が3メートルでも立派なんかもしれん。
とりあえずわたしたちは、滝つぼめいたところで泳いだ。
けっこう深い。
これだったらライフジャケットもいるかもしれん。
わたしは自分を納得させたのであるが、釈然としない。
しかしここから先に行こうとしたら道がない。
先に行くにはその低い滝を登らねばならず、それは子供には無理ではないかと思われた。

すると、後ろのほうから先ほど追い抜いたガイド付きグループがやってくる気配。
「ここで休憩するふりして、ガイドの行き先を確認しよう」
ということになった。

わたしたちは、
「真水で泳ぐの気持ちええな~」
などと、特に言わなくてもよいセリフを言いながら、ガイドグループが通り過ぎるのを待った。

ガイドさんは、わたしたちのことなどお構いなく、(当然)
右側の岩を登ってゆく。
そこにはロープが張られていて、登りやすいようになっていた。
思わず、
「そっちかい!」
と叫びそうになった。



B面 な。 001




大人も子供もわたしもしかちくも、ガイドに従ってついてゆく。
さっきまで余裕余裕と思ってたけど、なかなかどうして、けっこう登りにくいのだ。
なめたらあかん~、なめたらあかん~、
天童よしみが、わたしの中でふたたび回っていた。

「ガイドがおらんかったら、あそこで滝やめてたな」
「仁和寺の法師だったな」
と語り合ったのは言うまでもなく。
やはりたった3メートルの落差の水流は、沖縄でも滝とは言わないようで、わたしがいちばん沖縄をなめてたのかもしれん。

やはり、先達はあらまほしきことなりなんだなあ。

つづく。

それでは~


とりぶう

関連記事

少しでも面白かったら、下をクリックで応援よろしくお願いします。とりぶうの絵が踊るよ!
FC2Ranking にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ blogranking 人気ブログランキング【ブログの殿堂】 クツログ
ショートショートとりぶうの読むコントの応援をお願いします。
あしたも、お待ちしております。! ブログパーツ 健康食品

コメントの投稿

非公開コメント


ブランドコピー財布問屋

悲劇に見舞われたタイタニック号の客室の遺品が地上に揚がった際、ルイヴィトンのトランクの内部は濡れておらず、沈没当時のままの状態を保っていたといったエピソードが語り継がれています。

スーパーコピールイヴィトン(LOUIS VUITTON)激安

高級ブランドの本家本元のヨーロッパ(特に西ヨーロッパ)では、女の子がヴィトンのバッグやアクセサリーを持って歩くなどほとんどない。実情は、富裕層のレディやキャリア女性が多いと言われている。
     カテゴリ

     登場人物
登場人物 とりぶう 登場人物 しかちく
とりぶう=わたし しかちく=夫 
登場人物 うさQ 登場人物 カメ氏
姉=うさQ 弟=カメ氏 

     最近のコメント

     最新記事

全記事表示


     月別アーカイブ

     携帯でどうぞ
QR

     リンクエリア1
このバナー使ってほしいな!
ショートショートとりぶうの読むコント宮古島へのリンク
右クリックで名前をつけて
画像を保存して使ってね。

相互リンク一覧も見てね

のぶちんと神様の日記
ずっと♪CuteMama
今日は何しましょうか?
自分を探して
現代語訳「今昔物語」
one more time
空想Cafe 日ごろ景色
モエレ沼公園通り
プリモプエル奮戦記
ゆみぴい日記
宮古島に移住した介護士のブログ「ゆうむつ青板」
うつ病トマト自分探し旅
すくわか グルメ
羊飼いな日々
日吉丸の買い物日記
デイリー・ロク
哲雄&AKIの不純愛講座
「おとなの恋愛小説」倶楽部
雨のち虹。時々とまと
線香花火
OLミユキさん
癒しの宮古島
宮古島ナビ
宮古島オンライン
もう少し生きてみようじゃないか
トモにゃん日記
官公庁のバイトさん
~怪しい探検隊~
アパート経営で副業生活
ちょっと一息
健康・薬・美容のあれこれ
kurosio note
サミタ帝愛カジノ『沼』攻略への道
路地裏ニライカナイ
腹ペコ番長の三ツ星ブランチ
1日10分 1年で創る自分史
COCOマミーのケ・セ・ラ・セ・ラ
きのこにっき
こころと体に光を
こころのかたち。
日本一のみかん農家
いしまり総統の独身OL帝国
笑い話千夜一夜
ノラ家の日常・非日常
人生楽ありゃ苦もあるさ
FIELD & STREAM
するめ日記
ワクワクの森
短編物語
クマゴローYOGIYOGI
ぽんぽこりん日記
シナモン「飛行船の殺人」
小説人気ランキング娯楽部
りくの日記
回転!揺りイス固め
ドラッグストア店長日記
通販ショップ Ring
眠気耐えられないサラリーマン
のほほん お散歩日記
あざらし☆BEAUTY
ガケップチ我が侭コラム
過ぎ行く日々の雑事
富山市・中心街通信
リハビリ病棟は今日も大笑い
よっちゃん’s BAR
さぼりのクリーニング日記
トビナナフシ日記
映画レビュー
極楽トンボの思うこと

リンク切れと判断した場合は削除しますが、見落としてリンク切れと判断してしまった場合は教えてくださいね。
FC2リンクに追加する



     おかげさまです

     ランキング
人気記事ランキング10
面白いサイトがいっぱいなのでぜひ見に行ってくださいね。自分のブログにリンクを貼ってクリックするだけで参加できます。SNSからのリンクはカウントされません。