ちょうどよかっター滝 ~B面の旅 沖縄・夏(3)ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  ちょうどよかっター滝 ~B面の旅 沖縄・夏(3) 


ちょうどよかっター滝 ~B面の旅 沖縄・夏(3)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

B面の沖縄旅行、ター滝。
沖縄の人はけっこう知ってるようだけど、他県のかたにはなじみがないであろうター滝。
本島北部、やんばる方面にある。
やんばるにしろ、ター滝にしろ、ヤマトぶ―岩にしろ、沖縄の固有名詞というのは、のほほんとした名前が多い。
また、「勢理客」で「じっちゃく」と読むなど、キラキラネームも「すんまへん」と逃げてゆくような読み方も多く。
ドライブで、そういう地名に当たるのも楽しい。

さてター滝。
かろうじて、中間地点で引き返さずに、ガイドさん(他グループの)のおかげでその後の道を見つけた。
ガイドグループは、
「ここに座るととっても気持ちいいですよ~」
などと、川の流れ腰を下ろしてなにやらなごみ中だ。
よし、今のうちだ。
なぜか競争の気分になるわれわれ。
道中の景色を楽しめばいいものの、とりあえずそれは帰りのお楽しみということにして、ガイドグループを抜き去り、足早に目的地を目指す。
帰りには景色を楽しむことなどすっかり忘れてるのもお約束である。

ガイドグループには小学生も含まれていたので、それほど速くは進めなさそうで、もうこれはわれわれの天下なり!と思ったそのとき。
伏兵の登場である。
20代とおぼしき、ひとりの屈強な青年が、精力的に水につかりながらやってきた。
わたしたちが水を避けて、岩場を歩こうものなら、そのスキにとばかりに川をざ~んぶざんぶとのぼってゆく。
彼はなにも言わないが、わたしたちを抜こうとしてるのは明らかであった。

ここで負けたらあかん。
わたしのやる気スイッチが入った。
ワイはサルや。腐ってもサルや。
そんな思いがかけめぐる。
本当に大事なときには入らないのに、こういうときに入るのがやる気スイッチあるある。
客観的に見たら、こんな中年おばさんは痛々しい。
もうやめとけ、と思う。
でも自分がその当人であれば、あらふしぎ。
すがすがしさしかない。
チャレンジできる楽しさ。
青春って素敵!と思う。(とっくに青春終わってるよ)

けっこう急こう配になってゆく岩場を屈強青年に負けず、ガシガシと登り、歩くこと10分弱。
まあまあの差で早くついた。
思えば青年はときどき写真を撮ったりしてたので、わたしたちと競争もしていなかったのかもしれん。
どっちにしろ、滝を見ることが目的なので、競争に勝つことが目的ではなかった。
もうちょっとで忘れるとこだった。

さてター滝。
ふざけた名前のわりにはけっこうちゃんとした滝。
「5メートルくらいかなあ?」
というと、しかちくは、
「そんなわけない、10メートルはあるやろ」
という。
ふ~ん。
1円玉でも人によっては1センチというし、2センチだったという人もいる。
10メートルもあるかなあ、と思ったけど。
じつはすぐに正解を知ることになるのだった。

ター滝はまわりが岩で、滝つぼにもきちんと近寄れて、ごていねいにターザンロープまでついてる。
ターザンロープは手前の木にくくりつけられている。
おじさんのやっつけ仕事みたいな手作り感がいい。
その日一番乗りだったあどうかはわからんけど、とりあえず今はわたしたちだけ。
しかちくは早速ターザンロープをたぐりよせ、びゅんと飛んで滝つぼに落ちた。

一瞬消えて水面から出てきたしかちくは、
「けっこう深い」
という。
以前のわたしなら、深いところなんかとうてい無理だったのだが、宮古島の海で鍛えられているため、泳ぎは大丈夫である。
ただし、平泳ぎ限定だが。
ターザンロープにチャレンジした。

ロープをたぐりよせてエイッと飛び乗る。
あっという間のことに「あ~ああ~」という暇もなかった。
少々ぶさいくな落ち方だったけど、とりあえずターザン気分は味わえた。
自分でやってみるとなかなか怖さもあり、じゅうぶん挑戦した感でいっぱいなんだけど。
のちのち他人がやってるのを見ると、
「あんな低いのにそんなにビビらんでも」
と思ってしまう。
のど元過ぎたら人に対しては冷静になるのだ。

滝はけっこうな強さなので、近寄るだけでも大変。
しかちくは痛い痛いと言いながら打たれ続けていた。
わたしたちが滝に打たれていると、さきほどの青年がやってきた。
地鶏、じゃない、自撮りでいろいろな角度から撮っている。
きっと彼もターザンロープやりたいやろうな、と思ったけど、わたしたちが見ているからなのか、なかなかはしゃいだことをできずにいるようであった。
よかったら撮ってあげようか?
と思ったけど、そういうやり取りがわずらわしいから自撮りをするのだろうと思い、とくになにも言わなかった。
彼はひとしきり滝を撮ったあと、戻っていった。

屈強青年もターザンやりたかったろうになあ、
と思うにつけ。
ひとりであっても、人の目があっても、やりたいことができるくらいの度胸を持つことはしんどいけれども大事だなあと思うのであった。

その後、ガイドグループやらほかの集団やら人が急激に増えてきた。
ターザンロープも順番待ちの勢いである。
つくづく、やっといてよかった~と思った。

続々と人が増えてきたので戻りかけると、
「この滝は15メートルあります」
というどっかのガイドさんの声が聞こえてきた。



15メートル 001



そんなにあったんか~。
わたしはその三分の一くらいに思ってたよ。
15メートルが滝として高いのかどうかはよくわからんけど。
行き帰りの道の難易度といい、遊べる滝であることといい、なにかちょうどいい感じであった。

「何から何まで手ごろな滝やったな」
というのがわたしたちの感想だった。
川から上がると、さっきまで涼しかったのがウソみたいに暑く、ああ、まだ真夏だったんやとあらためて思った。
涼しさすらも、ちょうどよかっター滝なんだなあ。

つづく。

それでは~


とりぶう

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