宮古島ロックフェス2008・湘南乃風
作品No.(235)
わたしたちは即座にバスケットをやめて、パフィーが歌ってる会場の方へ走りました。
しかし、思ったより立ち入り禁止のテープはいたるところに張り巡らされていて、
なかなか会場に近づけません。
ケチやなあ。
ちょっとくらいのぞかせてくれてもええやん。
(どっちがケチやねん!チケット買え!)
わたしたちはずいぶん離れた波うち際から、会場の歌を聴きました。
なじみのある歌がこんなに近くでナマで聴けるというのは、ほんとにいいもんだ。
わたしたちは、足を海にひたしながら4時でもまだ現役の太陽の下で、いい気分になっていました。
「すいませーん。」
そのとき誰かがわたしたちを呼びます。
それはロックフェスのTシャツを着たスタッフでした。
「あのう、ここ一応立ち入り禁止なんでご協力おねがいします〜。」
というのです。
立ち入り禁止のテープは張られていないものの、海には入るなという暗黙の了解があったようです。
どおりでだれも泳いでないわけだ。
わたしたちは顔を見合わせました。
「え、そうなんですかあ?知らなかった〜。泳ぎにきたんですけどお。残念だなあ。
えっと明日は泳いでもいいんですよね?」
わたしたちはとっさに善意の市民を演じました。
スタッフの顔には『しらじらしい』と書かれていました。
そして、にこにこしながらも有無を言わせないスタッフの見守る中、
すごすご引き上げていったのでした。
二年連続、海から見ようとして注意されるなんて。はずかし。
うなだれるわたしたちの横を、一台のバスが通り過ぎました。
『湘南乃風』とバスには書かれていました。
「ちょっと、今の、湘南乃風っていう人たちやで!」
わたしはサングラスのお兄さんたちを指していいます。
「え、どの人?」
しかちくは聞きます。
「あの人らのうちのどれか!」
しかし。
教えるほうも、教わるほうも、その日初めて『湘南乃風』という名を聞いたばっかり。
ああ、豚に真珠。
「来年は『STAFF』って書いたTシャツ、着てきたらええんちゃう?」
帰り道でわたしたちは相談していました。
(せこすぎる!)
やさしく沈む夏至の日の夕焼けは、とてもとてもきれいでした。


あしたも、お待ちしております。!

