西表島に出発するのだ! ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (4)ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  西表島に出発するのだ! ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (4) 


西表島に出発するのだ! ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (4)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記




みなさんこんにちは。

今回の旅の目玉、西表島のトレッキングツアー。
フェリーに乗ってゆくために、朝7時に起床しなければならない。
ということで、前日は夜8時半に寝た。
しかちくは、
「とりちゃん、えらい寝るの早かったな」
と言いに来たが、自分も同じ時間に寝てたくせにな、と思った。

それだけ早く寝ると、やはり早く起きる。
朝5時半にはぱっちり目を覚まし、時間を持て余した。
が、朝7時にならないと食堂も開かない。
若いときには早いと思っていた朝7時が、遅くに感じる。
しょうがないので、ぼ~っとテレビを見る羽目になった。
ノーベル平和賞のおばちゃん、ワンガリ・マータイさんが聞いたら、(おばちゃんて)
「あなたたち時間の使い方、MOTTAINAIよ!」
と怒られそうである。

さて、フライング気味に朝ごはんを食べてフェリーターミナルに向かう。
このターミナルは「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」という名称である。
ミドリムシでおなじみのユーグレナ社がネーミングライツを取得してつけたらしい。
ターミナル内には自動販売機もあって、ミドリムシのドリンクが売られていた。

「ミドリムシ、おいしいんかなあ」
わたしがつぶやくと。
「ミドリムシていうけど、あれは植物やからな」
しかちくが反応する。
「おいしいおいしくない論」が、なぜか「植物か動物か論」になってる。
前々からしかちくはやたら「ミドリムシは植物」論にこだわる。
わたしが「ミドリムシを飲むってなあ・・・」とためらおうものなら、
「ミドリムシは植物や!」
と主張。
ミドリムシ側の気持ちで発言をくり返す。
ひょっとしたらミドリムシから賄賂でももらってるんかもしれん。
「これほんの気持ちのアオミドロです」とか。(気持ちわるいわ)

ミドリムシのドリンクはいろんな種類があるらしい。
栄養満点感がただよっていた。
どんな味なんかなあ。
気になるものの。
かたいことイソギンチャクの口のごとし、といわれたわたしの財布のひもがゆるむことはなかった。

石垣島は離島観光の拠点となる島であるため、朝から観光客はそこそこいた。
ゴルフバッグを持った金持ちっぽいおじさん集団や、中国人観光客、離島で働くと思われる人々、わたしたちのような日帰り観光客、さまざまである。
フェリーの乗組員はみんなおそろいの白いシャツに紺のズボン。
白シャツには両肩に紺の肩章がついていて、シャキッとして、かっこいい。
日に焼けてサングラスをかけて、てきぱき働くお兄さんたちは、さながらトム・クルーズである。
ナンパするなら仕事中が成功率高いと思うよ、とアドバイスしてあげたかった。(余計なお世話)

さて、石垣港から約40分。
とくに揺れることもなく、船は西表島の大原港に到着。
降りるとレンタカー会社や、バス会社、ツアー会社の人たちがひしめいていて、その中にわたしたちがお世話になるツアー会社の人がいた。

よく日に焼けて背が高く、屈強そうだったけど。
けっこうなおじさんだったので、てっきり迎えに来てくれただけの人なのかと思ったら。
その人がツアーガイドだった。
そしてけっこうなおじさんと思ったけれど、わたしたちと同級生だった。
びっくり。
きっと、向こうも、
「けっこうな年寄り夫婦がやってきた」
と思ってたかもしれん。

ガイドさんはわたしたちともうひとり男性が現地で待っていて、計3人が今回のツアーメンバーになります、と教えてくれた。
ガイドさんの言葉は関西なまり。
関西からの移住者であるらしく、もう27年になると語っていた。

わたしたちもそうだけど、沖縄には移住者がとても多い。
そして、そういう人たちには共通して非マジョリティ感がある。
べつにふつうに見られなくてもいい、というような雰囲気。
サラリーマンではないということがそうさせるのかもしれん。
それはわたしも同じ。
兼業農家の公務員家庭に育ち、お給料をもらうことを当たり前に思っていたころは、マジョリティということすら考えもしなかった。
しかし、そんな生活は3年で終わり。
以来、20年以上、わたしは非マジョリティである。
略して非マジョ。
まあ、美魔女といっておこうか。(それはあかん)

そういう人々共通の「ちょっとくらいはみ出してもええやんな」というオーラが、ガイドさんからはびしびしと伝わってくるのだった。
ガイドさんの車には、レスキューの資格とか、ケイビング(洞窟探検)の資格とか、その他いろんな資格の証明が貼られていて、
いったいぜんたい、この人は何者なんだ!?
と思わせるに十分だった。
彼の経歴はとてもおもしろくてすごくて、ここに書くのは大変なくらい。
あまりに大変なので省略します。
とにかく、なんかすごいです。(それを書けよ)

車はささやかな市街地を抜ける。
ところどころに川があり、川のない宮古島から来た身にとっては新鮮で、宮古島ではまったくない水田すら感動した。
その川のひとつで車は止まった。
そこにひとりの男性がいて、その人がツアーメンバーらしかった。
わたしは一人で参加の男性、ということで、勝手に伊藤英明のような海猿ぽい人を想像していたのだけど。
そこにいたのは、残念ながら伊藤英明というには程遠い、
見た目はゆる~いケンドーコバヤシの、にこにこした気のよさそうなお兄ちゃんだった。
そしてその人も関西弁である。
隊の公用語は関西弁で進められるのであった。

こうしてメンバーはそろった。
隊長(ガイドさん)とわたしたち夫婦、ゆるコバで合計7時間の行程をゆくのである。
と、いいながら。
終わってからその内容をツアー会社のサイトで確認してそれがわかったくらいで。
じつはわたしはそのとき、何をするのかまったくわかっていなかった。
しかちくには、「アドベンチャー」と言われていて、
ああ、アドベンチャーね、と納得してはいたものの。
何をしにどこに行くのか、どんなアドベンチャーをするのか、わたしはまったく把握していなかった。
ちょっとした沢登りかな、くらいに思ってたのだ。

だから、隊長に、
「これからこの川でシーカヤックに乗ります」
と言われて、
「聞いてないよ!」
と思ったのだ。
しかしほかのメンバーはみんな、ああ、カヤックね、という顔つきだったので、わたしもそんな顔をしておいた。
ゆるコバに至っては、カヤックに取り付けるなんたらいうカメラまで持ってきてたし。
そのカメラについてひとくさり隊長と語り合ってたし。
なんか、ちょっと置いて行かれた感があって焦るのであった。

その日の川は隊長いわく、
「数年で一番かもしれない」
くらいの良さらしい。
なんでも、梅雨入りして雨がほとんど降らず濁っていた川が、
前々日の長雨で増水し、水量、透明度ともに申し分ない状態になったのだそう。
隊長もうれしそうだった。
しきりにツイてるツイてると言われるものだから、自分は「持ってる」人間なのか、と勘違いしそうになった。
持ってるものといえば、腹に一物くらいだと思ってたのだけど。

しかし、初めて参加するわたしたちにとって、悪い状態の時を知らないものだから、比べようもなく。
目の前を流れるふかみどりの川が、「悪い状態」と言われても、ナルホドと思ったはずである。

ゆうゆうと流れるふかみどりの川を見て、ふと、
「ここにもミドリムシがいてるんかな」
などと考えてしまった。
さっそくネーミングライツの効果が出てるではないか。
ユーグレナの戦略おそるべしなりよ。



亜熱帯の森 001






が。
ゆうゆうと流れる川と、遠くに見える濃緑の山を堪能できるまでには、けっこうな難所が待ち構えているのだった。

つづく


とりぶう

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