オドロキのイチジク、そして古代人の目 ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (10)ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  オドロキのイチジク、そして古代人の目 ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (10) 


オドロキのイチジク、そして古代人の目 ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (10)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記


みなさんこんにちは。

1982年 夏。
~♪ きみは赤道小町 
恋はアツアツ亜熱帯 ♪~
という山下久美子のポップな歌声を聞いたとき。
亜熱帯という地域は赤道直下にあり、
年がら年中、とても暑いのだと思っていた。

しかし、宮古島という亜熱帯地域に住んでいて思ったのは。
亜熱帯は赤道直下にはないし、
驚いたことに。
亜熱帯は冬は寒いったい!
ということ。
知らんかったったい。

反対に、亜寒帯のロシアは。
驚いたことに。
サッカーワールドカップロシア大会でもわかるように、
35度とかいうてるで!
めっちゃ、暑いやんか!
亜寒帯の夏をなめたらあかんたい。(くだらんダジャレやめろ)

さて。
洞窟探検に向かう一行。
西表島の亜熱帯の森の木々は、いままでだれにも切られたことがないのだろう。
やたら大きく思えた。
パイナップルみたいな葉っぱのひとつひとつも、
それでサーフィンできるで!
というくらいの大きさ。
どこかで恐竜が見ててもおかしくないような森であった。

大きな木のひとつで隊長は立ち止まった。
立派な「ついたて」のような根が三本、大きな木を支えている。
それは板根(ばんこん)と言われるらしい根で、
読んで字のごとく、板をたてたような根が広がっていた。
まるで北欧の有名な家具職人が作ったような、美しいカーブを描いた大きな根であった。

「一番大きい根がこっちにあるということは、反対側が海ということがわかります」
隊長が海のほうを指して言った。
「海からの風が強いので、それを支えるために反対側の根が太くなるんです」
へ~。
そうなの根。
根にもいろいろ事情があるの根。





板根 001




驚いたことに。
「これはイチジクです」
と隊長は言う。
言われてみたら、まわりに小ぶりなイチジクらしき実がいくつも転がっていた。

イチジクといえば、便所の横に植えられてる木というようなイメージがあったので、こんな巨木になるということに驚いた。
イチジクに関してはわたしはそれほどいいイメージがなく。
進化しそこねた果物のような、野暮ったいやつという扱いだった。
たぶんそこにには「イチジク浣腸」のイメージが色濃くあったように思う。
イチジク浣腸。
あれ、名前のつけかた絶妙やけど、イチジクの身になってみたら、
「ワ、ワイら、浣腸でっか!?」
と戸惑いを隠せないに違いない。
まあそれはどうでもええとして。

一行はしばらく歩く。
足元が悪いのだけど、ほんとにフェルトブーツが滑らなくて助かった。
隊長、しかちく、わたし、ゆるコバの順番だけど、わたしはときどきゆるコバがちゃんとついてきてるか振り返って確認する必要があった。
というのもゆるコバが遅れがちだったからである。
隊長の歩くペースはけっこう速め。
遅れまいと続くしかちくとわたし。
しかちくに確認はとっていないが、わたしたちには、
「どや?わたしら中年やけど、けっこう歩きますやろ?」
という年寄りの冷や水的な自信があったので、ついていけないのは負けのような気がしていたからだ。

しかし、ゆるコバは。
じゃっかん、メタボのゆるコバは。
どうしてもちょっと遅れるのである。
関西弁をしゃべるものの、東京在住のサラリーマン。
コンクリートジャングルは得意でも、亜熱帯ジャングルには不慣れなのであった。

やがてひとつ目の洞窟で隊長は立ち止まった。
足元にはちょろちょろと川が流れ、奥が暗くて見えない。
洞窟というのはどの洞窟でもそうであるが、入るのにわくわくするような感じはしない。
むしろできれば避けて通りたい。
それはひとえにこの暗さからなのだろう。
しかし昔々の人々は、洞窟をすみかとしていた。
きっと当時はそこが一番安全な場所だったはずで、洞窟に壁画が見られるのがその証拠。
ラスコー洞窟だって、ナントカいう洞窟だって、カントカいう洞窟だってそうなのだ。(ラスコー洞窟しか知らんやん)

驚いたことに。
昔の人は虹の外側の色が見えていたというではないか。
七色の外側の色、紫の外側とか、赤の外側とか、
紫外線とか赤外線とか、Wi-Fiとか、そういうものが見えたかもしれんという。(どんだけ見えんねん?)
便利~!
と思ったけど。
よく考えたら、便利なんかどうかはよくわからん。
むしろ今その能力があったら、
見えすぎちゃって困るの~、
という状況になってるかもしれん。
たぶん、その能力がなくなっても大丈夫だから退化したのであって、
今の人間にはそれ以外の能力が発達してきているのだと思う。

隊長はバッグから小さな懐中電灯のようなものを取り出した。
驚いたことに。
その懐中電灯みたいなもので、「虫の目」になれるという。
虫の見える色が見えるとか、たぶんそんなものだったと思う。
それを真っ暗な洞窟の中で、ある石に当てるとそれが光って見えるという。
そしてそれが、昔の人が見えた世界なのだという。

さっそく洞窟に入ってそれを試してくれた。
真っ暗の洞窟で、上からドロッと垂れ下がってきたような鍾乳石に「J」の形をえがく隊長。
うっす~らと、か細い光が「J」の形に浮かび上がった。
「わー!」
と声を上げたものの。
驚いたことに。
思ったよりも感動しなかった。(なんじゃそれ)

その光はか細すぎたのだ。
何万年もかかって、そのささやかな光を見る能力をすたれさせた人間。
光がなかったときには、鍾乳石の発するその光を感知できたのだと思うと、
現代は光があふれてるのだなあと思わざるをえない。

しかし、そのわずかな光は、当時の人々にとってみたら、けっこうな明るさに感じていたはずで。
その人々に今の日本の繁華街を歩いてもらったら、
なんじゃこりゃ~~!
と卒倒しかねないと思う。

昨日、台風空に一瞬、虹が出たときに。
紫と赤の外側に色がないか必死に目を凝らしてみた。
ら。
一瞬、紫の外側にうっすら黒っぽい色が見えたように思ったけど。
きっとそれはなんらかの影のようなもので。
昔々の人々が見えてたものは、そういうふうに表現できない色なんだと思う。
ちょっとうらやましい気もする。

つづく


とりぶう

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