しかちく半端ないって! ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (12)ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  しかちく半端ないって! ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (12) 


しかちく半端ないって! ~沸く沸く、沸いてる!八重山 (12)

テーマ : 日記 ジャンル : 日記



みなさんこんにちは。

旅行の思い出をブログに書くときは、基本的に時系列で書く。
しかし、どうしても抜け落ちた部分が出てきてしまう。
いきおいで書くのと、ダジャレをはさもうとしてしまうので、それほど重要ではないことは後回しになる。
なぬ?
ダジャレがいちばん重要ではないだろうとかいうやつはダレジャ。
わはははは!
ほら。
こんな感じだからさ。(さ、じゃないよ)

そのうえ、わたし目線で書くので、どうしてもペットのことを書くのはあとになる。
ペット?
あ、ペットじゃなくてオットだった。
ほーら、またでた。
こんな感じだからさ。(早よ進め)

夫しかちくの雄姿を書いてあげなければ。
またあとでぐだぐだゆうし、な。(もうダジャレはええよ)

今回のキャニオニング中、飛び込むところでは、隊長が一番最初に、
「ここらへんに飛び込んでください」
とお手本を見せてくれる。
それも頭から飛び込む、競泳スタイル。
かっけ~。
と思った。
もう何百回と飛び込んでいるのであろう無駄のない動き。
こういうところで頭から飛び込めたらかっけ~よな~、と、
わたしたちはクリスティアーノ・ロナウドを見てほれぼれするサッカー少年みたいな目つきだった。

しかし実際、飛び込みポイントに立ってみると。
無理無理無理無理。
頭からとか、絶対、
無理無理無理無理。
と思ってしまうのだった。
関係ないけど、無理無理って漢字を並べたら、網戸みたいやな。(どうえもええよ)

このシリーズの(7)でも書いたけど。
ちょっとの高さでも飛び込むとなると、かなりの勇気を引っ張り出してこなければならぬ。
足から飛び込むのでもそうなのだから、頭からとなると、もうひとまわり大きな勇気が必要だった。
ところが、しかちくは隊長の「かっけ~」飛び込みを見て。
「オレもやってみる!」
という。

なにもわざわざ火中の栗を拾いに行かなくても。
そう思ったけど、そもそもこのツアー自体が「老体にムチ打って火中の栗を拾いに行こう」的なツアーなのである。
二度とこんなチャンスはないかもしれない、と思うと、頭から飛び込みたくなるらしかった。

しかちゃん、ホンマに大丈夫?
わたしはいぶかしんだ。
以前、宮古島で5メートルくらいのところを飛び込もうとしたとき、30分くらい飛びあぐねた前科が彼にはあるのだ。
それよりは低いとはいえ、頭からとなると、また30分コースになるんちゃう?
わたしは言葉には出さねども、内心、頭はないんちゃう?と思っていた。

ひとつめ、ふたつめ、みっつめ、と飛び込みポイントを過ぎ。
しかちくいまだ頭から飛べず。
一応、飛ぼうとはするのだけど、
「やっぱりここは足からいこう」
と先延ばしにする。
そりゃそうやで。
下手に飛んだら、頭からゴツンやで。
やはりこれは百戦錬磨じゃなければ難しいんじゃないの?
頭から飛べなくても、あたしは笑えへんから。
それよりも失敗したら、笑いごとではすまんから。
なぐさめの言葉すら用意していたのだが。

最後の飛び込みポイントで、
「頭から行く!」
という。
最後のポイントは正直、ちょっと難しい。
スタートポイントまで登るのも難しいし、足場がやや不安定。
大きな岩が水中にあるため、飛び込む場所も限定される。
それでもしかちくはいったん言葉に出したものだから、
「わー、こわー」
と言いながら、引っ込みがつかなくなった。

わたしは下からしかちくの飛び込みを見ていた。
きっと、しかちくの中にも、なにか一線を越えるような踏ん切りがあったはずで、
隊長が、
「ここらへんに飛び込んでください」
と自撮り棒で示したあと、
「行きまーす!」
とひとこえ、
頭から、
やっ、
とばかりに飛んだ。



飛んだ!! 001




しかちくの体が隊長が示した棒のあたりに飛び、のばした手と頭がずぶん、と落ちた。
「おー!」
と拍手がわいた。
水から顔を出したしかちくは、恐怖に打ち勝ったすがすがしい表情をしていた。
やったったー!
と満足げであった。
しかちくのそういう顔は長いこと見てなかったかもしれないと思うと、
「すごいやんかー!」
とわたしはひときわ大きな拍手をするのだった。

ところで、隊長が頭から飛び込むのはなにも「かっけ~」からではなく。
足から飛び込んだら、
「9月くらいには鼻血が止まらなくなる」
らしい。
足から飛び込むと、鼻に水が入る。
それをシーズン中、何度も何度も繰り返していると、
「しまいに鼻の粘膜がやられる」
のだそう。
必要にせまられての競泳スタイルなのだった。
なにごとも、仕事になると大変なのだなあ。

すべてのツアー行程を終え、レンタカーのゆるコバと別れる。
ゆるコバは、
「今からフェリー乗るんですか?もう石垣に帰るんですか?」
と名残惜しそうだった。
なんだったら、ツアーの思い出話をその日じゅうにでも語り合いたい雰囲気だった。
しかし隊長は、
「今からだったら、3時半のフェリー、間にあいますよ」
と急いで車を出したので、ゆるコバとはそこで手を振って別れた。

フェリー乗り場に向かう車中、隊長は、
「子供が成人するまでは、どうにか稼がないと」
と言ってたのだけど、その気持ちはそっくりそのまま、わたしたちも身につまされる話であった。

こういう旅行ができるようになるまで、20年かかった。
気がつけば、体が限界目前である。
まだまだ若い若いと思っていても。
もう50歳がちらついていた。
じっさい、「まだまだ若い」なんて、ほんとの若い人は言わんしな。
「これ言い出したら年寄り」ていう、リトマス試験紙ことばやもんな。
年を取ることだけは、だれにとっても平等やもんな。

いくらしかちくが童顔であっても、童顔のまま50歳になる。
いくらしかちくが、この間、新しくできた「やっぱりステーキ」にカメ氏も一緒に行き、
紙のエプロンをした父親を見て、
「お、おとうさんっ、赤ちゃん感半端ないって!ほんま、半端ないって!」
と「大迫半端ないって!」のテンションで大笑いされたとしても、
あと数年後には、
「赤ちゃん感半端ない」50歳を迎えるのだ。
焦る気持ちも半端ないのだ。

ゴリゴリの体力を持っていると思われる隊長もわたしたちと同い年、
「頭から飛び込んでたら、今度は頸椎のほうが悪くなって」
と言う。
年取ってくると、体はもぐらたたきである。
あっちをかばったら、こっちが悪くなり、
こっちを直したら、あっちにひずみがくる。

それとじょうずに付き合いながら、楽しい旅行をせなあかん。
隊長にお礼を言ってフェリーに乗る。
フェリーはすぐに出発した。
風が当たる外の椅子に座り、しかちくに、
「また西表、来ような」
と言おうとしたら、すでに寝てた。
はやっ!
ほんま赤ちゃん感半端ないって。

つづく


とりぶう

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