子供時代の偏食とお弁当
作品No.(349)
わたしは子どものころ、『NOと言える子ども』でした。
「しいたけ食べろ。」「NO!」
「なすび食べろ。」「NO!」
というように、かなりはっきり自分の主張を押しとおしていました。
(ただの偏食や!)
『好き嫌いがない』というような子は、わたしにとっては宇宙人より信じられない存在。
しっかり者を自負するわたしも、彼らにはかなわないという思いでした。
「あの子、好き嫌いなくってすごいなあ。字へたくそやけど。」
と手放しに尊敬していました。
(ひとこと多いぞ!)
ちょっとした偏食家のわたしにとって、
(美食家みたいにいうな!)
苦痛なのは幼稚園のおべんとうの時間。
食べられないものがあると、核廃棄物をかかえた自治体のように途方にくれるのでした。
このまま、気付けば家で寝てるっていうようなことが起こってくれへんかなあ。
まわりを見渡しながら、あの子のウインナとわたしのしいたけが変わる魔法が使えればとか、
しいたけがせめて梅干しに変わってくれれば、とか現実逃避に余念がありませんでした。
そうこうしていると、いつの間にかおべんとうの時間は終わり、わたしは食べられないものを残してかえるという日々を送っていました。
当然、こういうことが続くと先生や母にとがめられます。
好き嫌いがない宇宙人からも、
「とりぶうちゃん、好き嫌い多いなあ。」
とバカにされることになります。
これは断じて許せん。そう思ったわたしは、ある日、おべんとうを食べるのがいやさに、おなかが痛いと仮病をつかいました。
先生は別にとがめもせずに、早引きを許可してくれました。
わたしはとたんに元気になって、「おなか痛いから、はやびきするわ!」とみんなに言いまくり、はしゃいで家にかえったのです。
(病人のすることか!)
家に帰ると、母は心配そうに、
「大丈夫かい?おなか痛いんやったら、おべんとうやめとくか?」と聞きます。
わたしはおなかより心が少し痛みながらも、内心ほっとしながらうなずき、そそくさと仮病にもどったのでした。
『渡りに船』って乗り心地ええわあ。
しかし。母が開けたおべんとうを見ると、大好きなロールサンドイッチが入っていたのです。
「あんた、これ好きやのになあ。」
母は残念そうにいいながら、ロールサンドイッチをほおばります。
ええっ、今日、ロールサンドなん!?ああ〜しまった〜っ!!
(自業自得や!)
みんなに「今日は全部食べたで!」と自慢できない上に、好物を食べられないという二つの苦痛に、
わたしは真剣に苦しくなってきました。渡りに船で船酔いです。
(あほや)
しかし、わたしはいまさらあの戦争は間違いでしたといえないブッシュ大統領。
教訓。おべんとうのチェックは怠ったらあかんで。
(仮病を使ったらあかんやろ!)


あしたも、お待ちしております。!

