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作品No. (3)
今年もまた、カメのなる季節になったわい。あいつらは、かわいいやつらじゃが、なにぶん、気が荒い。
一本の木に、百匹ほどなっていても、地上に生きて下りられるのは、せいぜい二十匹。
そのほかのやつは、争いに敗れるんじゃ。
カメの木を見たいかい?
ほれ、そこの畑の横っちょの木。そう、それじゃ。柿の木に似とるじゃろ。できかたも、柿の実とよう、似とる。
たまごが、えだに、鈴なりになってる様子は、遠くから見ると、柿の木かと思うくらいじゃ。
そこの木はもう、カメがでてきとるかい?ああ、日当たりの良いところのやつは、大きいし、かえりも早いんじゃ。
ところがの、鳥は、日当たりのよいところになるカメが、好物なんじゃ。まあ、肉もようついとるし、いちばん、目立つところにあるからの。
二十匹しか下りられない原因のひとつは、鳥に食われる、というのもあるんじゃ。
日陰のやつは、かえりがおそい。しかしの、こいつがいちばん、気が荒いんじゃ。
カメはの、たまごからかえって、一週間ほど、木にしがみついて甲羅干しをする。
そうして、木からおりるんじゃ。その一週間のあいだに、百匹ほどがいっせいにかえりだす。
それは、おもしろい光景じゃぞ。
夏に、セミがぎょうさん、木にしがみついてるのもおもしろいが、カメは、もひとつ、ユカイじゃ。
すこしでも、日光を浴びようとして、良い場所にみんながむらがる。
おしあいへしあい、じゃ。
日陰生まれのやつらはの、自分たちが、恵まれない境遇に生まれたと、わかっておるんじゃな。
だからといって、いじけてはおれん、自分の未来は、自分で切り開く、とばかりに、日向のやつらにむかっていくんじゃ。
日向のやつらは、もともとが、おっとりしとるからの。
小さい日陰のやつらが、自分の下にもぐりこむのを、あんまり考えず、受け入れてしまうんじゃ。
なんせ甲羅干しは、太陽が当たって、なんぼじゃからな。
いくら良い場所に来たって、誰かの下になったんじゃ、太陽の恵みは、受けられんからの。
ところが、じゃ。下にもぐりこんだ日陰のやつらは、同じ日陰生まれの小さいやつと手を組んで、いっせいに立ち上がるんじゃ。
そうじゃ。文字どおり、後ろ足で踏ん張って、立ち上がるんじゃ。
あいつらもよく考えたもんで、立ち上がる者、その足を押さえる者、と役割分担しとるんじゃ。
これをやられたら、たまったもんじゃない。
日向もんは、まっさかさまに木からおちて、ぐしゃん、よ。日陰のやつらは、根気よくそれをくり返して、じょじょに自分たちの立場を強くしていくんじゃ。
日向もんが落とされる瞬間は、この季節の風物詩じゃ。まれに、運良く、落ちても死なないやつがおってな。そいつは縁起物として、高く売れるんじゃ。
まあ、最近は、疑わしいもんが出回ってきたんで、証拠写真のないもんは、市場に出したらいかん、ということになっとるらしいの。
お、一匹、カメがたまごから、出てきよったの。
クリックしてくれると、とりぶうが踊るよ!



あしたも、お待ちしております。!
今年もまた、カメのなる季節になったわい。あいつらは、かわいいやつらじゃが、なにぶん、気が荒い。
一本の木に、百匹ほどなっていても、地上に生きて下りられるのは、せいぜい二十匹。
そのほかのやつは、争いに敗れるんじゃ。
カメの木を見たいかい?
ほれ、そこの畑の横っちょの木。そう、それじゃ。柿の木に似とるじゃろ。できかたも、柿の実とよう、似とる。
たまごが、えだに、鈴なりになってる様子は、遠くから見ると、柿の木かと思うくらいじゃ。
そこの木はもう、カメがでてきとるかい?ああ、日当たりの良いところのやつは、大きいし、かえりも早いんじゃ。
ところがの、鳥は、日当たりのよいところになるカメが、好物なんじゃ。まあ、肉もようついとるし、いちばん、目立つところにあるからの。
二十匹しか下りられない原因のひとつは、鳥に食われる、というのもあるんじゃ。
日陰のやつは、かえりがおそい。しかしの、こいつがいちばん、気が荒いんじゃ。
カメはの、たまごからかえって、一週間ほど、木にしがみついて甲羅干しをする。
そうして、木からおりるんじゃ。その一週間のあいだに、百匹ほどがいっせいにかえりだす。
それは、おもしろい光景じゃぞ。
夏に、セミがぎょうさん、木にしがみついてるのもおもしろいが、カメは、もひとつ、ユカイじゃ。
すこしでも、日光を浴びようとして、良い場所にみんながむらがる。
おしあいへしあい、じゃ。
日陰生まれのやつらはの、自分たちが、恵まれない境遇に生まれたと、わかっておるんじゃな。
だからといって、いじけてはおれん、自分の未来は、自分で切り開く、とばかりに、日向のやつらにむかっていくんじゃ。
日向のやつらは、もともとが、おっとりしとるからの。
小さい日陰のやつらが、自分の下にもぐりこむのを、あんまり考えず、受け入れてしまうんじゃ。
なんせ甲羅干しは、太陽が当たって、なんぼじゃからな。
いくら良い場所に来たって、誰かの下になったんじゃ、太陽の恵みは、受けられんからの。
ところが、じゃ。下にもぐりこんだ日陰のやつらは、同じ日陰生まれの小さいやつと手を組んで、いっせいに立ち上がるんじゃ。
そうじゃ。文字どおり、後ろ足で踏ん張って、立ち上がるんじゃ。
あいつらもよく考えたもんで、立ち上がる者、その足を押さえる者、と役割分担しとるんじゃ。
これをやられたら、たまったもんじゃない。
日向もんは、まっさかさまに木からおちて、ぐしゃん、よ。日陰のやつらは、根気よくそれをくり返して、じょじょに自分たちの立場を強くしていくんじゃ。
日向もんが落とされる瞬間は、この季節の風物詩じゃ。まれに、運良く、落ちても死なないやつがおってな。そいつは縁起物として、高く売れるんじゃ。
まあ、最近は、疑わしいもんが出回ってきたんで、証拠写真のないもんは、市場に出したらいかん、ということになっとるらしいの。
お、一匹、カメがたまごから、出てきよったの。



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