シーサー王 沖縄プロレスが熱い!(1)
作品No.(594)
あずき相場とおなじくらい、わたしには興味のなかったもの。それがプロレス。
プロレスというと、わたしの記憶ではアブドーラ・ザ・ブッチャー。(古い!)フォークをふりまわして対戦相手を血祭りにあげるスポーツだと思っていました。
(どんな偏見や!)
そんなある日。旅行で行った那覇の国際通りで、沖縄プロレスに遭遇。
しかちくはそのポスターを見て、ひとり舞い上がりました。
「おい、スペル・デルフィンや!大阪プロレスのスペル・デルフィンや!これ見たい!」
と興奮ぎみに言います。そこそこの有名人を見てもそれほど興奮しないしかちくですが、沖縄プロレスのポスターを見て、海の中でイルカに出会ったくらい喜んでいます。
夫の子どもっぽいはしゃぎっぷりを見て、わたしは、
「えー、プロレスゥ〜?いやや〜!せっかく那覇に来てそんなん見たくない!面白くないもん!」
とりあえずオトナっぽく理論的に反論しました。
(思いっきり感情的や!)
だいたい、大男がフォークふりまわして暴れるスポーツを、喜んで見る気がしれん。
プロレスっていうのは一部の心得のあるファンのもので、あたしら素人がうかつに見たらケガするで。
わたしがいぶかしげに見ていると、しかちくは関係者らしき黄色のマスクをかぶったひょっろっとした兄ちゃんに、いつやるのか、どこでやるのか、など必要事項を聞いています。
黄色いマスクには『さんぴん茶』とかかれています。見るからに下っ端感がただよっています。
さんぴん茶は愛想良くそれらの質問に答えます。そしておどろいたことに、その会場はすぐうしろの雑居ビルの5階だ、というのです。
え〜、こんなとこでプロレスが?プロレスといえば、なんとか体育館とかでやると思っていたわたしはおどろきました。こんなところにゴミ箱が!みたいなおどろきです。
(おどろくか?)
それも水曜日以外、毎日やってるというではありませんか!
ちょっとそれはすごい。わたしのブログの更新並みやで。
(かすかに自慢か?)
しかし、こんなとこでリングとか作れるの?部屋中リングだけで客が入られへんってことになれへん?それにそんなに狭かったら、観客にもフォークささるやんか。
(ささるか!)
思いっきり不審な目で見ていると、そのビルから水牛が出てきました。
よく見ると、マスクをかぶった人間でした。首と肩が一体化してもう大変なことになっています。
顔には金魚みたいなマスク。よくみると、それはシーサーのようでした。
そのマスク、シーサーってわかるのむずかシーサー、と心の中で小粋な突っ込みを入れていると(ベタベタや!)、しかちくが、
「沖縄プロレス、明日見に行きます!楽しみにしてます!」
とシーサー王(初代ヘビー級タッグマッチ王者)に握手を求めに行きます。
ちょいちょいちょい!そんなん反則!明日見に行くって、ぜんぜん聞いてないで!
わたしは、知らない間に消費税を値上げされたうっかり国民の気分。
「ぜひ来てくださいよ〜」
とシーサー王に言われて、息子も大興奮。
こうしてわたしはしかちくの反則で初めてのプロレス観戦をすることになったのでした。

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