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ショートショート『貴重な資源』

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(653)

水に悩むのはなにも砂漠だけではない。 

高い山に囲まれたその国でも、飲み水の確保は死活問題だった。

水道の施設は整ってなかったし、山の中に点在する村をつなぐ道路も舗装されてはいなかった。

村ではそれぞれ共同の井戸を掘って飲み水を確保したが、村はずれに住む少女シタの家ではその井戸まで行くのに1時間かかった。

その日もシタは水をくんだ帰り、大きな木の下で休憩していた。

シタは、さっき石につまづいてよろけて少し水をこぼしたことを後悔していた。

水は貴重品だ。

転ばなかったのは不幸中のさいわいだ。もし転んだらもう一度水をくみに戻らねばならない。

水くみは遠いし重いし。

シタにはつらい仕事だった。

ふだんならここで少し水を飲むのだが、今日はこぼしてしまったのでがまんした。

ちょっと少ないだけでもお父さんにどやされるのだ。

シタが立ち上がると、うしろから「すいみません」と声をかけられた。

見慣れない若い男が立っていた。

外国人?茶色の長髪をうしろでまとめ、まるいめがねをかけている。

ポケットのたくさんついたカーキのジャケット、ごつい登山靴、シタの身長くらいありそうなバックパック。

シタがあごを引いて肩越しに見ていると、男はたどたどしい言葉で言った。

「すいません、このあたりにレストランか宿、ありますか?ぼく旅行中なんですけど、見当違いのところに来たみたいで・・・。」

シタはどうしようか迷ったが、将来この国を出たいと思っていたので、とりあえず自分のうちに招いた。

悪そうな人に見えなかったし、宿もレストランもその村にはなかったのだ。

シタの家では初めて見る外国人に、両親もおばあちゃんも弟や妹たちも大よろこびだった。

シタは水をこぼしたことを責められなかった上に、外国人というめずらしいものをつれてきたことを手柄のようにほめられて、とてもいい気分だった。

お父さんは、いとこのおじさんの出稼ぎみやげでもらった、上等なワインを持ち出した。

外国人の青年は恐縮しながらもうれしそうだった。

彼は自分の国の話をたくさんした。

シタには夢の中の話のようだった。

エレベーターに遊園地、花火、そして海。

青年はしかし、自分たちの国にもたくさんの問題があるといった。

「とくに地球温暖化というのが深刻になっています。ぼくたちは資源を使いすぎました。だからこれからはなるべくリサイクルしようという動きが広がっています。もっとも、この村ではリサイクルするにも、ゴミ自体があまりないようで、それはとてもすばらしいことです。」

青年は家族の顔を見回して言った。

お父さんは誇らしそうにうなずいている。

楽しい会話が続き、ワインはあっという間に空になった。

「ぼくの国では、こういう空きビンもかならずリサイクルします。ちょっと水をいただけますか?」

青年はそういうと水がめから空きビンになみなみと水を入れた。

そうしてビンをよく振った後、水をどばどばっと窓から外に捨てた。

「こうやってきちんと水洗いして、リサイクルする必要があります。ビンは大切な資源ですからね。」

「って、おーいっ!水返せよーっ!」

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コメントの投稿

非公開コメント

こんにちは♪

いやぁ~考えさせられますねぇ!
私も昔は水というと何かタダみたいな感覚でした。
蛇口を捻ればいつでも勢いよく水が出てきて、
それが当たり前だと思っていました。

でも世界にはコップ1杯の水にも苦労している
人が沢山いるんですよねぇ~!

今年こそ私も資源の無駄使いをやめるように
努力しよう!

No title

蛇口ひねると水が出る・・・
普通だと思ってましたが いつまでひねれば水は出てくるのか・・・

ちょっとでも節約しなきゃって思ってても・・・
結構出しっぱなし。。。ってやってしまいます・・・

もっと意識をしなくちゃね!!
みんな水が無いと生きていけないんだもんね!!

私は 人一倍水飲みだから 笑)
それを止めないとね ^^)

No title

笑えました
ありがとう

なるほど~

こんばんわ、とりぶうさん。。

ほんま大切なものって、その土地土地で違うものですよね。
水が大切な土地と資源が大切な土地と・・
でも、資源が大切な土地には、ライフラインが確保されているんですよね!
だから、水の大切さを忘れてしまう。。。
当たり前になったものは、忘れてしまう。。。
違ったことですが、今年初めに自分自身がしてしまったこと。。。
当たり前のものを感謝する気持ちを再度認識していきたいと実感している、さすらいでした。。

クーピーちゃん。

水って地域によってありがたさが全然違うよね。
宮古島には川がなく、地下ダムに頼っているので、移住しなかったら水のことで頭を抱える感覚はよくわからなかったかもしれません。
まわりはぜんぶ水なのに、不思議なもんだよね~。

イノぶたさん。

断水になったとき、あらためて『ああ水に感謝!』って思うよね。
のどがかわいたとき、一杯の水のうまいこと!
とくに緑あふれる山をくぐりぬけてきた水は格別ですよね。
きっと、イノぶたさんの地域は水道水でもおいしんだろうなあ。

mihoさん。

こちらこそありがとうございます!
最後、なんじゃそれ、って感覚になってもらうとうれしいです。

さすらいの阿呆鳥さん。

当たり前のことは、当たり前だけになかなかあらためて感謝しにくいものですよね。
わたしもいつもそのことで怒られます。
毎日、いつ死んでもいいという気持ちで後悔しないように生きなければ!・・・・と思うのですが、じゃあいつ安らいだらええの?とか思ってしまい、同じ失敗の繰り返しです。
でも素直に反省する気持ちがあるうちは、まだ大丈夫なんじゃないかなと、自分に言い聞かせています。

本当に

環境によって貴重なものは変わりますよね。

たぶんこの私も何処かへ行けば貴重な存在になると思うんですよね(^o^)
いや、ここでも充分貴重な存在かも
北海道の伝道師として(^o^)

(ばかちんの伝道師として貴重なのかと思った(^_^;)イランケド)<神の声>

のぶちんさん。

こんにちは、北海道の伝道師さん。
伝道師って、でんじろうの弟子みたいなもんですか?

ほんとにありがたいものって違うんだなあと思いますよね。
この間、宮古島にどこかの日本の姉妹都市から雪のプレゼントがあり、それはもりあがったそうです。こっちでは雪はすごく貴重なんですよね~。
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