おじい一大事!ショートショート とりぶうの読むコント~宮古島  おじい一大事! 


おじい一大事!

テーマ : 日記 ジャンル : 日記


みなさんこんにちは。

となりのおじいは体調を壊して以来、あんまり外に出ることがなくなりました。

そのためか しかちくは、しょっちゅう、

「今日はおじいの声した?」とか、

「おじいの友達、来てないんちゃう?」とか、

おじいおじい聞いてきます。

散歩に行くときには、かならず生垣の間から、おじいの様子をチェック。

どんだけおじい好きやねん!

とわたしがあきれていると。

しかちくは、

「おじいみたいな人がのんびり暮らせる社会がええ。おじいが生きにくい世の中は、しんどい世の中や」

と、まるで絶滅危惧種の保護団体みたいなことを言います。

盗みを働く人間が生きやすい世の中って、199X年か(北斗の拳か!)か、南アフリカくらいやで。

けっこう ふつうの人が生きにくい世の中やんか。

さて。

外に出ることが少なくなったおじいの元には、毎日ヘルパーさんがやってきます。

ヘルパーさんは、非常に元気のいい人で、

「冷蔵庫に入ってあるから、それたべなさいよーっ!」

「カーテン、洗うからねーっ!夕方までには乾くからっ!」

と、大音量。

耳の悪いおじいのために、大きな声でいうのでしょうが、おじいは何度も、

「はー?」

「はー?」

と聞き返すため、ヘルパーさんはますます大きな声で、

「カーテン、あ・ら・うっ!」

と絶叫します。

わたしはとなりで聞きながら、

「わかったよ、夕方までには乾くんやろっ!」

と言い返したくなります。

そして先日。

おじいの家にたくさんの人が集まってきていました。

しかし、なんだか様子がおかしい。

黒い喪服らしきものを着た男性も見えます。

しかちくはそれを見て、

「ひょっとして・・・!」

と今にも泣き出さんばかりの表情。

人数はだんだん増えてきて、おじいの孫らしき声も聞こえます。

「ぜったいそうやで。おじい、なくなったんや・・・・」

「まさかー。一週間前までは元気そうだったで」

「いや、あの年やから、急変ってこともありうるで。だって、さいきんヘルパーさんにこたえてる声、聞こえてなかったやろ?」

「そうだったっけ?」

「そうや!さいきん、声せえへんからおかしいと思ってた!」

しかちくは確信めいて言います。

となりを覗いてみると、普段はつけないところの電気までつけて、人が忙しそうに出入りしています。

たしかに喪服を着ている。

そういえば、となりのおばあが亡くなったときとよく似ている・・・。

季節もこれくらいで、おじいのハゲ頭が寒そうに見えたっけ・・・。

なんだかんだ言っても、おじいはおばあが亡くなってから、ずいぶんコタえてたんやなあ・・・。

ときどき聞こえる孫の笑う声も、どことなくさみしいような・・・。

わたしは どきどきしながら、窓越しにとなりを観察しました。

おじい、早すぎるよ。

ネタがなくなるやん・・・。

そんな思いでいっぱいでした。(やらしいな!)

しかちくは、

「あ~あ、生きにくい世の中になるな」

と、まるでおじいが一時代を築いた賢帝でもあるかのような嘆きっぷりでした。

「あれで、人にはけっこう好かれてたもんな・・」

わたしたちが、亡きおじいをしのびはじめたそのとき。

あれ?

あれは・・・?

あのハゲ頭は・・・!




おじい健在 11・29


生きてるやん!

めっちゃ、ふつうに元気そうやん!

おじいは ら~り~、と鼻唄でも歌いかねないようなご機嫌ぶり。

まったく心配無用の気配でした。

よく観察していると、それは おばあの法事。

どおりで季節もよく似てるはずだ。

わたしたちはなんだかうれしい肩透かしをくらった気分でした。

翌日。

いつものヘルパーさんが現れ、

「きのう、どうだったーっ?」

と大声で聞いていました。

めずらしく、

「よかったですよ~」

というおじいの声がしていたので、やっぱりちゃんと返事してるやん、と思ったのですが。

「冷蔵庫にきのうの残り物、い~っぱいあるからっ!ごはん炊いちゃだめだよっ!

わかったっ?」

という問いかけにはまったく反応していませんでした、

おじい、返事をさぼってるだけだった。

とりあえず、おじいの絶滅はまぬがれたもようです。

それでは~

とりぶう

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No title

こんにちは。
あ~良かった。
おじいは宮古島でしか生きられません。
宮古島はおじい保護区。
長生きしてね~おじい。

おじい元気でよかった、よかった。

ドキドキしながら読んじゃったよ・・・

あー、よかった。
また、おじいネタが読めるわぁ ^^

ねぇ、みなさん!!

お年寄りは

大切にしましょう!
私も還暦は過ぎております。
本当に、そうやって近所の人が気にしてくれるだけでも違うと思いますよ!
あぁ・・・
私の息子にも少しは年寄りを大切にして欲しいものです。
私に向かって、「死ぬまで働け!そうすらボケねぇ!」って言うんですよ!(涙)
困った息子です。

No title

家の実家のお隣さんも 連れが亡くなって一人暮らしのおばぁがいます。
盗みはしないけど、ちょっとトラブルメーカー 笑)

文句を言ってても うちのお母ちゃんは 毎日のように顔を見に行ってます。
おばぁは沖縄の方で たまにサーターアンダギーを作ってきてくれます。 ^^)

だから おじいには ちょっと親近感がわいて・・・
しかちくさんと同様。。。
よくおばぁの様子を 聞いたりしてます ^^)
もう84歳心配なんだよね~ 笑)

No title

おじい、元気で良かったです。
はらはらしましたよ。
耳が遠いのか、しらばっくれてるだけなのか・・・
なかなか興味深いですねぇ。

絶滅危惧種

おじいが北海道にいなくてよかったです(´▽`) ホッ

(その代わり破滅導引危惧種のぶちんがいる(=_=))<神の声>

それは何ですか?(?_?)

トマトさん。

なかなかしぶといみたいですよ、おじいは。
ほんとに宮古島はおじい保護区です。
きっと都会ではやっていけないはず。
おじい着々と長生きの方向に向かってるみたいです。ふふふ。

八重yamabuki さん。

あのときはほんとに、まさか、おじいが!
と思いましたよ~!
おじいを見てると、『必要悪』ということばが思い浮かびます。
じつは、おじいのとっておきのネタは、ブログじゃ書けない!

kouchanさん。

kouchanさん、若い~!!
わたしの理想の老い方だわ~。
息子さんに憎まれ口たたかれるほど、元気ってことですよね。
「もうなんにもしなくていいよ」と言われるほうがこたえると思いますよ!

イノぶたさん。

84歳でサーターアンダギー作れるおばあもすごい!!
イノぶたさんのお母さんも、いいお隣さんだわ~。
そういうご近所さんって、ほんと、親戚よりもずっと頼りになるんだよね。
この間もおじいのお姉さんがうちにいらして、「なにかのときはよろしく~」とおっしゃっていかれました。
ほぼ、保護者にされた?

羊飼いさん。

おじいの耳はほんとに都合よく出来てるみたいに思えますね~。
基本、聞こえにくいのですが、耳の痛いことを言われるときは、いっそう耳が遠くなる気がします。
ずぶとい人です。ふふふ。

のぶちんさん。

おじいが北海道にいたら、きっとどこかの時点で熊に襲われてるんじゃないかと思われます!
あるいは、雪で足を滑らせて転んで入院とか。
おじいにとって宮古島は最後の楽園かも!
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