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日本収監~あなたができるまで 26

テーマ : エッセイ ジャンル : 小説・文学


※よろしかったら最初からどうぞ→あなたができるまで



娘よ。

一旦、ニュージーランドに戻ったら、魔法がとけたみたいに。

安宿に逆戻りだった。

共同トイレに共同シャワー。

食事はマクドナルド。

何度も通ったマクドナルド。

そこでわたしは泣いた。

「帰りたくないよう」

と泣いた。

あほやで。

こうなることはわかってたやろ。

選んだのは自分やろ。

と見つめる自分がいたのだけれど。

そのときになって初めて、責任というものが『漬物石』みたいにのしかかってきた。

のんきとか、気楽とか、ゆったりとか。

そんなものとは永遠にお別れなんだ。

そう思うと泣けてきたんだよ。

でもね。

わたしは今、のんきだし、気楽だし、ゆったりしてるし、おまけに怠けてすら、いられる。

人間ね、その気になればどんな状況でも怠けることが可能なんだよ。

って、お母さんが言ってたとか、人には言わないように。



帰りの飛行機はやたら速く進むように思えた。

広い海を越えて、日本が見えたとき。

なつかしさはなく。

これは大きな檻だと思った。

手かせ足かせをいっぱいくっつけて生きてかなければいけない。

檻から出るには何年、いや何十年かかるんだろう。

怖くて怖くてしかたなかった。

自分が不法入国でもするかのようなビビリ方だった。

関西国際空港の到着ロビーには、わたしの両親が来てくれていて。

なつかしかったのだけど、言葉の通じないホームステイみたいに。

お互いどうしていいのかわからず戸惑った。

ハグをしないのが不自然にも思えた。




あなたができるまで26 1・21




わたしのおなかが大きいことは、わたしにとってはすでに当たり前のことだったけど、

親にしてみたら、初孫がその中にいる!えらいこっちゃ!ということで。

やたら心配してた。


両親と別れ、タクシーに乗り、窓の外を眺めると、ビルがいっぱいで怖かった。

オラ、都会はムリだんべ。

と思った。

こんなコンクリートジャングル、紀の国のサルがやってけるわけなかろうもん。

と思った。

しかちくの実家に行くと。

みんなビックリしていた。

ものすごくビックリしてた。

「もう帰ってきた!」

と大騒ぎだった。

みんな、わたしたちが帰る日にちを間違えていた。

さすが適当人間しかちくの実家。

そこらへんの大らかさがよくて。

嫁で同居で出産で、とカチコチになってたわたしは。

この檻は、思ったより自由なのかもなあ、と思ったんだ。



つづく

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No title

> これは大きな檻だと思った。
> 手かせ足かせをいっぱいくっつけて生きてかなければいけない。
> 檻から出るには何年、いや何十年かかるんだろう。
> 怖くて怖くてしかたなかった。

そうか、そういう気分になったんだ。
そんな思いになるくらい楽しい時間だったんだね。
確かに子供が産まれれば、妻である前に母、女である前に母、自分である前に母、人間である前に母・・・(大げさか?)でなくちゃってところがあるもんね。
それに加え妻であり、さらにプラスして嫁でなくちゃいけないんだもんね。

しかし、しかちくのご両親が大らかで、となると、、、
話題満載で、これから先また一段と楽しいぞって事なのかしら(期待大♪)

確かに

檻の中かも・・・
それでも私の中では広すぎる(爆)
広いとそれだけ動き回らないと行けないでしょ?
もうそれだけで面倒(=_=)

なんだかんだ言って今は快適な環境ですよ
┌( ̄0 ̄)┐ ワーッハッハッハッ・・・・

遅ればせながら

好中球調べてみました。


これの中にある値の上下で
けいりゅう流産とか切迫流産なんかの予測ができるらしく(けいりゅうが下がるで切迫が上がるだっけな)
妊娠後期は下がるとか色々基準があるようで
つまりおばちゃんはその値が高いか低いかをみて(低かったのかも)
「んー今は妊娠後期だから低い?けいりゅうは妊娠初期の症状だから違う?
ま…こんなもんか」
と思ったのではないでしょうか?


結構妊娠中の状態の目安になるようですよ。


いよいよ日本!
お嬢さん誕生間近なんですね。
続きが楽しみです。

No title

それは びっくりですよ~ ご両親には・・・
普通なら一緒にお腹の大きさを見ながら おばあちゃん おじいちゃんになってくんでしょうからね!!
親と一緒じゃないかい?
でも おじい おばあは孫だから すぐ時間はとりかえせそうだけど・・
日本の風景は ほっとしませんでしたか~ 笑)

なんでお辞儀みて 頬をあからめてるんだい?
とりぶうさん ^^)

帰ってきたんですね!

こんばんわ、とりぶうさん。。

いよいよ、日本上陸ですね(笑)
やっぱり民族性ですね、違うもんや~~
ずっと日本にいるとあんまりおもわへんけど・・
外国の人から見たら変なんやろうね!
さぁ、これからは第二弾の日本編やね!!
楽しみにしてま~~す。

八重yamabuki さん。

母って、なってみるまで度胸がつかないというか、不安でたまらないもんだよね~。
わたしは働くことを休んでやりたいことをやってたので、ギャップが大きすぎてほんとに怖かった!
でもみんなそれを文句も言わずもくもくとやってるんだと思うと、尊敬尊敬だったな~。
そのうえ、あの痛みにみんな耐えて来たんだと思うと、なんか、人間ってすごいなと思ったよ。

のぶちんさん。

快適が一番ですよ!
今じゃ、わたしも宮古島でも広い~と思ってます!
車で三十分ってめちゃめちゃ遠い~!と思ってますから。ははは。
居心地のいい場所なら、どれだけせまくても快適ですよね!
むしろ、せまいほうが快適なこともあります。
トイレとか。

ルーままさん。

お調べいただきありがとうございます!!
やっぱり、おばちゃんの言うように、大丈夫、ってことなんでしょうね!
当時はインターネットも使えなくて、辞書がいちばんの情報源だったので、ひたすら不安でした。
日本では、また別の意味で不安がいっぱいだったんですが、言葉が気軽に通じるってイイ!
とひたすら実感しました。

イノぶたさん。

日本の風景は、ビルが多い部分はかなり怖かった~。
もともと田舎モノなので、都会ではくつろげない体質なのかも。
お辞儀で顔を赤らめるのは、「うわ~、お辞儀された~」という『照れ』みたいな感じかなあ。
ハグをはじめてしたみたいなね!
テレビを見てるとほんとにお辞儀してる人が多かったので、外人がよく日本人のマネをするときにお辞儀してたのを思い出しました。一週間たつと、まったく違和感なくなったんだけどね。ははは。

さすらいの阿呆鳥さん。

最初は戸惑ったんですが、すぐに慣れましたね~。
日本ってお店が多くて、モノがあふれてるな~という印象でした。
ニュージーランドやオーストラリアの田舎から来たら、ものすごく驚いたと思います。
わたしはむこうに行って、お別れのときにハグをするのが恥ずかしかったです。
とくに日本人同士だと照れる!!
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